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BLSの資格を種類ごとに紹介|取得方法や研修内容について

この記事の監修者
ゆみさと
【資格】
看護師

【プロフィール】
岩手県立大学看護学部を卒業後、血液内科・乳腺外科混合病棟にて勤務し、その後、透析クリニックに転職。
現在、看護師として働きながら、医療関係を中心にライターとしても活動中。

突然の事故などに遭遇し、心停止や過呼吸を起こした場合、適切な一次救命処置(BLS)を施せるかどうかが要救助者の生死を分ける重要な要素となります。
BLSの資格を取得することで、緊急時にも自信を持って対応できるスキルを身につけることができるでしょう。
本記事では、BLSの主要な資格について、その種類や取得方法、研修内容を詳しく紹介します。

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BLS資格の種類一覧

BLS資格の種類一覧

BLS(Basic Life Support:一次救命処置)について学べる資格は、日本ACLS協会によって設けられています。
一般市民向けや医療従事者向け、インストラクター向けなど、目的によって18の種類が存在します。

対象 資格名 概要
一般向けコース ハートセイバー・ファーストエイド けが・病気の応急手当
ハートセイバー CPR AED 心肺停止となった人への救命処置
ハートセイバー・ファーストエイド
CPR AED ブレンデッドラーニング
左欄2つの座学をeラーニングで学ぶコース
医療従事者向け
※条件によっては一般も受講可能
BLSプロバイダー 一次救命処置についてさらに詳しく学ぶ
PEARSプロバイダー 乳児・小児の救命のための初期評価法
HeartCode®BLS BLSプロバイダーの座学をeラーニングで学ぶコース
医療従事者向け ACLSプロバイダー 脳卒中などの症状の初期治療
ACLSリニューアル ACLS資格の更新コース
ACLS-EP ディスカッションを中心に救急救命スキルを学ぶ
PALSプロバイダー 小児に対する二次救命処置
PALSリニューアル PALS資格の更新コース
HeartCode®ACLS ACLSプロバイダーの座学をeラーニングで学ぶコース
インストラクターをめざす人向け BLSインストラクターエッセンシャル BLSプロバイダーを指導するための技術
ACLSインストラクターエッセンシャル ACLSプロバイダーを指導するための技術
ACLS EPインストラクター ACLS EPを指導するための技術
PALSインストラクターエッセンシャル PALSプロバイダーを指導するための技術
PEARSインストラクターエッセンシャル PEARSプロバイダーを指導するための技術
ハートセイバーインストラクター ハートセイバーコースを指導するための技術

上記の資格は、緊急時に適切な対応ができるスキルを身につけるために重要な役割を果たすものです。
今回の記事では、BLSについて多く学べる主な資格を取り上げて紹介します。

対象別に見た主な資格の種類は以下のとおりです。

  • 医療従事者向け:BLSプロバイダー
  • 一般向け:ハートセイバー CPR AED
  • インストラクター向け:BLSインストラクターエッセンシャル

これらの資格を取得することで、怪我や病気の応急手当て、一次救命処置のスキルを習得できます。

BLSプロバイダー

BLSプロバイダーの資格は、全年齢層の対象者に適切な一次救命処置を施すスキルを獲得できる重要な資格です。
この資格は、看護師や医師などの医療従事者だけでなく、一般の方でも取得可能です。
コース内には実際に一次救命処置が必要な現場を想定したシミュレーション練習もできるため、緊急時に自信を持って適切な対応ができるようになるでしょう。

コースを受講し、筆記試験や実技試験に合格すると、国際的に通用するライセンスカードが付与されます。

なお、BLSプロバイダーコースと同様の資格が取得できるコースとして、HeartCode®BLSというコースも用意されています。
こちらは学ぶ内容は同じですが、講義の部分をオンラインで受講できるため、より自身の都合に合わせて学習が可能です。

取得方法

BLSプロバイダーの資格を取得するためには、計6時間程度の研修をすべて受講する必要があります。
コースをすべて受講したあと、理解度を確認するための筆記試験と実技試験が実施されます。

資格取得の条件は以下のとおりです。

  1. 筆記試験で84%以上の得点を獲得すること
  2. 実技試験で規定されている評価基準を満たすこと

これらの条件を満たすことで、BLSプロバイダーの資格を取得できます。

講習内容

BLSプロバイダーコースの講習では、幅広い一次救命処置のスキルを学ぶことができます。
主な学習内容は以下のとおりです。

  1. 成人に対する胸骨圧迫の方法
  2. AEDの操作方法
  3. 人工呼吸法
  4. 乳児や小児に対するBLS
  5. 妊婦の心停止への対応
  6. オピオイドによる致死的な緊急事態への対応

基本的なBLSの技術に加えて、妊婦の心停止や窒息時の対応などイレギュラーな事態にも対応できるような内容を学ぶことができます。
また、緊急時の状況によっては、一人で対応しないといけない場面に遭遇することもあるかもしれません。
このコースでは、救助者が一人の場合の対応方法についても学ぶことができるため、
多様な状況に対応できるスキルを身につけられ、より効果的な救命活動が可能となるでしょう。

有効期限・更新方法

BLSプロバイダー資格の有効期限は2年間です。
更新するためには、HeartCode®BLSまたはBLSプロバイダーコースの再受講が必要です。

BLSの知識や技術は、人によっては実施する機会が少ないものとなる可能性があります。
そのため、コースを再受講し、繰り返しトレーニングすることによって、いかなる時でも使えるようにしておくことが望ましいのです。

以上の理由から、定期的な更新が求められており、有効期限が設けられています。
継続的な学習と実践により、常に最新の知識とスキルを維持できます。

ハートセイバー CPR AED

ハートセイバー CPR AEDコースは、一般の方向けに作られた基本的な初期対応方法を学ぶためのコースです。
このコースでは、倒れている人を発見したときから救急隊に引き継ぐまでの一連の流れを、想定シナリオをもとに学ぶことができます。

主な学習内容は以下のとおりです。

  1. 胸骨圧迫の方法
  2. 人工呼吸の実施方法
  3. AEDの操作方法

コースを受講し、実技試験に合格すると、国際的に通用するライセンスカードが付与されます。
一般の方向けに設計されていますが、受講者は限定されていないため、医療従事者も含めて誰でも受講可能です。

取得方法

ハートセイバー CPR AEDの資格を取得するためには、計2〜4時間程度の研修を1日かけて受講する必要があります。
すべてのコースを受講し、実技試験の評価基準を満たすことで資格を取得できます。

具体的な取得手順は以下のとおりです。

  1. 指定された研修コースに参加する
  2. すべての講習内容を受講する
  3. 実技試験を受験し、評価基準を満たす
  4. 合格後、ライセンスカードが発行される

このプロセスを経ることで、ハートセイバー CPR AEDの資格を取得できます。

講習内容

ハートセイバー CPR AEDコースの基本的な講習内容は、以下のとおりです。

  1. 成人の胸骨圧迫の方法
  2. 人工呼吸の実施方法
  3. AEDの操作方法

これらの基本スキルを中心に学びます。
実際にCPRやAEDの実施方法を練習したうえでテストも技術テストも用意されているため、学んだ内容を身につけることができるでしょう。
さらに、オプションとして小児や乳児の胸骨圧迫・AEDの使用方法についても学ぶことが可能です。

このコースでは、実践的なシナリオを用いて、緊急時の対応力を高めることができます。

有効期限・更新方法

ハートセイバー CPR AEDコースで取得する国際ライセンスカードの有効期限は2年間です。
ライセンスカードを更新するためには、再度コース内容を受講する必要があります。

定期的な更新により、最新の知識とスキルを維持し、緊急時に適切な対応ができるよう備えることが重要です。

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BLSインストラクターエッセンシャル

BLSインストラクターエッセンシャルコースは、BLSインストラクターになるために必要な知識・スキルを習得できるコースです。
このコースを通じて、BLSプロバイダーコースやハートセイバーコースを指導するために必要な教授法や知識を学ぶことができます。

インストラクターとしての役割を担うことで、より多くの人々にBLSの重要性を伝え、救命技術の普及に貢献できるでしょう。

取得方法

BLSインストラクターエッセンシャルの資格を取得するためには、以下の手順を踏む必要があります。

  1. インストラクターとして志願申請を行う
  2. アシスタントとして、繰り返しコースを受講し、知識やスキルを身につける
  3. 約6時間程度の規定されているすべてのコースプログラムを受講する
  4. 筆記試験で84%以上の成績を収める
  5. 実際にインストラクターとしてコースを実施する
  6. モニターからの評価で合格する

これらの条件をすべて満たすことで、BLSインストラクターとしての資格を取得できます。
特に、実際のコース指導とモニターからの評価は、インストラクターとしての実践的なスキルを確認する重要なステップとなります。

講習内容

BLSインストラクターエッセンシャルの講習では、BLSインストラクターとしてBLSコースを教えられるようになるために必要な知識を習得します。
具体的な内容は以下のとおりです。

  1. コース概要
  2. AHAの紹介
  3. BLSプロバイダーコースの準備
  4. BLSプロバイダーコースの概要
  5. Life is Why アクティビティ
  6. BLSプロバイダーコース レッスン
  7. BLSの試験および補修
  8. ハートセイバーコースの概要
  9. ハートセイバーの種類
  10. ハートセイバーの試験
  11. AHAインストラクター向けリソース
  12. コースのまとめおよび筆記試験

これらの内容を通じて、効果的な指導方法や、コース運営に必要な知識を身につけることができます。

有効期限・更新方法

BLSインストラクターエッセンシャルの資格の有効期限は2年間です。
ライセンスカードを更新するためには、再度コース内容を受講する必要があります。

定期的な更新により、最新の指導技術や知識を維持し、質の高い指導を継続して行うことができます。

BLSの資格を取得するメリット

BLSの資格を取得することには、多くのメリットがあります。
特に医療従事者の場合、一次救命処置の対応を自信を持って実施できるようになるでしょう。

対応の流れが明確になるため、物品の準備なども含めて先読みして行動できるようになります。
これにより、緊急時により迅速かつ効果的な対応が可能です。

医療従事者ではない一般の方にとっても、BLSの資格取得は大きな意味があります。
いざというときに適切な対応ができるようになることで、身近な人の命を救う可能性が高まるのです。

さらに、BLSの知識は職場や地域社会での安全意識の向上にもつながり、より安心な環境づくりに貢献できるでしょう。

BLSの資格を取得して一次救命処置のスキルを身につけよう

BLSの資格取得は、緊急時に適切な対応ができるスキルを身につける重要な手段です。
医療従事者はもちろん、一般の方にとっても、これらの知識とスキルは非常に価値があります。

BLSプロバイダー、ハートセイバー CPR AED、BLSインストラクターエッセンシャルなど、さまざまな資格が用意されており、それぞれの目的や立場に合わせて選択可能です。

これらの資格を取得し、定期的に更新することで、常に最新の救命技術を維持できます。
そして、いざという時に自信を持って行動し、大切な命を救う可能性を高めることができるのです。

BLSの資格取得は、自身の成長だけでなく、社会全体の安全性向上にもつながります。
ぜひ、BLSの資格取得を検討し、一次救命処置のスキルを身につけましょう。
それが、あなたや周りの人々の命を救う第一歩となるかもしれません。

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執筆者について

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