「視能訓練士の国家試験はどのようにすれば受けられるのだろうか?」
「視能訓練士の試験の倍率はどのくらい?」
視能訓練士をめざしている方にとって気になるのが、国家試験情報ではないでしょうか。
試験は年に1回なので、準備は万全にしておきたいもの。
試験を受ける前に、試験範囲や難易度をよく理解しておきましょう。
本記事では、視能訓練士の国家試験の概要や合格率などを解説していきます。
ぜひ試験の準備にお役立てください。
目次
視能訓練士国家試験の概要
下記が令和4年の視能訓練士国家試験の概要です。
日程 | 令和4年2月17日(木曜日) |
出題科目 | 基礎医学大要、基礎視能矯正学、視能検査学、視能障害学、視能訓練学 |
出題方法 | マークシート式 |
試験場所 | 東京、大阪 |
当日のスケジュール | 【午前】10:00~12:00 【午後】13:30~15:30 |
受験料 | 15,800円 |
受験資格 | ・高校卒業後、視能訓練士養成施設で3年以上修業したもの ・大学または短大で2年以上修業、もしくは保育士または看護師の養成施設で2年以上修業したもので、指定された科目を履修した後に、視能訓練士の養成施設で1年以上修業したもの ・外国で視能訓練士の養成施設を卒業、もしくは同等の技術を有していると厚生労働大臣に認定されたもの |
合格基準 | 6割の正答率 |
合否結果発表日 | 令和4年3月23日(水曜日)午後 厚生労働省ホームページにて |
視能訓練士は年に1回行われる国家試験です。
資格に期限はないため、一度取得できれば生涯スキルの証明書となります。
国家試験の受験資格を得るには、4年制・3年制の大学や短大、専門学校を修了しなければなりません。
養成校以外の大学を卒業してから1年制の専門学校で学ぶ方法もあります。
なかでも1年制か3年制の専門学校を卒業している方が、全体の約7割と大半を占めています。
1年制は最短で受験資格を得られるので、すでに2年以上大学や短大で修業している方には適しているでしょう。
1年制の養成施設に入学するには、指定の科目を事前に履修する必要があります。
不足している単位がある場合は、放送大学などでも履修可能です。
視能訓練士国家試験の問題
試験問題は、午前2時間で75問、午後2時間で75問の計150問で構成されています。
具体的な内容を紹介します。
午前
午前の試験問題は75問あり、出題範囲は基礎医学大要と基礎視能矯正学です。
5択の選択式で、一般問題と臨床問題に分かれています。
以下は令和4年に出題された設問です。
・迷走神経反射への対応として正しいのはどれか。
- 仰臥位にする。
- 眼球を圧迫する。
- 紙袋で口と鼻を覆う。
- バルサルバ手技を行う。
- ニトログリセリンを舌下させる。
・43歳男性、累進屈折力眼鏡を処方されたが、自動車カーナビゲーションディスプレイの文字が横にぶれて見えることを主訴に来院した。片眼でも同様の症状が起こるという。この患者に見られるのはどれか。
- 色収差
- ハロー
- 球面収差
- 非点収差
- プリズム効果
午後
午後も同じく75問で構成されており、出題は視能検査学、視能障害学、視能訓練学からです。
こちらも午前と同様に、一般問題と臨床問題に分けられています。
以下は令和4年度の問題です。
・ノーマライゼーションについて正しいのはどれか。
- 見え方の質を尊重する概念
- 生活の質を尺度としてとらえる概念
- 誰もが利用しやすいサービスを提供すること
- 生活の支障となる物理的・精神的障壁を取り除く施策
- 障害者も健常者と同様の生活をできるように支援すること
・6歳の女児。眼瞼疾患の治療のために紹介受診した。左眼の細隙灯顕微鏡写真(別冊No.10)を別に示す。この疾患で正しいのはどれか。
- 耳側に多い
- 羞明がある
- 上眼瞼に多い
- 眼瞼に痛みがある
- 瞼板の異常がある
上記の問題のように、検査結果や臨床の写真をもとに正解を導き出す設問が出題されます。
座学だけでなく、臨床に基づいた知識や考察力が求められます。
視能訓練士国家試験の合格点
視能訓練士の国家試験合格に必要な正答率は、全体の6割です。
配点は、一般問題が1問1点の129点満点、臨床問題が1問2点の40点満点になっています。
合計169点満点となり、そのうち6割の102点以上をとれば合格です。
102点以下になると不合格となりますが、上位何名までという試験ではないので、適切な対策で試験勉強をすれば、合格ラインに達します。
とはいえ、どのくらいの合格率で推移しているのでしょうか。
次に解説していきます。
視能訓練士の国家試験の難易度・合格率は?
下記が、近年の合格率です。
実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和4年 | 842名 | 773名 | 91.8% |
令和3年 | 850名 | 774名 | 91.1% |
令和2年 | 837名 | 804名 | 96.1% |
平均すると90%以上で推移しており、決して難易度の高い試験ではありません。
先にも触れましたが、継続的に試験対策をしていれば、十分に合格を狙える試験です。
厚生労働省のホームページからは過去問を入手できますし、書籍では解説付きで過去問が掲載されているので、試験対策には適しているでしょう。
年に一度の視能訓練士国家試験に備えて万全の準備を
視能訓練士の国家試験は年に一度です。
試験の難易度は高くないため、比較的取得しやすい資格だといえます。
必要な対策を講じて準備しておけば、合格できるでしょう。
ただし受験資格を得るまでの道のりは、そう簡単なものではありません。
基礎知識・専門知識はもとより、臨地実習もつきものです。
実習をクリアしなければ単位は取得できず、国家試験にもたどり着けません。
言い換えれば、学校の授業や実習を乗り越えれば、国家試験にはほぼ合格できます。
万全に準備を整えて試験に臨みましょう。