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地域包括支援センターのケアマネジャーの役割は?業務内容について解説

地域包括支援センターは、介護分野のみならず医療や福祉などのあらゆる方面から、地域に住まう高齢者を支援するために設置されている施設です。

地域包括支援センターのケアマネジャーは、居宅介護支援事業所や介護施設で働くケアマネジャーとは、担う業務や求められるスキルに異なる部分があります。

今回は、地域包括支援センターにおけるケアマネジャーの役割や、他施設に勤務するケアマネジャーとの違い、地域包括支援センターで働くメリットを紹介します。
ケアマネジャーとしての就職やキャリアアップを検討する際に、ぜひ本記事を参考にしてください。

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ケアマネジャーの地域包括支援センターにおける役割

ケアマネジャーの地域包括支援センターにおける役割

地域包括支援センターで働くケアマネジャーには、どのような役割があるのでしょうか。
本章では、地域包括支援センターの概要と、センターでのケアマネジャーの主な任務をご紹介します。

地域包括支援センターの目的と機能

地域包括支援センターとは、高齢者が住み慣れた地域で尊厳ある生活を続けられるよう、介護・医療サービスを継続的に提供することを目的とした公的な相談機関です。
2005年の介護保険法改正にともない設置されました。

地域包括支援センターには、主に保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3種類の専門家が所属しており、介護、医療、保健、福祉の各方面において連携をとり、地域住民をサポートしています。

地域包括支援センターは全国のすべての市町村に設置されており、平成30年4月末時点でその数5,079ヵ所、ブランチやサブセンターを含めると7,256ヵ所におよびます。

地域包括支援センターで働くケアマネジャーの役割

地域包括支援センターで働くケアマネジャーは、個別対応に限らず地域全体をサポートしており、主に以下の役割を担っています。

  • 地域住民の相談窓口
  • 高齢者の介護予防を目的としたケアプラン作成
  • 地域で働くケアマネジャーへの指導
  • 介護予防や健康増進における企画運営

地域包括支援センターでは、要支援1または2の方、予防介護や生活支援サービスを必要とする方がケアプラン作成の対象者です。
それらの方に向けたケアプランを作成し、ケアプランに沿った生活を営めるよう、介護だけでなく多岐にわたる相談内容をもとに、地域ネットワークを駆使し地域全体を支援しています。

地域包括支援センターでケアマネジャーとして働くには、主任介護支援専門員の資格が必要です。

地域包括支援センターで働くケアマネジャーの業務内容

地域包括支援センターで働くケアマネジャーは、具体的にどのような業務にあたっているのでしょうか。
以下4つの業務内容を紹介します。

  • 介護予防ケアマネジメント業務
  • 包括的・継続的ケアマネジメント業務
  • 権利擁護業務
  • 総合相談支援業務

介護予防ケアマネジメント業務

介護予防ケアマネジメントとは、要支援または要介護状態になる可能性が高い高齢者に対して、介護予防ケアプランの作成などを行う業務です。

ケアマネジャーは利用者の現状から課題分析を行い、適切な目標を設定します。
その後、利用者本人にその目標への理解を促したうえで、目標達成のために必要な介護予防サービスへとつなげます。

包括的・継続的ケアマネジメント業務

包括的・継続的ケアマネジメント業務では、地域ケア会議などを行い、自立支援型のケアマネジメントを行っています。
医療や介護に関わるさまざまな職種が参加する地域ケア会議は、高齢者一人ひとりに応じたケアマネジメントの実践力を上げることや、地域課題を明確化することが運営の目的です。

また、ケアマネジャーへの日常的な個別指導や相談、支援困難事例などへの指導や助言も行います。

権利擁護業務

権利擁護業務とは、高齢者の権利を擁護するための業務です。
例として、主に以下が挙げられます。

  • 成年後見制度の活用促進
  • 虐待への対応
  • 虐待にともなう老人福祉施設などへの措置
  • 高齢者の支援拒否など困難事例への対応
  • 訪問販売やリフォーム業者などによる消費者被害の防止

総合相談支援業務

総合相談支援業務では、高齢者本人だけでなく、ご家族や近隣住民、地域のネットワークなどからの各種相談を幅広く受け付けており、制度横断的な支援を実施します。

初期段階の相談で緊急対応の必要性があると判断した場合、当事者への訪問や関係者からの
情報収集を行って課題を明確にし、適切なサービスや制度につなぎます。

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地域包括支援センターと他のケアマネジャーの違い

地域包括支援センターで働くケアマネジャーと、居宅介護支援事業所や介護施設などで働くケアマネジャーでは、必要な知識や業務内容が異なります。
ここでは、地域包括支援センターに勤務するケアマネジャーと、その他の職場に勤務するケアマネジャーの違いについて解説します。

地域包括支援センターのケアマネジャーは介護以外の幅広い知識が求められる

地域包括支援センターのケアマネジャーには、居宅介護支援事業所や介護施設のケアマネジャーと比べて、広範囲に及ぶ専門知識と網羅的な視野が求められます。
地域包括支援センターでは、介護の他に福祉や医療などの相談対応も行っており、地域によっては高齢者だけでなく、小児や障がいのある方を対象としている場合もあります。
ゆえに、あらゆるニーズに応えられるよう、幅広い知識と視野を持つことが重要です。

また、地域包括支援センターは地域全体の支援が目的であるため、個々の相談対応に加え、他職種や関係機関との協働、地域で働くケアマネジャーの支援なども行っています。

さらに、地域包括支援センターのケアマネジメント対象者は以下であり、要介護者のケアマネジメントは行いません。

  • 要支援1または2である
  • 予防介護および生活支援サービスを必要としている

居宅・施設ケアマネジャーは介護に関する専門知識が必要

一方で、居宅介護支援事業所や介護施設のケアマネジャーは、介護保険制度や介護事業所など、介護に特化した専門知識が豊富です。
介護以外の相談は受け付けていない場合もあるので注意しましょう。

また、居宅介護支援事業所や介護施設では、個人を対象にケアプランを作成し、個々の問題解決や支援を行っています。

地域包括支援センターでは介護状態になる前の方を対象としているのに対し、居宅介護支援事業所や介護施設では要介護認定を受けている方へケアプランを作成します。

ケアマネジャーとして地域包括支援センターで働くメリット

地域包括支援センターで働くケアマネジャーのメリットの一例を紹介します。

  • 夜勤がなく週末休みであることも多く、プライベートな時間を確保しやすい
  • 勉強会の開催などにより、さらなるスキルアップをめざせる
  • 行政や民生委員、自治会など、さまざまな職種、機関と連携することで視野が広がる
  • 多岐にわたる業務のなかで、専門知識やこれまでの経験を生かして活躍できる

先述のとおり、地域包括支援センターのケアマネジャーは対応業務が幅広い分、より多くの専門知識や包括的な視野が必要となります。
一見大変そうと思う方もいるかもしれませんが、さらなるキャリアアップが期待できる点は、地域包括支援センターならではのメリットといえるでしょう。

地域包括支援センターのケアマネジャーは地域と関わり高齢者をサポートする

地域包括支援センターのケアマネジャーは、地域と密接に関わり、他職種との連携を図りながら高齢者をサポートすることが可能です。
したがって、他施設で働くケアマネジャーに比べ、より深い知識や広い視野を求められます。

ケアマネジャーとして介護分野に留まらず豊富な知識を生かしたい方や、地域ネットワークやさまざまな機関と関わるなかで業務を遂行しスキルアップしていきたい方は、地域包括支援センターで働くことを検討すると良いでしょう。

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