介護福祉士になるのは簡単すぎると聞いたことがあるかもしれません。
介護福祉士の資格取得が簡単といわれる理由は、試験の合格率や対策の立てやすさが関係しています。
しかし実際は、資格取得が簡単すぎるとはいえない実態もあります。
本記事では、介護福祉士資格取得の難易度や実態を解説しています。
介護福祉士の資格取得に興味のある方は、ぜひ参考にしましょう。
目次
介護福祉士になるのが簡単すぎると言われる理由
介護福祉士になるのが簡単すぎると言われる理由として、以下の3点が挙げられます。
- 介護福祉士国家試験の合格率は比較的高い
- 実務経験を試験に生かしやすい
- 勉強をするための教材や講座が多い
それぞれの理由について、詳しく解説します。
介護福祉士国家試験の合格率は比較的高い
介護福祉士の合格率は例年70%以上と、国家資格のなかでは高い合格率になっています。
過去3年間の合格率を他の国家試験と比較した表を以下に示します。
表:介護福祉士と他の国家資格における合格率の比較
介護福祉士の合格率 | 司法書士の合格率 | 社会福祉士の合格率 | |
令和2年度 | 71.0 | 5.2 | 29.3 |
令和3年度 | 72.3 | 5.1 | 31.1 |
令和4年度 | 84.3 | 5.2 | 44.2 |
過去には合格率が50%を切るような年もありましたが、ここ10年は合格率が50%を切っていません。
国家資格のなかでも最難関とされる、司法書士の合格率は約5%と非常に低くなっており、介護福祉士と同じ介護系の国家資格である社会福祉士の合格率は50%以下です。
他の国家資格と比較すると、介護福祉士国家試験の合格率は高いといえるでしょう。
実務経験を試験に生かしやすい
介護福祉士の資格試験を受けるためには、介護分野において一定の経験が必要です。
例えば、介護現場での実務経験が3年必要だったり、養成校での実習が必要だったりします。
介護福祉士の試験内容には、身体介護の方法や生活援助のポイントなど、実務経験で身につけられる内容が反映されている部分があります。
また、現場で介護について学んだうえで試験勉強をすることで、内容が頭に入りやすいのがメリットです。
勉強をするための教材や講座が多い
介護福祉士の試験対策のテキストはどこの書店でも手に入り、種類も複数あります。
そのため、自分に合った教材を使用しての勉強が可能です。
また、スマートフォンやタブレットで利用できる勉強アプリもあり、場所や時間の融通をつけながら、効率良く勉強できます。
試験対策の講座も多く用意されているため、独学でも学習しやすく、自分のライフスタイルに合わせて、合格への環境を整えやすい資格です。
介護福祉士になるのが簡単とは言いきれない理由も
資格取得が簡単に思われがちな介護福祉士ですが、油断できない面もあります。
介護福祉士になるのが簡単とはいえない理由を紹介します。
試験を受けるまでに時間がかかる
介護福祉士の国家試験を受けるまでには、以下のようなルートがあります。
資格取得ルート | 高校卒業後に養成施設に入学 | 介護現場での実務経験のみ |
---|---|---|
必要年数 | 2年以上 | 3年以上 |
2年以上の養成施設での学習や3年以上の実務経験など、どのルートでも受験までに数年を要します。
転職で介護福祉士になろうと思っても、資格試験受験にあたって自分の努力だけではどうにもならない決まりがある点で、簡単になれるとはいえないでしょう。
油断していると落ちる場合がある
いくら介護福祉士国家試験の合格率が高いといっても、約30%の人は合格していない試験である点を忘れてはいけません。
対策が不十分のままで試験に臨むと、落ちる可能性もあります。
国家試験に落ちる要因には、以下のような点があげられます。
- 実務経験があるからと勉強しない
- マークシートでミスをする
- 過去問題や模擬試験を解いていない
合格率が高い試験だからといって、油断して対策を疎かにしてしまうと、不合格を招きかねないので注意しましょう。
介護福祉士は受験要件を満たし対策をすれば比較的簡単に取得できる
介護福祉士国家試験は近年70%以上の合格率があり、比較的簡単に合格できます。
試験対策の教材や講座も充実しており、試験勉強も進めやすく対策が立てやすい試験です。
しかし、受験要件を満たさないと試験を受けられず、早く資格を取得したいからといって、すぐには受験できない点に注意しましょう。
「介護福祉士になるのは簡単すぎる」と油断せずに、本記事を参考にしっかり資格取得に必要な対策を行いましょう。