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ケアマネジャー不足は深刻?実態や将来性について解説

ケアマネジャーは介護サービスにおいて、なくてはならない存在です。
一方で、介護現場ではケアマネジャー不足が、深刻な課題となっています。

この記事では、「ケアマネジャーの総人数や就活市場ではどのような位置づけなのか」「ケアマネジャー不足と言われる背景には何があるのか」「ケアマネジャーの将来性はどうなのか」といった疑問に回答していきます。

ケアマネジャーをめざしている方は、ぜひチェックしてみてください。

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ケアマネジャー不足と言われる実態について

ここでは、ケアマネジャーの合格率や、就活市場でケアマネジャーの需要はどれくらいあるのか、などについて解説していきます。

ケアマネジャーの受験者数と合格者数の推移

それでは、ケアマネジャーの受験者数と合格者数の推移を見てみましょう。
下の表は過去8年分の、ケアマネジャーの受験者数・合格者数・合格率です。

受験者数 合格者数 合格率
令和4年 54,406 10,328 19.0%
令和3年 54,290 12,662 23.3%
令和2年 46,415 8,200 17.7%
令和元年 41,049 8,018 19.5%
平成30年 49,332 4,990 10.1%
平成29年 131,560 28,233 21.5%
平成28年 124,585 16,281 13.1%
平成27年 134,539 20,924 15.6%

参考:第25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について

ケアマネジャー試験の合格率は、おおよそ10%~20%程度です。
しかし平成30年以降、受験者数が大きく減少しており、それにともなって合格者数も減っています。
これは、平成30年度の試験からケアマネジャーの受験資格が変更されたことが関係しています。

また下の表は、すべてのケアマネジャー試験の、職種別合格者数です。

職種 人数 構成比率
介護福祉士 330,225 44.7%
看護師、准看護師 174,930 23.7%
相談援助業務等従事者 79,215 10.7%
社会福祉士 47,364 6.4%
保健師 28,387 3.8%
薬剤師 20,677 2.8%

参考:第25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について

これを見ると、一番多いのが介護福祉士、次いで看護師・ 准看護師、相談援助業務等従事者となっています。

ケアマネジャーは売り手市場

下表は、福祉人材センター・バンクによる、過去5年間のケアマネジャーの有効求人倍率の推移を表したものです。

平成30年12月 4.32倍
令和元年12月 4.17倍
令和2年12月 4.09倍
令和3年12月 4.04倍
令和4年12月 4.17倍

有効求人倍率は、1倍より大きくなればなるほど求人数が多いことを意味するため、常に4倍を超えているケアマネジャーは、売り手市場だといえるでしょう。

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ケアマネジャー不足の原因は?

ケアマネジャー不足の原因は?

ケアマネジャー不足といわれている背景には、なにがあるのでしょうか?
ここでは、考えられる二つの原因について解説していきます。

ケアマネジャーの受験要件の変更が背景に?

2018年以降、ケアマネジャーの受験資格が変更されました。
下表は、2017年以前と2018年以降の受験資格の比較です。

2017年以前 2018年以降
  1. 国家資格等に基づく実務経験5年
  2. 相談援助業務の実務経験5年
  3. 介護資格を持ち、介護等実務経験5年
  4. 介護等実務経験10年(無資格可)
  1. 国家資格等に基づく実務経験5年
  2. 相談援助業務(生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員)の実務経験5年

大きな変更点として、介護等実務経験で受験資格を得ることができなくなっています。

また、以前は国家資格を持っていれば一部科目の免除が受けられる制度がありましたが、この免除制度が廃止となりました。
よって国家資格を取得していても、すべての科目を受験しなければならなくなりました。

他職種と比べて給料が低い?

次の表は、ケアマネジャーの年収を、他の医療職と比較したものです。
いずれも厚生労働省が発表している、令和3年度賃金構造基本統計調査の結果に基づいています。

ケアマネジャー 409.7万円
臨床検査技師 496.4万円
診療放射線技師 546.6万円
看護師 498.6万円
栄養士 367.5万円

令和3年度のケアマネジャーの給与は約409万円でした。
その他の医療職と比較をすると、やや低い水準です。
また、厚生労働省の別の調査でも、ケアマネジャーの勤務上の悩みとして、「賃金が低い」が挙げられています。

これに対して、2019年に「介護職員等特定処遇改善加算」が新たに実施されています。
しかし、すべての事業所が対象となったわけではなく、まだ大きな改善にはいたらないのが現状です。

ケアマネジャーは高齢化社会に必要

ケアマネジャーは高齢化社会に必要

現在、日本では高齢化社会が進行中です。
介護サービスにおいて必要とされるケアマネジャーですが、今後ケアマネジャーの需要は、どのように変化していくのでしょうか?

高齢化社会が進むにつれて需要は高まる

ケアマネジャーの需要が高まる要因として考えられるのが、高齢化問題です。
現在、65歳以上の人口は3,619万人で、総人口に占める割合は28.8%となっています。

今後高齢化社会が続くと、令和18年には高齢化率が33.3%となり、3人に1人が高齢者になります。
高齢化が進むと、それにともない介護サービスの利用者も増えていくことが予想されるため、ケアマネジャーの需要は、ますます高まるでしょう。

介護支援事業所に主任ケアマネジャーの設置が義務化される

ケアマネジャーの上位資格である、主任ケアマネジャーも今後、需要の高まりが見込まれます。
2018年の法改正により、2021年4月以降、事業所の管理者は原則として主任ケアマネジャーでなければ、務めることができなくなったためです。

主任ケアマネジャーになるためには研修を受ける必要があり、そのための主な受講要件は、ケアマネジャーの実務経験が専任で5年以上です。
そのため、すぐに主任ケアマネジャーが設置できない事業所もありました。

そこで、猶予措置として、2021年3月の時点で主任ケアマネジャーでないものが管理者である事業所は、2027年3月まで原則の適用を猶予するとされています。

ケアマネジャーの現状と将来性を知って進路選択に役立てよう

ケアマネジャーの合格率や求人倍率、ケアマネジャーが不足している理由などについて解説してきました。
ケアマネジャー不足の背景には、受験資格の変更や、他の医療職と比較した際の賃金の低さなどがあります。

しかし、高齢化社会が進むなかで、ケアマネジャーの需要は、上位資格である主任ケアマネジャーとともに、高まる見込みです。
介護サービスにおいて必須であり、需要も高いため興味がある方は、ぜひケアマネジャーをめざしてみてください。

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