「ケアマネジャーの就職先が知りたい」「ケアマネジャーとして働くには、どこに就職すれば良いのだろう？」などと考えてはいませんか。
ケアマネジャーはさまざまな介護現場で活躍できるので、就職先を決めかねている方も多いでしょう。
この記事では、ケアマネジャーが活躍できる就職先・仕事内容について解説します。
また、就職先ごとの平均給与額も紹介するので、ぜひご参考ください。
目次
ケアマネジャーが活躍できる就職先は？
ケアマネジャーの就職先は、居宅介護支援事業所や介護施設などの「介護に関係する施設・機関」です。
ケアマネジャーは、利用者さんが適切に介護サービスを受けられるように、介護サービス計画書（以下、ケアプラン）を作成します。
居宅介護支援事業所（居宅ケアマネ）
居宅介護支援事業所とは、「要支援・要介護認定を受けた方が、介護サービスなどを利用しながら自宅生活を送れるよう支援する事業所」です。
居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、通称「居宅ケアマネ」と呼ばれます。
居宅ケアマネは、利用者本人やご家族の心身の状況や生活環境、希望などに沿って、ケアプランを作成します。
あわせて、介護保険サービスなどを提供する事業所との連絡・調整も行うのが居宅ケアマネの仕事です。
居宅ケアマネは、一人で最大35名のケアプランを作成できます。
基本的に利用者さんの自宅を訪問して面談するケースが多いものの、役所や地域包括支援センターなどに足を運ぶ場合もあります。
そのため、居宅ケアマネにはフットワークの軽さが求められるでしょう。
介護施設（施設ケアマネ）
居宅ケアマネの他にも、特別養護老人ホームやグループホーム、老人保健施設などの介護施設に勤務するケアマネジャーもいます。
介護施設のケアマネジャーは、通称「施設ケアマネ」と呼ばれます。
施設ケアマネの主な仕事は、「介護施設利用者のケアプランの作成」です。
小規模な施設では身体介護や夜勤などを兼務するケースもあるため、就職の際にはあらかじめ確認しておきましょう。
特別養護老人ホーム（介護老人福祉施設）
特別養護老人ホーム（介護老人福祉施設）とは「要介護3以上の認定を受けた方に対して、入浴・食事など日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供する施設」です。
略して「特養」とも呼ばれます。
特別養護老人ホームでのケアプラン作成では、以下の点を踏まえる必要があります。
- 在宅復帰を念頭におくこと
- 施設内での自立した暮らし、残存機能を引き出すこと
- 利用者さん個人の考え・気持ちを尊重すること
一部の特別養護老人ホームでは、ケアマネジャー業務の他に、排泄介助や食事介助など介護業務を兼任する場合もあります。
介護老人保健施設
略して「老健」とも呼ばれています。
介護老人保健施設とは「要介護1以上の認定を受けた方の自立を支援し、家庭への復帰をめざす施設」です。
介護老人保健施設では、看護や介護以外にも作業療法士・理学療法士などによるリハビリテーションや、必要な医療を提供しています。
介護老人保健施設で働くケアマネジャーは、利用者さんやご家族の意向を取り入れながら、入居生活で必要な介護や看護、食事、リハビリテーションの計画を立てます。
また、ケアプランの作成以外にも、施設と利用者さんの仲介役を担ったり、介護保険の給付管理をしたりします。
認知症対応型共同生活介護（グループホーム）
認知症対応型共同生活介護（グループホーム）とは「認知症の方を対象に専門的なケアを提供するサービス」です。
グループホームでは、5〜9人の利用者さんが一つの共同生活住居に入所し、できる限り自立した日常生活を送れるように支援をうけます。
グループホームのケアマネジャーは、介護を必要とする方の心身の状態を把握し、介護サービスが受けられるようにケアプランを作成します。
さらに、ケアプランの作成業務以外にも、介護業務やグループホームの運営・マネジメント業務を兼務する場合もあるでしょう。
介護医療院
介護医療院は「要介護1以上に認定された要介護高齢者の方が長期療養を受けたり、生活したりする施設」です。
介護医療院では、施設サービス計画に基づいて療養上の管理や看護・介護、機能訓練、その他必要な医療や日常生活上の世話を行っています。
介護医療院のケアマネジャーの仕事は「施設サービス計画の作成」です。
ケアマネジャーが作成した計画をもとに、施設は入浴や排泄、食事など日常生活の介護、医療やリハビリテーション、健康管理を利用者さんに提供します。
有料老人ホーム
有料老人ホームは「入居者に、食事や洗濯・掃除、健康管理など介護サービスを提供する施設」です。
有料老人ホームのなかでも「介護付き有料老人ホーム」と呼ばれる施設に入居すると、必要に応じて介護サービスが提供されます。
有料老人ホームのケアマネジャーは、利用者さんに対して「どの介護サービスを利用すれば生活しやすくなるか」という視点でケアマネジメントを行います。
具体的には、入居者の生活環境を調査したり、必要な介護サービスの手続きを行ったりする業務が多いでしょう。
その他の就職先
ケアマネジャーは居宅ケアマネと施設ケアマネの他にも、以下の施設・企業に就職できます。
- 地域包括支援センター
- 小規模多機能型居宅介護
- 看護小規模多機能型居宅介護
- 介護用品のレンタルを行う企業
- 病院
- 自治体の役所
なかでも「地域包括支援センター」と「小規模多機能型居宅介護」は、地域・在宅での介護において重要な役割を担っているので、仕事内容を詳しくみていきましょう。
地域包括支援センター
地域包括支援センターとは「高齢者を含む地域住民に対し、健康面や生活全般に関する相談を受け付けている総合相談窓口」です。
地域包括支援センターは各市区町村に設置されており、高齢者本人はもちろん、ご家族をはじめとした高齢者を支える方々も利用できます。
地域包括支援センターには、さまざまな相談内容に対応するため、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャー（主任介護支援専門員）が配置されています。
主任ケアマネジャーの役割は「地域において包括的・継続的ケアマネジメントの体制構築」です。
具体的には、地域の利用者さんからのさまざまな相談に対して適切な支援につなげることや、地域で働くケアマネジャーにアドバイスや指導、教育などを行います。
小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護は「利用者の選択に応じて、通所介護・短期間の宿泊・訪問介護を組み合わせ、日常生活上の支援や機能訓練を行う施設」です。
また、家庭的な環境や地域住民との交流を重視しています。
小規模多機能型居宅介護のケアマネジャーは、他の施設ケアマネと同様にケアプラン作成業務を行います。
小規模多機能型居宅介護は複数の介護サービスをまとめて提供するため、ケアプランを柔軟にかつ素早く調整ができるでしょう。
ただし、ケアプラン変更の作業が他の施設よりも複雑なため、その点は大変かもしれません。
ケアマネジャーの給料は就職先によって違う？
ケアマネジャーの給料は就職先によって異なります。
下表は、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」による、常勤ケアマネジャー一人あたりのひと月の平均給与額です。
| 勤務先 | 月給（円） |
| 全体 | 376,770 |
| 特別養護老人ホーム（介護老人福祉施設） | 414,760 |
| 介護老人保健施設 | 397,600 |
| 認知症対応型共同生活介護（グループホーム） | 359,850 |
| 介護医療院 | 354,780 |
| 介護付き有料老人ホーム（特定施設入居者生活介護） | 364,310 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 361,010 |
特別養護老人ホームと介護老人保健施設のケアマネジャーは、平均以上の月収が見込めるでしょう。
ケアマネジャーの就職先は多岐にわたる
ケアマネジャーの就職先は多岐にわたります。
主な就職先として挙げられるのは居宅介護支援事業所と介護施設であり、それぞれの施設で働くケアマネジャーは「居宅ケアマネ」「施設ケアマネ」と呼ばれることもあります。
居宅ケアマネ・施設ケアマネの他にも、「地域包括支援センター」や「小規模多機能型居宅介護」に就職するケアマネジャーもいるでしょう。
ケアマネジャーの給料は、特別養護老人ホームと介護老人保健施設が平均より高い傾向にあるものの、給与だけでなく仕事内容も吟味したうえで就職先を選んでください。
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