
「臨床工学技士が医療機器に転職すると、どのような仕事をするの?」
「医療機器メーカーへ転職するメリット、デメリットは何?」
臨床工学技士が転職する場合、選択肢の一つに医療機器メーカーがあります。
今回は、臨床工学技士が医療機器メーカーに転職した場合の働き方や、医療機器メーカーに転職するメリット・デメリットをまとめました。
目次
臨床工学技士の医療機器メーカーでの働き方
臨床工学技士が医療機器メーカーに転職すると、アプリケーションスペシャリストとして働くことになります。
アプリケーションスペシャリストの仕事は商品の販売ではなく、販売をサポートするための商品説明や使用方法のデモンストレーションがメインです。
過去に医療機関に勤めていた臨床工学技士は、メーカーから使用方法や注意点の説明を聞く立場を経験しており、使用者が気になる点や説明してほしい部分がわかるため、アプリケーションスペシャリストには適任です。
また、機器のデモンストレーション以外にも、購入後に使用する際の立会いや医療従事者からの質問に対する受け答えも業務になります。
臨床工学技士が医療機器メーカーで働くうえで必要なスキル
医療機器メーカーで働くうえで必要な3つのスキルを紹介します。
- コミュニケーション能力
- 車の運転
- 新しい医療機器に対する関心
順番に説明していきます。
コミュニケーション能力
臨床工学技士が医療機器メーカーに転職する際には、コミュニケーション能力が必要です。
アプリケーションスペシャリストは、医療従事者に対する機器の説明が主な仕事になり、病院やクリニックで働いていたときよりも人との会話が増えるからです。
特に看護師や医師は、普段の業務で医療機器を扱う機会が少ない方もおり、機器の取り扱いに抵抗がある方もいます。
どのような方でも理解でき、丁寧でわかりやすい解説を行えなければなりません。
車の運転
アプリケーションスペシャリストに転職するためには、車の免許が必要です。
アプリケーションスペシャリストは一人で複数の病院を担当するため、車での移動がメインとなります。
同行する営業の方に運転してもらうことも可能ですが、自分でも運転できたほうが良いでしょう。
新しい医療機器に対する関心
アプリケーションスペシャリストは、常に最新の医療機器について知識を仕入れる必要があります。
医療機器は毎年新しく発売されるため、過去のものと何が変わったのか、新しい機能は何なのかといった詳細な情報も、医療従事者とやり取りするうえで欠かせません。
臨床工学技士から医療機器メーカーへ転職するメリット
臨床工学技士から医療機器メーカーへ転職するメリットとして、以下の5点を紹介します。
- 休日が増える可能性がある
- 年収が高くなる場合が多い
- 初対面の仕事相手に話のきっかけを作りやすい
- 医療機器の知識を深められる
- 実体験を交えて説明できる
休日が増える可能性がある
医療機器メーカーは、基本的に土日休みでGWや年末年始の長期休暇があるため、年間の休日日数は医療機関に比べ多い傾向があります。
臨床工学技士として医療機関で働いていると、透析業務に関わることが多くなるでしょう。
透析は2日に1回行わないといけないため、長期休暇の取得が難しく、病院自体はGWや年末年始の長期休暇体制だとしても、透析部門は治療を行っている場合が多いです。
年収が高くなる場合が多い
医療機器メーカーのアプリケーションスペシャリストとして働くと、病院やクリニックに比べ年収が高くなる場合が多いです。
なかでも外資系企業は、成果を上げればさらに高い年収が期待できます。
臨床工学技士の年収に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
初対面の仕事相手に話のきっかけを作りやすい
初対面の医療従事者に対して挨拶をする際、「元臨床工学技士」と挨拶すると親近感を得られやすいです。
訪問先の施設の近辺に過去働いていた病院やクリニックがあれば話もはずみやすく、機器のプレゼンや説明も和やかな雰囲気で行えます。
医療機器の知識を深められる
アプリケーションスペシャリストがプレゼンを成功させるためには、医療従事者から何を質問されても答えられるレベルで、医療機器に関する知識が必要です。
臨床工学技士として働いていた経験があれば、現場で働く人の視点を理解したうえで医療機器を作る側の立場に回るため、プレゼンに活用できる知識を効率良く深めることができます。
実体験を交えて説明できる
臨床工学技士から医療機器メーカーへ転職すれば、医療機関で働いているときに経験したトラブルや有効的な使用方法を交えながらの説明が可能です。
実体験に基づいた説明は医療従事者の共感を得られ、プレゼンに説得力が生まれます。
医療業界未経験の同業者にはできない手法ですので、臨床工学技士から転職する大きな利点といえるでしょう。
臨床工学技士から医療機器メーカーへ転職するデメリット
医療機器メーカーへ転職するデメリットは以下の3つです。
- 残業が増える可能性がある
- 出張が増えやすい
- コミュニケーションが苦痛と感じることも
順番に説明します。
残業が増える可能性がある
医療機器メーカーで働く場合、病院やクリニックの予定に合わせて働くため、自社の定時を過ぎたとしても予定していた仕事が終わらなければ残業になります。
直行直帰が認められている企業もありますが、帰社してから報告書を提出しなければならない場合は、交通状態によって移動に時間がかかり残業になる場合もあるでしょう。
出張が増えやすい
アプリケーションスペシャリストは、遠方の医療機関に訪問することもあるため、出張や長時間の移動を覚悟しておく必要があります。
体力に自信がない人や、車や電車での移動が好きではない方には辛いと感じるかもしれません。
コミュニケーションが苦痛と感じることも
アプリケーションスペシャリストとして働き始めると、臨床工学技士として医療機関で働いていたときよりも人と会話する機会が増えます。
コミュニケーションの方法も医療業界とは異なるため、慣れないうちはストレスを感じるかもしれません。
臨床工学技士から医療機器メーカーへの転職を検討してみよう
臨床工学技士が医療機器メーカーに転職した場合、アプリケーションスペシャリストとして営業補助の仕事を担うことになります。
医療機器メーカーへは、職場により残業や出張が増えるといったデメリットがありますが、医療機関よりも給料が上がり、休日も増える可能性があるといったメリットもあります。
メリットとデメリットの両方を理解したうえで、転職を検討してみましょう。