
キャリアアップをめざす柔道整復師にとって、実務経験を積みながら体得したスキルは大きな強みになります。
特に、独立開業のため施術管理者として登録する際には、一定の実務経験を証明しなければなりません。
このとき必要になるのが「実務経験証明書」です。
本記事では、柔道整復師の実務経験証明書の概要や必要性を解説するとともに、どこでもらえるのか、何を記載すべきなのかなどの気になる情報をお伝えします。
柔道整復師の経験を活かして昇進・昇給をめざしたい方、独立開業を考えている方は、参考にしてみてください。
目次
柔道整復師の実務経験証明書とは
柔道整復師の実務経験証明書とは、柔道整復師として施術を行ってきたこれまでの実績を証明する重要な書類です。
施術所の管理者(開設者または施術管理者)から発行される書類であり、自分自身が柔道整復師の実務に従事してきた正確な期間を明らかにできます。
実務経験証明書が必要になるのは、主に施術管理者として登録する際です。
2018年「柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任を取扱う施術管理者の要件について」が改正され、施術管理者の届出時には実務経験期間証明書の提出が義務付けられました。
提出先は地方厚生局となり、正しい情報を申告しなければなりません。
また、施術管理者の登録を受けるには、一定の実務経験とともに施術管理者研修の受講も必須となっており、この2つの要件を満たすことではじめて施術管理者と認められます。
実務経験証明書は、柔道整復師がキャリアアップをめざすうえで重要な書類の一つといえるでしょう。
実務経験証明書の取得方法
柔道整復師の実務経験証明書は、以下の2ステップで取得できます。
- 実務経験期間証明書を印刷する
- 施設管理者に記入を依頼する
スムーズに施術管理者の登録手続きを進められるよう、実務経験証明書の発行手順をあらかじめ理解しておきましょう。
1.実務経験期間証明書を印刷する
柔道整復師の実務経験証明が必要な場合、厚生労働省のホームページから「実務経験期間証明書」のフォーマットをダウンロードし、印刷しておきます。
このフォーマットは厚生労働省が定めたものであり、独自の書式で作成した書類は認められません。
2.施設管理者に記入を依頼する
印刷した実務経験期間証明書への記入は、自分が実務経験を積んだ職場の開設者または施術管理者に依頼します。
この際、実務経験として認められるのは「受領委任の取り扱いを行うとして登録された施術所での経験のみ」となる点に注意しましょう。
証明書への記入を依頼する前に、勤め先が受領委任の取り扱い登録を受けた施術所かどうかを確認してみてください。
もし実務経験を積んだ施術所が閉鎖しているという場合、実務経験期間証明書の氏名・生年月日・従事期間のみを記入したうえで、雇用関係を証明する別の書類も用意します。
具体的には、雇用保険の離職票などの公的機関が発行する書類、施術所からの給与支払いが確認できる書類などが、証明書類として有効です。
柔道整復師の実務経験証明書に記載すべき内容
柔道整復師の実務経験証明書には、次の情報を正確に記載します。
- 氏名
- 生年月日
- 従事期間
- 実務経験を積んだ施設名
- 施設の所在地
- 管理者職名と管理者の氏名
なかでも注意したいのが、従事期間の項目です。
実務経験証明書に記載できる実務経験期間は、以下4つの条件をすべて満たしている必要があります。
- 柔道整復師の資格取得後の期間であること
- 登録施術所での雇用契約期間であること
- 受領委任の申し出に必要となる実務経験の期間が1年以上あること
- 受領委任の申し出に必要な実務経験期間は通算すること
これらの条件を満たさない期間は、実務経験として認められません。
柔道整復師の実務経験証明書は指定の書類で提出しよう
柔道整復師の実務経験証明書は、施術管理者の届出時などに提出が義務付けられており、キャリアアップをめざすうえで重要な書類です。
実務経験証明書が必要な場合、厚生労働省の実務経験期間証明書のフォーマットを印刷して使用しましょう。
なお、書類を記入できるのは、自分が実務経験を積んだ施術所の管理者となります。
記入項目のなかでも従事期間は、複数の条件を満たさなければならないため、注意が必要です。
実務経験期間と施術管理者研修の受講を証明することで、柔道整復師の施術管理者への道が開かれます。
柔道整復師の実績を活かして昇進や独立開業をめざしている方は、必要書類の取得方法を把握し、施術管理者手続きをスムーズに進められるようにしましょう。