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介護福祉士の合格率はどのくらい?ルート別に分けてご紹介

「介護福祉士にはどのくらいの人が合格しているの?」
「介護福祉士国家試験は難しいの?」
介護福祉士をめざしている人や受験を控えている人のなかには、不安に思う人もいるでしょう。

資格試験の合格率を知ることは、受験する際の安心材料にもつながります。
本記事では全体的な合格率はもちろん、合格率の推移や知っておくべきポイントを詳しく紹介します。
安心して介護福祉士国家試験に臨むためにも、ぜひ参考にしてください。

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介護福祉士国家試験の合格率

まずは、介護福祉士国家試験の合格率を紹介します。
以下の表は、平成30年度から令和4年度の直近5年の合格率を示しています。

区分 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%) 合格基準点
第31回 94,610 69,736 73.7 72点
第32回 84,032 58,745 69.9 77点
第33回 84,483 59,975 71.0 75点
第34回 83,082 60,099 72.3 78点
第35回 79,151 66,711 84.3 75点

出典:介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移

平成30年度の第31回に比べ、令和4年度の第35回では受験者数が15,000人近く減少していることがわかります。
介護福祉士の合格率は例年70%前後で推移していますが、第35回だけは84.3%と高い数字になっているのが特徴です。

介護福祉士国家試験はもともと合格率が高い傾向にあり、しっかりと対策を行えば十分に合格をめざせる試験です。
第35回の合格率を見ると、今後もこの水準を保つのか見極める必要があります。
合格率が上昇したままの場合、今後さらに合格しやすくなる可能性があります。

介護福祉士国家試験の配点は1問1点の125点満点で、合格の条件は下記になります。

  1. 問題の総得点の60%程度を基準に、問題の難易度で補正した点数以上の得点がある
  2. ①を満たしたうえで、試験科目11科目群すべてにおいて得点がある

①から計算すると、基本的には75点以上とることができれば合格です。
しかし、不適切問題や合格者数の増減により毎年ボーダーラインが上下するため、第32回では77点、第33回では75点、第34回では78点が合格基準点となっています。

介護福祉士試験の合格率の推移について詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

【ルート別】合格率の推移

ここからは、以下のルート別に合格率の推移を見ていきましょう。

  • 受験資格別の合格率
  • 養成施設ルート・福祉系高校ルートの合格率

受験資格別の合格率

介護福祉士国家試験の受験資格を得るためには、学校や研修、実務経験などの組み合わせでいくつかのルートがあります。
第33回〜第35回介護福祉士国家試験における受験資格別の合格率を、以下で紹介します。

区分 第33回 第34回 第35回
総数 71.0% 72.3% 84.3%
介護福祉士養成施設 72.9% 65.3% 75.6%
社会福祉施設の介護職員等 71.2% 73.1% 85.1%
  老人福祉施設の介護職員等 69.9% 71.8% 84.1%
  障がい者福祉施設の介護職員等 80.7% 82.5% 91.5%
  保護施設、児童福祉施設の介護職員等 80.9% 81.5% 89.8%
  その他の社会福祉施設の介護職員等 69.8% 77.9% 88.0%
訪問介護員等 72.7% 76.1% 87.2%
介護老人保健施設、介護医療院の介護職員等 63.7% 66.4% 80.3%
医療機関の看護補助者等 65.5% 69.0% 84.2%
福祉系高等学校(専攻科を含む) 81.5% 81.3% 92.6%
その他 73.4% 76.5% 89.5%

第33回介護福祉士国家試験の試験結果|厚生労働省
第34回介護福祉士国家試験の試験結果|厚生労働省
第35回介護福祉士国家試験の試験結果|厚生労働省

自分が該当する受験資格の合格率はいかがでしょうか。
年によってばらつきはありますが、特定の受験資格の合格率が高い・低いということはあまりなく、どの受験資格でも合格率は例年60%以上です。

介護福祉士の受験資格について詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

養成施設ルート・福祉系高校ルートの合格率

この項では、前項の受験資格のうち養成施設ルートと福祉系高等学校ルートの合格率を紹介します。
実地経験を積むという形ではなく、新卒で介護福祉士として働き始めたい方の多くは、このルートを選択することになります。

  • 養成施設ルート
    ①高校卒業後、介護福祉士養成施設に2年以上通う
    ②高校卒業後、福祉系大学・社会福祉士養成施設・保育士養成施設のいずれかを経て、介護福祉士養成施設に1年以上通う
  • 福祉系高校ルート
    福祉系高校に入学し、3年の課程を修了する

以上のルートで、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。

区分 第34回 第35回
分類 総数 新卒 既卒 総数 新卒 既卒
養成施設ルート
(全体)
65.3% 72.3% 18.1 % 75.6% 81.7% 45.4%
養成施設ルート
(留学生を除いた受験者)
88.5% 93.1% 35.1 % 94.8% 97.3 % 66.1%
養成施設ルート
(留学生受験者)
25.1% 30.0% 7.3% 46.3% 50.3% 37.0%
福祉系高校ルート 83.2% 90.4% 33.3% 93.6% 97.2% 68.5%

第34回介護福祉士国家試験 養成施設等別合格率
第35回介護福祉士国家試験 養成施設等別合格率

留学生を除いた新卒の合格率は、養成施設ルート・福祉系高校ルートともに90%以上と高い合格率であることがわかります。

また、すべてのルートで新卒の合格率が既卒の合格率を上回っており、第35回の養成施設ルートでみると新卒81.7%、既卒45.4%と大きく差があります。
学校から試験対策のサポートを受けられ、同じ試験を受ける仲間がそばにいる環境で試験勉強に打ち込める新卒での合格をめざすことが、介護福祉士国家資格を得るための近道といえるでしょう。

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介護福祉士の試験に関して知っておきたいポイント

介護福祉士の合格率を知った上で、さらに知っておきたいポイントは以下の4つです。

  • ほかの国家試験に比べて難しい?
  • 試験勉強におすすめのテキストはある?
  • 実技試験はどのような内容?
  • 試験に落ちないために知っておくべきことは?

一つずつ見ていきましょう。

ほかの国家試験に比べて難しい?

介護福祉士国家試験の合格率と、他の3つの試験の合格率を比べてみましょう。
以下の表は、令和5年度に発表された医師と看護師、理学療法士の国家試験における合格率です。

資格名 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
医師 10,293人 9,432人 91.6%(新卒94.9%)
看護師 64,051人 58,152人 90.8%( 新卒95.5%)
理学療法士 12,948人 11,312人 87.4%(新卒94.9%)

出典:国家試験合格発表|厚生労働省

上記3つの国家試験よりも、介護福祉士の国家試験は合格率が低いことがわかります。
特に、医師は難易度の高い試験として知られているため、疑問に思う人もいるでしょう。

介護福祉士国家試験を受験するのは、およそ6割が社会福祉施設の介護職員と、実務経験ルートで介護福祉士をめざす人が多い傾向です。
働きながら試験対策をしなければならないため両立が難しく、ほかの国家試験よりも合格率が低くなると考えられます。

試験勉強におすすめのテキストはある?

介護福祉士国家試験のテキストは多く販売されています。
初心者でもわかりやすいように図表やイラストが多く掲載されているものや、単元ごとにまとめられているもの、スキマ時間で勉強できるものなどがあります。
模擬試験を集めたものもあるため、自分にぴったりな一冊を見つけることが大切です。

また、最新のテキストを選んだり、ポイントがわかりやすいものを選ぶと良いでしょう。
インプット用とアウトプット用を分けて購入するのもおすすめです。

介護福祉士のテキストについて詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

実技試験はどのような内容?

実技試験の内容は、介護現場で適切な介護を行えるかどうかの確認になります。
課題としてシチュエーションを提示されるため、被介護者のモデルを相手に介護を考えて実践を行います。
考える時間は10分程度用意されており、実践時間は5分程度です。

介護福祉士の実技試験についてより詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

試験に落ちないために知っておくべきことは?

介護福祉士試験の合格率は比較的高いですが、約3割は不合格になります。
試験に落ちないためには落ちる原因を事前に知り、対策しておくことが大切です。
落ちる原因はいくつかありますが、選択式問題だからと油断していたり、合格率が高いからと安心しきっているなどが考えられます。

次の記事には、介護福祉士試験に落ちる人の原因が詳しく書かれています。
ぜひ参考にしてください。

介護福祉士の合格率を知って試験対策に活用しよう

介護福祉士試験の合格率は例年7割程度と、高い傾向にあります。
受験資格別やルート別に見ると、合格率に多少のばらつきはありますが、それほど差はなく安定しています。

とはいえ、3割程度が不合格になる可能性があるため、しっかりと対策をしておくことが大切です。
今回紹介した合格率を参考にしながら、しっかりと試験対策を行い、焦らずに試験に臨めるように準備しましょう。

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