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障がい者グループホームとは?種類や利用条件、メリット・デメリットを解説

入居により本人の自立やご家族の負担軽減をめざすなど、障がい者グループホームの利用を検討している人にはさまざまなパターンがあるでしょう。
入居を検討するにあたっては、障がい者グループホームとはどういった施設かを知っておくことが必要です。

今回は、障がい者グループホームに関して、施設の特徴や目的、種類、利用条件など基本的なポイントを解説します。
また、施設に入居するメリット・デメリットもあわせてチェックしていきましょう。

障がい者グループホームとは?

障がい者グループホームとは?

そもそも障がい者グループホームとは、どんなところなのでしょうか。
施設の特徴と目的を解説します。

障がい者グループホームの特徴

障がい者グループホームは、障がい者の支援をする障害者福祉サービス制度で、正式名称は「共同生活援助」といいます。
障がいを持つ人が共同生活を送る場所で、食事や入浴、掃除など日常生活を送るうえで必要なサポートを受けられる施設です。

アパートやマンション、一軒家など施設によってさまざまな形態があります。
定員は2~10名程度となっており、入居者は職員から援助を受けながら生活をします。

障がい者グループホームの目的

生活不安の軽減や、社会的な孤立を防止することが、障がい者グループホームの役割です。
一人暮らしを考えていても生活に不安がある場合や、障がいがあるご家族の社会的な自立を考えている場合に適しています。

職員からの生活サポートがあるため、障がいがある方も自立した生活ができ、地域社会から孤立せずに生活ができることを期待できるでしょう。

障がい者グループホームの種類

障がい者グループホームの種類

障がい者グループホームは、サービス内容と形態によって以下の4種類に分けられます。

  • 介護サービス包括型
  • 外部サービス利用型
  • 日中活動サービス支援型
  • サテライト型

各タイプの特徴を見ていきましょう。

介護サービス包括型

比較的介護を必要としない自立した日常生活を過ごすうえで、食事・入浴・トイレといった介護を必要とする方を対象とする施設です。
入居者は、日中は就労先などの外部で過ごすため、主に夜間や休日に介護を必要とします。

入居者は障がい支援区分4~6程度の方が中心で、他の障がい者グループホームと比較して、事業者数と利用者数が最も多いグループホームです。

施設の職員が、日常生活の相談やサポートだけでなく、入浴などの介護も行います。
また、日中活動サービスや就労先など、関係機関との連絡・調整も支援してくれます。

外部サービス利用型

障がい支援区分が1~3程度の比較的軽い障がいを持つ方が、主に夜間や休日に日常生活の相談やサポートを受けられる施設です。
介護サービス包括型はすべてのサービスを職員が行うのに対して、外部サービス利用型は、入浴やトイレなど介護サービスに関しては委託契約先の介護事業所が行います。

介護サービス包括型と同じく、平日の日中は就労先など外部で過ごします。

日中活動サービス支援型

夜間や休日だけでなく、日中も介護が必要な方を対象とした施設です。
重度の障がいがある方や、高齢で日中活動サービスを受けられない方を対象としています。

入浴や食事など、日常生活に関わる支援と介護を行ってくれる施設です。
介護サービス包括型や外部サービス利用型と異なり、日中も利用できるため、他に比べてスタッフが多く配置されていることが特徴です。

サテライト型

グループホームの近くにあるアパートやマンションなどで、一人暮らしをするスタイルです。
2014年に新設された制度で、利用期間は原則2年となっています。

基本的には一人暮らしと同じように生活し、困ったことがあればグループホームの職員に支援を求められることが特徴です。
また、グループホームで他の利用者と食事をとるなど、コミュニケーションの機会も設けられます。

障がい者グループホームの利用条件・入居期限・費用

障がい者グループホームの利用条件・入居期限・費用

障がい者グループホームには、どんな人がどのような条件で入居できるのでしょうか。
利用条件や入居期限、費用について解説します。

利用条件

障がい者グループホームを利用できるのは、知的障がい者、身体障がい者、精神障がい者、発達障がい者、難病に罹患している方です。

基本的には18歳以上が利用対象となっています。
ただし、児童相談所長が利用を許可した場合に限って、15歳以上でも利用が可能です。

加えて、身体障がい者の場合は、65歳未満であること、または65歳の誕生日を迎える前日までに障がい福祉サービスの利用をしたことのある方が利用の対象とされています。
障がい支援区分の条件は原則としてありませんが、施設によって別途条件を設けているケースがあるため、事前に確認しましょう。

入居期限

基本的に入居期限はありません。
ただし、施設によっては期間が定められているケースや、更新が必要なケースなどがあります。
そのため、入居前に確認しておくことが必要です。

また自治体によっては、精神障がい者を対象としているグループホームにおいて、入居期限がない滞在型と、原則3年の入居期限がある通過型の2種類に分けている場合もあります。

費用

障がい者グループホームを利用するにあたっては、障がい福祉サービス利用料、家賃、食費、水道光熱費、日常生活にかかる雑費が必要です。
なお、障がい福祉サービス利用料は入居者数などにより異なります。

家賃は、事前に申請すれば全国一律1万円の助成を受けることが可能です。
その他にも、自治体によって独自の助成を受けられる場合もあります。
また、一定の基準を満たせば、費用の一部が補助される、特定障害者特別給付も受給できます。

障がい者グループホームのメリット・デメリット

障がい者グループホームのメリット・デメリット

障がい者グループホームへの入居にあたっては、自立できるなどのメリットがあると同時に、なじめない可能性があるなどのデメリットもあります。
メリットとデメリットをそれぞれチェックし、入居を検討する際の参考にしてください。

メリット

障がい者グループホームには障がい者の自立促進や孤立防止といった目的があり、入居によるメリットがあります。
主なメリットを3点見ていきましょう。

自立した生活を送れる

障がい者本人が親元から離れたい、あるいは障がいのあるご家族が自立して安心して暮らせる場所をつくりたいといった場合、障がい者グループホームが適しています。

いきなり親元から離れ、独立して生活することには不安があるでしょう。
しかし、障がい者グループホームであれば、日常生活のサポートを受けられるため、安心して生活を送れます。

支援を受けながら、一人で生活するうえで必要な掃除や料理などのスキルを身につけることが可能です。
自分でできることが増えていくことで、自立心が芽生えてくる点もメリットです。

他者とコミュニケーションがとれる

障がい者グループホームに入居すれば、親元を離れても社会から孤立する心配はありません。

コミュニケーションを苦手とする方は、自立して他者と交流する機会が少なくなってしまうと、社会から孤立してしまうケースがあります。
しかし、障がい者グループホームでは他者と食事や会話をする場が設けられており、コミュニケーションをとりながら日々の活動を行うことが可能です。

加えて、入居者だけでなく職員ともコミュニケーションがとれるため、孤立の心配をせず、自立した生活ができます。

サポートを受けながら生活できる

金銭面や安全面の管理など、一人暮らしでは本人だけでなくご家族にも不安な点が多くあるでしょう。
そういった一人暮らしで不安な点について、職員からサポートを受けながら生活できることも、障がい者グループホームのメリットです。

基本的には一人で生活を管理するようにしながらも、難しい点に関しては支援を受けられます。
個別の計画に則り、対象者に最適な支援をしてくれるため、必要に応じたサポートだけを受けられる環境が整っていることがポイントです。

デメリット

メリットがあると同時に、障がい者グループホームへの入居にはデメリットもあります。
事前に理解しておくべき難点を3つ紹介します。

定員状況・障がいの程度によって入居できないことがある

社会全体の高齢化にともない、特別養護老人ホームや有料老人ホームといった高齢者向け施設は増えているものの、障がい者グループホームは需要に対して供給が追いついておらず、施設数が少なく空きも少ないのが現状です。

また、障がい者グループホームでは、知的障がいや精神障がいなど、障がいの内容や程度によって施設が分かれています。
障がいの種類や程度によっては、希望する施設に受け入れてもらえないことがある点もデメリットです。

利用を検討している場合、事前に自治体の相談員やケアマネジャーに相談しましょう。

施設になじめないことがある

個人の障がいや性格によっては、施設になじめない恐れもあります。
入居者とコミュニケーションをとれることがグループホームのメリットではありますが、入居者と相性が合わないと逆にデメリットにもなることを認識しておきましょう。

共同生活になじめない、親元を離れたくない気持ちが強いなどの理由でストレスを抱えてしまうことがあります。
グループホームへの入居が苦痛にならないかどうか、事前によく検討しておくことが大切です。

トラブルが起こる可能性もある

利用者同士でトラブルが起こることも考えられます。
例えば、他の利用者や職員をたたいてしまうなど、暴力に関する問題もあることが難点です。

ただし、施設ごとにトラブルへの対策もとられています。
職員研修の実施や、事故防止マニュアルの作成など、施設によってさまざまな対策が実施されているため、施設を検討する際は事前に確認しておきましょう。

障がい者グループホーム入居までの流れ

障がい者グループホーム入居までの流れ

障がい者グループホームへ入居するにあたっては、基本的に以下のステップを踏むことになります。

  1. 障害者手帳の交付
    市区町村の窓口へ障害者手帳を申請し、支援区分の判定を受けましょう。
  2. 障害福祉サービスの支給申請、「障害福祉サービス受給者証」の用意
    市区町村に対して障害福祉サービスの支給申請を行います。
    また、「サービス等利用計画」を作成し、支援区分が明記された「障害福祉サービス受給者証」を用意しましょう。
    利用開始までは申請から1~2ヵ月程度かかります。
  3. グループホームの見学、決定
    施設見学もできるため、設備や雰囲気を確認したうえで決定しましょう。
  4. 契約
    受給者証など必要な書類を用意し、施設と入居者で契約を結びます。

申請から入居までは期間がかかります。
手順や申請書類に間違いがないよう、確認することが大切です。

障がい者グループホームについて理解し入居を検討しよう

障がい者グループホームは、生活不安の軽減や、社会的な孤立防止を目的とした施設です。
サービス形態によって、介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中活動サービス支援型・サテライト型の4種類に分けられます。

スタッフのサポートを受けながら、自立した生活を送れる点がメリットです。
しかし、定員数や障がいの内容・程度によっては入れない場合や、せっかく入居しても施設になじめない場合もあります。

施設の特徴を把握し、利用条件や費用、利用までの流れなどを確認したうえで、入居を検討しましょう。

執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国61,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

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