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准看護師の仕事内容とは?正看護師との違いや資格取得方法も紹介

准看護師は、2年間で国家試験の受験資格が得られることや准看護師学校に社会人枠として入学可能であること、試験の合格率が高いことなどから、正看護師に比べて資格を取得しやすくなっています。
そのため、さまざまな年代やキャリアの方が、挑戦することが可能な資格であるといえるでしょう。

今回は、准看護師資格の取得をめざしている方やこれから准看護師として働く方のために、准看護師の業務内容や正看護師との違い、資格取得方法などをご紹介していきます。

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准看護師の役割・業務

准看護師の役割・業務

准看護師は、第二次世界大戦後に急速に看護師の需要が増加したことを背景に誕生し、現在も看護の提供を通して医療の現場で活躍しています。
ここでは、准看護師の役割と具体的な業務内容を紹介していきます。

准看護師の役割

准看護師は、保健師助産師看護師法により、医師や歯科医師、看護師の指示のもと患者さんの療養上の世話や診療の補助を行うものと定義されています。

つまり、病院や診療所などの医療機関に勤務し、患者さんのケアをしたり、治療がスムーズに進むよう医師をサポートしたりすることが主な役割となっています。

准看護師の業務

准看護師の具体的な仕事内容は以下のとおりです。

療養上の世話 環境整備
体位変換
移乗、移送
食事介助、排泄介助
診療の補助 バイタルサイン確認(血圧、体温、脈拍などの測定)
採血
注射や点滴の準備・実施、与薬
手術や検査の介助

医療機関によって業務は少しずつ変わりますが、一般的な仕事内容は正看護師とほとんど違いがありません。

准看護師の資格取得方法

准看護師の資格取得方法は、中学校または高等学校卒業後、准看護師養成所に2年間通う、または中学校卒業後に高等学校衛生看護科に3年通い准看護師になるために必要な知識を学習します。

その後、都道府県が実施している准看護師試験を受験し、合格することで准看護師資格が取得できます。

准看護師の資格取得方法

准看護師養成所に2年間通う

准看護師試験の受験資格を得るには、最終学歴が中卒の方は、准看護師養成所に2年間または高等学校の衛生看護科に3年間通学しなければなりません。
また、最終学歴が高卒の方は、准看護師養成所に2年間通う必要があります。

准看護師養成所に入学するためには、入学試験を突破する必要がありますが、試験範囲は中学校卒業程度の内容となっており、あまり難しくはないと言われています。
また、検討している養成所によって試験科目は異なるため、受験前に養成所のホームページを必ず確認しましょう。

准看護師学校の費用や種類などの詳細はこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

准看護師試験に合格する

准看護師試験は都道府県ごとに、例年2月に実施されます。

都道府県のブロックを変更することで同じ年に2回の受験も可能であり、合格率は全国平均97%以上と非常に高いです。

試験時間は2時間半で、マーク式問題が150問出題されます。
わからない問題があっても立ち止まらずに、適切なスピードで回答していくことが大切です。

この准看護師試験に合格し、免許申請手続きを行うことで、准看護師資格を取得できます。

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准看護師と正看護師の違い

准看護師と正看護師の業務内容は重複していますが、それぞれ求められている役割やキャリア形成などに違いがあります。

准看護師と正看護師のどちらになろうか迷っている方は、相違点を理解したうえで、中長期的なキャリアビジョンを考えましょう。

教育内容・目的・期間が異なる

准看護師には、医師や歯科医師、看護師の指示のもとに看護を実践することができる能力が求められます。
これに対し、正看護師には、科学的根拠に基づき自ら判断できる能力が必要とされます。
そのため、教育期間や教育内容が、准看護師と正看護師では異なっているのです。

准看護師の教育は、看護に必要な基礎的能力を理解することを目的としており、座学1,890時間以上、実習735時間以上で構成されます。
一方で、看護師は医学知識に基づく判断力を養うことを目標としているため、座学3,000時間以上、実習1,035時間以上と准看護師よりも長い学習時間が必要とされています。

看護師免許の交付元が異なる

准看護師と正看護師では、免許の交付元も異なります。
准看護師は免許の交付元が都道府県知事であるのに対し、正看護師の免許の交付元は厚生労働大臣です。

なお、看護師試験は年に1回のみの実施であり、准看護師試験のように同年内に複数回の受験はできません。

指示のもと看護するか自らの判断で看護できるか

看護師と准看護師の業務上の大きな違いは、業務への指示の必要性です。

准看護師はすべての業務を指示のもと実践するため、自ら判断して看護を提供することはできません
自らの判断を必要とする看護計画の立案は、行うことができないのです。

一方で、正看護師は患者さんをさまざまな角度からアセスメントして看護上の問題点を導き出し、看護計画を立案し実践していきます。

自己導尿が必要な患者さんへの指導を例にとると、准看護師は患者さんに自己導尿の指導はできますが、指導を行うには必ず医師や看護師などの指示が必要であり、自らが必要性を判断して指導を実施することはできません。

可能な業務内容が異なる

多くの看護業務は正看護師と准看護師の間で違いはありませんが、正看護師には可能であっても、准看護師には不可能な業務が一部あります。

准看護師は看護師からの指示を仰ぐ立場であるため、他看護師への指示出しや新人への教育はできません。
また、管理職への昇進もできません。
管理職へのキャリアアップを考えている場合は、まず准看護師から正看護師になる必要があります。

准看護師から正看護師になる方法はこちらの記事で紹介しています。

准看護師の今後の展望

日本では高齢化が進んでいることもあり、医療が高度化・複雑化しています。
高齢者は一つだけでなく、複数の疾患が複雑に絡み合っているケースが多く、看護師もさらに多様な知識や技術が必要とされているのです。

このような現状のなかで、准看護師の今後の展望はどのようになっているのでしょうか?

准看護師の就業者数

厚生労働省の統計によると、准看護師の就業者数は令和2年時点で約28万人となっています。

2012〜2016年の間で准看護師は約3万人減少しているのに対し、正看護師は約13.3万人増加しており、正看護職は増加傾向であるが、准看護師は減少傾向であることがわかるでしょう。

また、2020年時点では、正看護師と准看護師を合わせた看護職のなかで、准看護師の割合は18%と非常に低くなっています。

この理由として、正看護師の方が准看護師よりもキャリアの幅が広い、給料が良いなどといった待遇面などの背景があると考えられます。

実際に准看護師学校を卒業後、すぐに准看護師として就職せず、看護師資格取得のために進学する割合が3割程度います。

准看護師はなくなるのか?

准看護師制度は現時点で廃止になっていません。
しかし、准看護師制度に対して、日本看護協会と日本医師会で意見が分かれているのが現状です。

日本看護協会は、医療の高度化や複雑化に対応し、患者さんのニーズに合わせた看護師の育成を図るため、准看護師制度を廃止し、准看護師の正看護師資格取得を支援することで看護職の一本化をめざしています。
それに対し、医師会は准看護師は地域医療を支えていると主張し、准看護師制度の継続を支持しています。

准看護師について理解したうえでめざしていこう

准看護師は、2年間学校に通うまたは中学校卒業後高等学校衛生看護科に3年通い、准看護師試験を突破することで資格を取得でき、医療の現場で活躍することができます。

准看護師と正看護師は、業務内容だけでは違いがわかりにくいですが、医療者としての役割の明確な違いや、キャリア形成の面での差があります。

正看護師ではなく准看護師をめざす場合は、その理由を明確にしたうえで、准看護師をめざしていきましょう。

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