さまざまなケガや痛みに対し、整復や固定などで治療していく専門職、柔道整復師。
インターネットで「柔道整復師」と検索すると、「柔道整復師 やめとけ」「柔道整復師 やめたほうが良い」などといったマイナスなイメージを持つ言葉が並び、不安に感じる方もいるでしょう。
そこで今回は、柔道整復師が「やめたほうが良い」と言われてしまう理由を解説します。
柔道整復師に興味がある人はぜひ最後までご覧ください。
目次
柔道整復師はやめたほうが良いといわれる5つの理由
なぜ柔道整復師の仕事はネガティブなイメージを持たれてしまうのか、その理由を解説します。
似た資格や他業種と比較して給料が安い
「柔道整復師はやめたほうが良い」と言われる理由の一つに、給料の安さがあります。
柔道整復師になるには、看護師などと同じように専門の学校に3年以上通ったあと、国家試験に合格する必要があり、時間と努力が必要です。
しかし、令和4年の賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収が508.1万円であるのに対し、柔道整復師の平均年収は443.3万円と、看護師の年収より50万円以上も下回る結果となっています。
柔道整復師になるまでの過程が簡単ではないにも関わらず、給料がその苦労に見合わないという理由で、「やめたほうが良い」と言われてしまうのかもしれません。
勤務時間外も常に勉強が必要
柔道整復師は、国家試験に合格さえすればそれで生涯安泰ではありません。
進化する医療や医学の知識に対応すべく、就職してからも常に勉強を続ける必要があります。
「柔道整復師にさえなれればそれで良い」などと考えている人には、少々つらい面があるかもしれません。
また、仕事自体もハードな場合もあり、接骨院・整骨院などの勤務先にもよりますが、1日の勤務時間が10~12時間に及ぶこともあります。
業務では立ち仕事かつ力仕事で、疲弊してしまうのにも関わらず、営業後や休日にも勉強をしなければなりません。
プライベート時間の確保が難しく、ストレスが溜まってしまう可能性もあります。
「やめたい」と思ったときに潰しがききづらい
柔道整復師になったあとに、そのハードさなどを理由に「やめたい」と思うこともあるかもしれません。
しかし、柔道整復師は学校で専門的な知識を中心に勉強してきていることがほとんどで、他職種や他業界への転職は難しい可能性があります。
別の接骨院・整骨院に転職したとしても、結局はハードな仕事に追われてしまうことも。
立ちっぱなしの長時間労働が肉体的にキツい
先にも少し述べましたが、柔道整復師の仕事は身体的にハードと感じる場面もあるかもしれません。
業務時間中のほとんどは立ちっぱなし、あるいは歩きっぱなしで過ごさなければならず、患者さんへの施術でも力を使います。
また、時には同じ姿勢を保ち続けなければならないこともあります。
体力が求められる仕事であり、身体的なつらさが「やめたほうが良い」といわれてしまう理由になっていることは否めません。
独立開業してもライバルが多い
柔道整復師のなかには、独立を夢見ている人も少なくないでしょう。
実際、「柔道整復師は独立開業できる資格」といわれているものの、現状すでにたくさんある接骨院・整骨院のなかで生き残ることは簡単なことではありません。
接骨院・整骨院が最も多いといわれている大阪では、コンビニよりも接骨院・整骨院のほうが多いことがわかっています。
独立開業後、患者さんに求められ続ける接骨院・整骨院であるためには、相当な経営手腕や施術技術が求められることを覚えておく必要があります。
柔道整復師は「やめておけ」と言われるほど将来性がないのか
ここまで、柔道整復師がマイナスなイメージを持たれやすい理由を解説してきましたが、実際にやめておいたほうが良いほど将来性がない職業なのでしょうか。
まず給料ですが、給料は就職先の接骨院・整骨院や個人の経験年数・スキルなどによって当然異なり、就職先を選べば他職種よりも高い給料をもらえることもあります。
また、常にキャリアアップを見据えて行動し、院長や管理職になるなど出世できれば、それに見合った収入の増加も期待できます。
スポーツトレーナーなど他資格の取得などをめざして前向きにキャリアを重ねていけば、待遇アップにもつながり、転職を希望した際に選択肢も広がります。
努力を続けないと頭打ちになってしまうのは、柔道整復師だけでなくどの職業でも同じことです。
キャリアアップの一環として独立開業をめざす場合、その成功は事前の戦略立案にかかっているといっても過言ではありません。
実際に柔道整復師で独立開業後に成功した人には、年収1,000万円以上を得ている人もいます。
柔道整復師をやめるべきかは、なりたい姿から判断を
今回は、柔道整復師について「やめたほうが良い」といわれる理由を解説しました。
柔道整復師の仕事は決して楽なものではありませんが、自分の努力やキャリアプランの描き方によっては大きく成功することもできます。
柔道整復師の仕事に興味がある場合は、世間でいわれていることだけにとらわれず、いろいろな視点から考えてみることを忘れないようにしてください。