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医療事務のインシデントレポートの例文・書き方を紹介

「医療事務のインシデントレポートの例文が知りたい」
「どのように作成すれば良いかわからない」
医療事務で初めてインシデントレポートを書く必要に迫られた方は、このように悩むかもしれません。

インシデントレポートは、医療ミスの再発を防止するために重要です。
本記事では、医療事務のインシデントレポートの書き方を解説します。
事例別の例文も紹介しているので、スムーズに作成できるようになるでしょう。

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医療事務のインシデントレポートの書き方

医療事務のインシデントレポートの書き方

医療事務のインシデントレポートを書く際は、以下の点を意識しましょう。

  • 6W1Hを意識して書く
  • 主観を省いて事実のみを記載する
  • 発生した原因を分析する

これらのポイントを押さえると、わかりやすいレポートを作成できます。
それぞれ詳しく解説します。

6W1Hを意識して書く

インシデントレポートを作成するときは、次の6W1Hを意識して書きましょう。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • Whom(誰に)
  • Why(なぜ)
  • What(何を)
  • How(どのように)

インシデントレポートは、誰が読んでも理解できるように書くことが重要です。
上記の6W1Hの項目を整理しながら時系列でまとめると、文章を作成しやすくなります。
1つの出来事に複数人が関与している場合は、一人ひとりの行動を簡潔にまとめてください。

主観を省いて事実のみを記載する

インシデントレポートに、個人の反省や言い訳、他者の批判などは必要ありません。
なぜなら、当時の状況を整理・分析して再発防止のために作成する書類であり、反省文ではないからです。

また、主観的な表現が加わると文章全体が長くなりがちで、問題点がわかりづらくなってしまいます。
スムーズに情報共有するためにも、レポートには事実のみを記載することが大切です。

発生した原因を分析する

インシデントが発生した原因や理由の分析が重要です。
状況だけ記載しても、再発防止にはつながりません。

原因を究明する際は「なぜなぜ分析」で深掘りすると良いでしょう。
なぜなぜ分析とは、「なぜ?」を繰り返して出来事の背景にある原因を追及する方法です。
なぜ起きたのかを深掘りすると、根本的な原因が見えてくるでしょう。

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医療事務でよくあるインシデント事例とレポート例文

医療事務でよくあるインシデント事例とレポート例文

医者や看護師以外の職種でも、医療事故につながる可能性はあります。
ここでは、医療事務職員によくあるインシデント事例と、レポートの例文を紹介します。

なお、厚生労働省のサイトでもインシデント事例が公開されているため、参考にしてください。

患者受付

受付では、同姓の患者さんの保険証や診察券を渡し間違えるミスが考えられます。
また、電話対応や案内ミスが原因で、インシデントが起こる可能性もあるでしょう。

ここでは、診察券を誤って渡したケースでの、インシデントレポートの例文を紹介します。

事故の内容 発生要因 改善策
患者Aが診察券を忘れたため名前を検索する際、同姓同名の患者Bを選択した。 患者の氏名(フリガナ)のみを入力し、画面に表示された同姓同名の候補者から、見た目で年齢を判断して選択した。 氏名だけでなく、患者の生年月日や住所まで確認する。

情報管理

情報管理が徹底されていないために発生したミスも、インシデントに該当します。
医療機関では、さまざまな患者さんのデータを多様な医療者が扱うため、誰もが使用しやすいシステムで管理・共有しておくことが重要です。

また、書類管理も厳重に行わなければいけません。
紛失したり他の患者さんに渡したりすると個人情報漏洩につながるため、取り扱いには注意しましょう。

管理システムが複雑、かつ患者対応に追われていたことが原因で発生した、インシデントレポートの例文を紹介します。

事故の内容 発生要因 改善策
患者さんは入院の事実を公にしないために、個人情報保護の申請をしていた。
しかし、事務職員がパソコンの画面を見誤り、訪ねてきた見舞客に患者さんの病室を伝えてしまった。
結果、個人情報保護の申請をしていたが、見舞客が患者さんの病室へ案内されてしまった。
画面上では、リストを開きながら、別のシートで個人情報保護の申請をされている患者さんを確認する仕様であり、手間がかかる作業である。
また、窓口に患者さんや見舞客が並んでおり、多忙であった。
1つのリストで、個人情報保護の患者さんかどうかを確認できる仕様に変更した。

会計

会計では、入力や計算、本人確認などのミスに注意しなければいけません。
処方箋の入力ミスや、算定間違いで料金を誤って請求することもあり得ます。

別の患者さんに誤って請求した場合のインシデントレポートの例文を掲載するので、参考にしてください。

事故の内容 発生要因 改善策
入院患者Aのご家族が、支払いのために窓口に来られたが、確認のために椅子にかけて待ってもらった。
確認後「Aさん」と声をかけ、入金を済ませた。
しかし、数分後に椅子で待たれていた患者Aのご家族が窓口に来られたため、別の患者さんに料金を請求したことが判明した。
先ほど入金対応した患者Bさんに確認をとり、会計のミスが発覚した。
窓口では患者さんに名乗ってもらい、本人確認をとっていた。
しかし、職員側から名前を呼んだため、名乗り確認をしなかった。
・職員側から呼んだか否かに関わらず、名乗り確認を行う。
・対応した職員に教育し、正しく行われているか定期的に確認した。

例文を参考に医療事務のインシデントレポートを書こう

インシデントレポートは、誰が読んでもわかるように作成することが重要です。
6W1Hの項目を整理し、発生した内容・原因を簡潔に記載しましょう。

なお、あくまで再発防止のために作成するのが目的であり、反省文ではありません。
個人の反省や言い訳が含まれると文章が長くなり、問題点が不明瞭になります。

インシデントの原因をわかりやすく伝えるためにも、レポートには事実のみを記載して簡潔にまとめることが大切です。
例文を参考に、インシデントレポートを書きましょう。

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