
看護師をめざしているものの、難しいのでは?と気になる方もいるでしょう。
医療職につくのは難しいという漠然としたイメージを持つ方もいるかもしれません。
難易度がわからないと、自信をもって進路を決められないもの。
この記事では、看護師の資格取得の難易度を紹介します。
資格取得に必要な条件も解説しているので、全体像をつかむ参考にしてみてください。
目次
看護師の資格取得は難しいのか
看護師になるのは、それほど難しいことではありません。
ただし、国家試験には合格する必要があります。
看護師国家試験の受験資格と難易度を解説します。
看護師になるには国家試験に合格する必要がある
看護師は国家資格なので、国家試験に合格しなければなりません。
看護師国家試験受験資格を得るためには、大きく分けて2通りの方法があります。
- 中学卒業後、5年一貫看護師養成課程校に通う
- 高校卒業後、看護大学、看護短期大学、看護師養成所(看護専門学校など)で4年あるいは3年の専門教育を受ける
学校で学ぶのは、基礎・専門科目のほか、患者さんの療養の世話や診療の補助を行うための技術です。
さらに病院、介護・福祉施設、訪問看護ステーションなどで実習を経験します。
図で示したように、看護師になるには、大学、短期大学、専門学校と多様な選択肢があります。
それぞれ入学の難易度は異なり、入学後のカリキュラムもさまざまです。
自分に合う進路を選んで、看護師になることができます。
看護師になるための方法を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
看護師国家試験は比較的難しくない
看護師国家試験は、それほど難しくありません。
過去7年間の国家試験合格率は88〜91%と高い水準です。
日々の学校での勉強をきちんとこなしていけば、試験対策は十分にカバーできるでしょう。
実際の看護師国家試験は、全240問、300点満点の試験です。
2つの合格基準が定められています。
- 必修問題の正答率80%以上
- 一般問題と状況設定問題合わせてその年の合格基準を満たす
必修問題は全50問なので、40問以上の得点が必要です。
一般問題と状況設定問題は、250点満点中150〜170点程度が例年の合格基準となっています。
状況設定問題は、症例が提示されている長文問題です。
情報の取捨選択や思考プロセスを要するので慣れが必要ですが、難易度は標準的です。
総じて、基本的な知識をしっかり身につければ合格を勝ち取れる試験となっています。

看護師国家試験の合格をめざしやすい理由
看護師国家試験の難易度はそれほど高くないと説明しました。
試験対策もしやすい試験です。
その理由を説明します。
プール問題が多い
厚生労働省によると、看護師国家試験の試験問題は、問題の質や難易度を一定にするためプール問題を使っています。
プール問題とは、一度出題した問題やストックしていた問題をそのまま、あるいは少しアレンジして繰り返し出題することです。
実際に、試験問題のうち4問中1問がプール問題といわれています。
したがって、過去問とその周辺知識の確認を徹底すれば合格の可能性は高くなります。
プール問題はアレンジされる場合があるため、問題の丸暗記だけではなく関連知識の確認も必要です。
落とすための試験ではない
看護師国家試験は、医療現場で患者さんに接して問題にならない程度の最低限の知識を身につけているかどうかを確認する試験です。
入学試験とは異なり、受験者間の優越を競う試験ではありません。
看護師の資格取得が難しいケース
看護師の資格を取るのが難しいケースが2つあります。
事前に確認して、対策や解決策を考えておきましょう。
看護師の欠格事由に該当する
看護師には欠格事由が設けられています。
これがあると試験に合格しても免許を受け取れないという条件です。
法律によれば、以下のような事実が欠格事由になります。
- 罰金以上の刑に処された
- 保健師、助産師、看護師または准看護師の業務で犯罪または不正な行為をした
- 心身の障害により適正な業務ができない者と厚生労働省令で定めるもの
- 麻薬等の中毒者
以上のどれにも当てはまらなければ、問題はありません。
国家試験に合格すれば、看護師免許を取得できます。
現職の看護師にこういった事由が発生した場合も、看護師資格を剥奪される可能性があります。
一般の人が罪に問われることが多いのが交通事故です。
特に刑事処分が科せられる可能性がある人身事故には注意しなければなりません
看護師免許の詳細については次の記事が参考になります。
通学せずに資格取得をめざしたい場合
看護師の資格を通学せずに取得することはできません。
看護師国家試験を受験するには、大学や看護師養成所での座学や実習などを通じて、3年以上勉強する必要があります。
通信教育だけで看護師になることはできません。
例外として、すでに准看護師資格を取得していて、いくつかの条件を満たせば、通信教育を受けたあとに看護師国家試験を受験できます。
通信教育を受講するためには、准看護師として7年の業務経験を積んでいることが必須条件になります。
したがって、准看護師になってから通学せずに看護師資格を取得するまで、准看護師の経験7年と通信教育期間2年、つまり最低9年の時間が必要です。
高校卒業後の進路としては、准看護師になって働きながら看護師になるプランよりも、直接看護師の資格をめざすことをおすすめします。
看護師の資格は、対策すれば決して難しいわけではない
看護師国家試験の合格率は高く、難易度は高くありません。
しかし学校に通う必要があるため、環境の調整が必要な人もいるでしょう。
国家試験対策をしっかり行えば、試験に合格できます。
看護師になりたいと思った方は入学を検討してみましょう。