
ヘルパーとして活躍するためには、資格の取得が必要です。
しかし、ヘルパー資格にはさまざまな種類があり、取得方法も違うため、資格取得をめざす前に確認しておかなければなりません。
この記事では、ヘルパーの資格の取り方を解説しています。
費用や種類も紹介しているので、参考にしてください。
目次
ヘルパーの資格の種類
一口に介護ヘルパーといっても、資格にはさまざまな種類があります。
具体的には、下記のとおりです。
- 介護職員初任者研修(旧:ヘルパー2級)
- 実務者研修(旧:ヘルパー1級)
- 介護福祉士
- 生活援助従事者研修
上記資格のうち、「介護職員初任者研修」や「実務者研修」は、それぞれヘルパー2級や介護職員基礎研修と呼ばれていましたが 、2013年の介護資格見直しの際に変更されました。
上記2つの研修及び 生活援助従事者研修は、年齢制限などもなく、誰でも講座受講が可能です。
ただし、介護福祉士は国家資格の一つとなるため 、資格試験を受けるためには一定の実務経験や養成施設の卒業などが必要になります。
各資格の詳しい取得方法は、次章で詳しく解説しています。
ヘルパーの資格の取り方
次にヘルパーの資格の取り方を詳しく解説します。
独学の可否や費用も解説しているので参考にしてください。
介護職員初任者研修(旧:ヘルパー2級)の取り方
介護職員初任者研修を取得するためには、厚生労働省の「介護員養成研修の取扱細則について」において記載されている以下の研修を受講することが必要です。
1.職務の理解 | 6時間 |
2.介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
3.介護の基本 | 6時間 |
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
5.介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
6.老化の理解 | 6時間 |
7.認知症の理解 | 6時間 |
8.障害の理解 | 3時間 |
9.こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
10.振り返り | 4時間 |
合 計 | 130時間 |
カリキュラム受講は全国各地の資格スクールで実施され、通信講座と通学を併用 するか、完全通学 で取得をめざせます。
独学での資格取得はできないため、スクールなどを利用しカリキュラムを受講することが必要です。
費用に関しては資格取得をめざす場所や状況によって、無料〜10万円 と差があります。
また、ハローワークの訓練受講の要件を満たしている場合は、テキスト料金以外を無料で資格取得 をめざすことも可能です。

実務者研修(旧:ヘルパー1級)の取り方
実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格に位置づけられる資格です。
取得すれば、より専門的な介護知識や医療的なケアの知識 を証明できます。
取得するための修了試験はありませんが、20科目450時間の研修受講が必須 です。
しかし、介護職員初任者研修や旧ヘルパー3級~1級を取得している場合は、それらの資格で学んだ内容の講義は受講する必要はありません。
取得している資格によっては、研修時間を少なくできるでしょう。
費用に関しては、保有している資格によって違いがあります。
無資格の場合は10万円~20万円程 度、介護職員初任者研修の保有で 10万~15万円 くらい が相場です。
介護福祉士の取り方
介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉法で定められている国家資格です。
資格取得の方法には、「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」の4種類 があります。
状況によって選ぶべき取得方法は変わりますが、すでに介護ヘルパーとして働いている場合は「実務経験ルート」が一般的です。
介護ヘルパーとして働きながら介護福祉士の資格を取得する場合は、実務経験を3年積み、なおかつ実務者研修の資格の保有が必要 です。
受験手数料は18,380円 で、厚生労働省の発表では令和4年に開催された第34回介護福祉士国家試験の合格率72.3%となっています 。
生活援助従事者研修の取り方
生活援助従事者研修は、掃除や洗濯など生活の援助をするための資格です。
特徴として、取得するための研修の受講時間が59時間 と短い点があげられます。
また、資格を取得すれば、介護職員初任者研修の一部を免除できる ため、介護職員初任者研修習得前に挑戦するのがおすすめです。
各都道府県から指定を受けたスクール で研修を受講し、修了試験に合格すれば取得できます。
費用はスクールや法人によって変わり、3,000円~3万円程度までと幅広いです。
ヘルパー資格を取得するメリット
介護職をめざす場合は、ヘルパー資格の取得で大きなメリットを得られます。
ここでは、ヘルパー資格を取得するメリットを解説します。
年収アップが期待できる
ヘルパー資格を取得すれば、介護職として年収アップが期待できます。
厚生労働省が発表している「令和4年 介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、介護職は資格の有無によって平均給与に違いがあります。
具体的には、保有資格のない介護従事者の平均月給は27万530円です。
一方、資格保有者の平均月給は32万1,120円 で、約5万円の差があります。
就職先・転職先がみつかりやすい
ヘルパー資格を取得すると、就職先や転職先も見つかりやすいでしょう。
介護職は有効求人倍率 が高く、売り手市場となっています。
他の産業と比較すると、人手を欲している施設や事業所が多いと考えられ、介護職は就職や転職をしやすい状況だといえます。
そのうえヘルパー資格を取得していれば、貴重な人材としてより多くの施設や事業所から求められ、職場選びが有利に進むでしょう。
自分に合ったヘルパーの資格を取得して介護職で活躍しよう
今回はヘルパーの資格の取り方を紹介しました。
ヘルパー資格のなかには、研修を受けるだけで資格が取得できたり、費用が安かったりするものもあります。
資格を取得すれば、年収アップや就職・転職を有利に進められる可能性もあるので、自分に合った資格取得をめざしてみましょう。