
履歴書を書く際に、悩みがちなポイントの一つが志望動機です。
本記事では、調理師の求人に応募する履歴書の、志望動機の書き方について、抑えるべきポイントを解説していきます。
例文やNG例も紹介しているので、これから調理師の求人に応募する方は参考にしてください。
目次
調理師の志望動機を書くポイント
調理師の志望動機を書く際は、以下の3点のポイントを押さえましょう。
- 応募した職場を志望する理由を具体的に示す
- 調理師としての将来像を伝える
- 経験者は勤務経験から強みをアピールする
それぞれ見ていきましょう。
応募した職場を志望する理由を具体的に示す
応募した職場を志望する理由は、できるだけ具体的に記述してください。
調理師の就職先には、ホテルやレストラン、病院、給食施設など、さまざまな選択肢があります。
したがって、応募先の職場で働きたい理由を明確に伝えられなければ、他の職場でも良いのではないかと採用担当者に思われてしまうかもしれません。
理念や募集要項を読み込んだり、実際に足を運んでみるなどをして、職場に対して理解を深めたうえで、応募した職場でなければいけない理由を見つけましょう。
加えて、過去に応募した店舗を利用した際の思い出などのエピソードを添えれば、他の応募者とかぶることがなく、採用担当者の目を引く志望理由になると思います。
調理師としての将来像を伝える
採用されたあと、どのような調理師をめざしていくのかを伝えましょう。
就職先と本人のビジョンがずれていると、ミスマッチにつながるためです。
例えば、10年後にフランス料理のシェフとして独立したいと思っているにも関わらず、病院や老人ホームに就職しては、キャリアにおいて遠回りになってしまいます。
自分が思い描くキャリアを明確にし、応募先の職場とマッチしているかを確認しましょう。
マッチしていれば、「将来お店を持つために、フランス料理のスキルを極めたい」など、説得力のある志望理由になります。
経験者は勤務経験から強みをアピールする
採用担当者は、応募者にどのような経験があり、それを入社後に活かせるかどうかをチェックしています。
経験者が転職する場合は、調理師の経験があると伝えるだけでなく、過去の職場で何を学び、どのように貢献できるかをアピールすることが大切です。
例えば、「ホテルで勤務していた」と伝えるだけでは、具体的に何ができるのかをイメージできません。
しかし、「ホテルで勤務し、メインの調理や新人育成も担当していた」と伝えると、採用担当者も入社後に働いた場合のイメージがしやすくなります。
調理師未経験者が志望動機を書く場合のポイント
調理師未経験者の場合、実務経験をアピールできない分、めざす理由や強みなどを工夫して志望理由を書く必要があります。
調理師をめざす理由を明確にする
そもそも、なぜ調理師になりたいのかを明確にしましょう。
「家族が調理師で、小さな頃から憧れていた」「昔から料理が好きで、家族が喜んで食べてくれることに感動した」など、具体的なエピソードを交えながら説明すると、自分らしさが現れる志望理由になります。
適性があることをアピールする
調理師の経験がなくても、調理師への適性をアピールすることはできます。
例えば、厳しい下積み時代に欠かせない忍耐力や探究心は、前職の経験や、学生時代に取り組んだエピソードからでもアピールが可能です。
仕事や学業に限らず、自分の過去の経験を深掘りすれば、調理師への適性を示すエピソードを見つけることができるかもしれません。
【例文】就職先別・調理師の志望動機
調理師の就職先は選択肢がさまざまです。
病院・老人ホーム、ホテルなど、就職先別に志望動機の例文を紹介します。
病院・老人ホーム
病院や老人ホームでの食事は、健康に配慮しつつ、食べる人を喜ばせる調理が必要です。
【例文】祖母が入院中にお世話になったことから、病院で働く調理師に憧れていました。
長く入院していた祖母ですが、病院での生活のなかでも、とりわけ食事を楽しみにしていたことが印象的です。
健康に配慮した食事を提供しながら、生活に彩りを与えられる病院の調理師に興味を持ち、病院や施設での就職を志しました。
入社後は、患者さんそれぞれの症状に応じ、笑顔で楽しめる食事を提供したいと考えます。
ホテル
ホテルでの調理師は、お客さんからオーダーを受けて調理するだけでなく、コース料理やビュッフェメニューなど、さまざまな形での調理を行います。
【例文】高校生のとき、貴館で食事をしたことをきっかけに、調理師をめざすようになりました。
母の誕生日を祝う食事だったのですが、目の前で調理してくれる姿に感動しました。
味はもちろん、五感すべてで味わう貴館の料理は、私にとって思い出に残るものでした。
入社後は、私もお客様に喜びと感動を与えられる料理を提供し、将来的にはコース料理も担当できるようになりたいと考えています。
レストラン
レストランも他の職場と同じく、なぜ応募したホテルで働きたいのかを具体的に示すことが大切です。
そして、将来は自分の店を持ち、お客様の近くで最高の料理を提供できる場を作りたいと考えています。将来の目標に向け、1年間フランスに留学して語学とフランス料理の基礎を身につけ、現在はフランス料理店で5年間勤務して技術全般を習得しています。
以前家族で貴店を訪れた際、本格的なフランス料理の味と、目でも楽しめる美しさに感銘を受けました。
美しい料理をお客様に提供するため、自分の経験を活かして貴店でのサービス向上に貢献したいと考えます。
給食センター
レストランなど一般的な飲食店と異なり、給食センターでは大人数に向けた大量調理がメインであることが特徴です。
【例文】子どもが好きだったこと、料理が好きだったことから、自分の作った料理で子どもたちの成長に貢献したいと考え、給食センターの調理師を志しました。
専門学校卒業後は、新卒で保育園の調理室に5年間勤務をしており、調理全般を担当していました。
出産を機に退職し、子どもが小学校に入学したことを機に復職を考えています。
貴社は給食センターとしての規模が県内最大であり、子どもたちの成長により多く携わることができると思い、志望いたしました。
また、調理師の人数や担当分野も多いため、チームワークを重視して働きたいと考えます。
調理師の志望動機NG例
ここでは、調理師の志望理由を書く際のNG例を見てみましょう。
そして、将来的にも食の楽しさを追及していきたいと思っています。
貴店は研修制度や資格取得支援制度が充実しており、調理師としての技術が自然と向上していくと考え、志望いたしました。
上記の例文では、調理師をめざしたきっかけが曖昧な点、将来像が抽象的な点、応募した職場を志望する理由が受動的である点に課題があります。
「食べることが好き」はたしかにきっかけではありますが、調理師でなければならない理由にはなりません。
食に関係する仕事であれば、飲食店のホールや食品メーカーの研究職などさまざまな選択肢があります。
実体験などから、なぜ調理師でなければならないかを明確にしましょう。
また、将来像も抽象的です。
独立したいなど、具体的な将来のビジョンをアピールすることで、採用担当者は自社とマッチした人材かを判断できます。
最後に、職場を志望する理由が、受動的な理由になってしまっていることも好ましくありません。
調理師には探求心が求められますが、例文の内容では受け身ばかりで向上心がないととらえられてしまう可能性があります。
調理師の志望動機は希望する職場に最適な内容を備えよう
調理師が活躍できる職場は数多くあるため、採用担当者は「なぜここを志望するのか」を重点的にチェックしています。
病院や老人ホーム、給食センターなど職場によって特色が異なるため、それに合わせた志望動機を作成することが大切です。
また、経験者・未経験者では、強みとしてアピールする点も異なります。