
看護師として働くなかで、新人看護師の教育も重要な仕事の一つです。
しかし、新人看護師と指導者の相性が悪かったり、お互いにうまく関係を構築できなかったりするケースもあるでしょう。
そんなとき、指導者と新人看護師の両者を支え、教育の手助けをするのがエルダーナースです。
本記事では、エルダーナースの役割や仕事内容、必要なスキルについて詳しく解説します。
目次
エルダーナースとは
エルダーナースとは、プリセプターシップ制度において、新人看護師(プリセプティ)とその指導者(プリセプター)を支援する役割を担う看護師のことです。
エルダーには「先輩」という意味があり、プリセプティの不安や辛さに寄り添い、直接相談に乗ります。
また、プリセプターの指導における悩みを聞いたり、両者の連携がスムーズにいくように調整する役割も担います。
プリセプターシップ制度について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。

エルダーナースの役割・仕事内容
エルダーナースは、プリセプターとプリセプティを精神的にサポートし、両者の橋渡し役となります。
また、他のスタッフとの調整も重要な仕事です。
以下では、エルダーナースの具体的な役割や仕事内容を見ていきましょう。
精神的支援
エルダーナースの大きな役割の一つが、プリセプターやプリセプティの相談役となることです。
新人看護師として働くなかで悩みが生じたときや、指導・教育の方法に迷ったときなどに、親身になって助言します。
そのためにも、日頃から積極的にコミュニケーションをとり、いつでも気軽に相談できる関係を築いておくことが大切です。
スタッフ間の調整役
プリセプターの苦手分野に関する教育など、相談内容によっては、他のスタッフの協力が必要なケースもあるでしょう。
その際エルダーナースは、教育・指導がしやすい環境を整えるために、スタッフ全体と連携を図ります。
看護師のシフトは日勤と夜勤があるため、エルダーナースとプリセプティ、プリセプターが揃って話し合える機会は多くありません。
そのため、エルダーナースができる範囲で指導しやすい環境を整えることが重要です。
プリセプターとプリセプティの橋渡し
プリセプターとプリセプティの相性が必ずしも合うとは限りません。
そのため、エルダーナースはプリセプターとプリセプティの橋渡し役となり、両者の関係性を良好にする必要があります。
お互いのことで悩みや相談がある場合、エルダーナースは両者の話を公平に聞き、適切なアドバイスをする役割を果たします。
双方の立場を理解したうえで、円滑なコミュニケーションを促すことが重要です。
エルダーナースに必要なスキル
エルダーナースとして活躍するためには、看護師としての業務遂行能力だけでなく、優れたコミュニケーション能力と人間性が求められます。
ここでは、エルダーナースに必要な3つのスキルを紹介します。
日々の看護業務をこなせる力
エルダーナースになったからといって、日々の業務量が減るわけではありません。
エルダーナースになるには、一人前の看護師として、日常業務をこなせる能力があることが前提です。
自身の看護実践能力を磨きながら、プリセプターシップにおける役割を果たすことが求められます。
コミュニケーション能力
エルダーナースには、優れたコミュニケーション能力が不可欠です。
プリセプティやプリセプターの悩みに親身に耳を傾け、必要に応じて両者や他のスタッフとも積極的にコミュニケーションをとる力が求められます。
また、自分の意見を明確に伝える力もコミュニケーション能力の一つと言えるでしょう。
道徳性のある人間力
エルダーナースは公正な立場で、道徳的に振る舞う必要があります。
悩みを相談された際に「そんなことを気にしているの?」や「頑張らなきゃだめでしょ」などの心ない言葉を発してしまうと、相談者は幻滅し、今後相談しなくなってしまうかもしれません。
エルダーナースは、倫理観を持ち、道徳性のある人間力を備えることが重要です。
頼りになるエルダーナースをめざそう
エルダーナースは、プリセプターとプリセプティを支える役割の看護師です。
精神的支援やスタッフ間の調整、両者の橋渡しなど、さまざまな面からプリセプターとプリセプティのために尽力します。
エルダーナースには、日々の看護業務を確実にこなす力はもちろん、優れたコミュニケーション能力と道徳性のある人間力が必要不可欠です。
プリセプターとプリセプティの両者から信頼されるエルダーナースをめざして、日々研鑽を積んでいきましょう。