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内科の看護師とは|業務内容や魅力、特徴を外科と比較しながら徹底解説

この記事の監修者
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繁和泉

内科看護師は、患者さんの健康を支える重要な役割を担っています。
外科とは異なるアプローチで、幅広い疾患に対応する内科看護師の仕事は、やりがいと課題が共存する独特なものです。
本記事では、内科看護師の業務内容や魅力、特徴について、外科看護師と比較しながら詳しく解説していきます。
内科看護師をめざす方や、キャリアの選択肢として考えている方にとって、有益な情報となるでしょう。

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内科で働く看護師の仕事内容

内科で働く看護師の仕事内容

内科看護師の仕事内容には、外科看護師とは異なる特徴があります。
患者さんの症状や状態に応じて、きめ細やかなケアを提供することが必要です。
ここでは、内科と外科の違いを踏まえながら、内科看護師の主な業務について、外来と病棟に分けて詳しく解説していきます。

そもそも内科と外科の違いとは

内科と外科は、医療アプローチの方法が大きく異なるのが特徴です。
外科では主に外科的手術を通じて、病変部位を直接取り除いたり,、通常の機能を発揮できるように調整を施す治療を行います。
一方、内科は循環器内科、消化器内科、呼吸器内科など、さまざまな専門分野ごとに、薬剤投与を中心とした治療法を用いて、特定の臓器や系統に関連する疾患にアプローチします。

内科では多岐にわたる症状や疾患に対応する必要があるため、看護師にも幅広い知識と技能が必要です。

内科の主な業務

ここからは、内科で働く看護師の主な業務について、外来看護師と病棟看護師に分けて解説します。

外来

内科の外来で働く看護師の主な仕事は、診察の介助や患者さんのケアです。
診療に慣れていない初診の患者さんへの対応や、検温などの基本的な処置を行います。
また、医師の指示のもと、点滴の準備や投与、採血などを行うことも重要な業務です。

外来では短時間で多くの患者さんと接するため、効率的かつ丁寧な対応が求められます。
患者さんの症状や不安を素早く把握し、適切な対応をすることが大切です。

そして、外来看護師は事務処理業務も多く、接遇面のスキルも求められます。
さらに、慢性疾患の患者さんも多いため、継続的な健康管理や生活指導も重要な役割となります。

病棟

内科病棟での看護師の役割は、入院患者さんの日常的なケアと医療処置の補助が中心です。
具体的には、バイタル測定や、点滴投与、採血などの医療行為を行います。
この他、全身状態の観察を行い、現在行っている治療による回復状況や副作用の有無などを、毎日全人的に観察して医師と情報共有をします。
医師は、治療プランの立案をする際、看護師から提供される情報を一助とするのです。
また、レントゲンなどの検査への付き添いや、清潔ケアなど、患者さんの入院生活全般のサポートも重要な業務です。

病棟では、患者さんの状態を24時間体制で観察し、変化に素早く対応することが求められます。
また、長期入院の患者さんも多いため、精神的なケアや退院に向けた支援も重要な役割です。
医師や他の医療スタッフとの連携を密に取りながら、患者さん一人ひとりに適したケアを提供していきます。

内科看護師として働くメリット

内科看護師として働くことには、さまざまなメリットがあります。
患者さんと深く関われる点や、幅広い知識を身につけられる点など、やりがいを感じられる要素が多くあります。
ここでは、内科看護師ならではの魅力について、詳しく解説しましょう。

患者さんとコミュニケーションを多くとることができる

内科には、慢性疾患で定期通院を続ける患者さんなど、何度も同じ患者さんと顔を合わせる機会が多いのも特徴です。
そのため、患者さんやそのご家族と密接に関わる機会が多く、深いコミュニケーションをとることができます。
入退院を繰り返す患者さんもおり、都度の状況に応じて、きめ細やかな対応が求められます。

このような環境では、患者さんの思いや心情に寄り添うことが非常に重要です。
ご家族との連携も密に行うため、多様なコミュニケーションスキルを磨くことができます。
患者さんとの信頼関係を築きながら、より良い看護を提供できる点が、内科看護師の大きな魅力の一つといえるでしょう。

さまざまな疾患を学ぶことができる

施設にもよりますが、患者数が多く診療科が細分化されていない内科では、特定の手術や処置だけでなく、多様な疾患や状況に対応する必要があります。
また、一つの疾患でも、急性期から回復期まで、その時々で変化する必要な看護ケアや指導内容を適切に提供しなければなりません。

多様な疾患への対応が必要なことに加え、一つの疾患でも幅広い知識と技術が求められるため、常に学び続ける姿勢が大切です。
さまざまな疾患に対する理解を深め、それぞれに適した看護技術や患者指導の方法を学ぶことができます。
医学の進歩に合わせて新しい治療法や薬剤についても学ぶ機会が多く、専門性の高い看護師に成長できる環境であるといえます。

緊急対応が少ない

内科では、外科に比べて緊急対応が少ないのが特徴です。
外科では手術直後の患者さんの急変リスクが高く、常に緊張感がありますが、薬物治療を主体に行う内科では、急変のリスクも低くなります。

緊急対応は看護師にとって大きなストレスとなる場面です。
そのため、緊急対応が少ない内科は、落ち着いた環境で働きたい看護師にとって魅力的な選択肢となります。
しかし、緊急時の対応スキルも重要なので、定期的な訓練や学習は欠かせません。

やりがいをもてる

外科では患者さんの入れ替わりが激しく、業務をこなすことに精一杯になりがちですが、内科では患者さんとの関わりが長期に及ぶことが多い傾向です。
そのため、内科看護師は、患者さんの長期的な回復や健康維持に関わることができ、大きなやりがいを感じられます。

長期入院していた患者さんが無事に退院できたり、自身の指導や関わりによって患者さんの入退院の頻度が減ったりするなど、目に見える形で成果を感じられます。
このように、自分の看護が患者さんの健康や生活の質向上に直接貢献していることを実感できるのは、内科看護師ならではの喜びといえるでしょう。

内科看護師として働くデメリット

内科看護師の仕事には多くの魅力がありますが、同時にいくつかの難点もあります。
これらのデメリットを理解し、適切に対処することで、より充実した看護師生活を送ることができるでしょう。
ここでは、内科看護師として働くうえで直面する可能性のある課題について解説します。

治療の成果が目に見えづらい

内科治療の特徴として、外科のような即時的な効果が見えにくい点があります。
外科では手術による回復をめざすため、比較的短期間で患者さんの状態変化が見られることが多い傾向です。
一方、内科では主に薬物治療を行うため、効果が現れるまでに時間がかかることもあります。

例えば、心不全患者さんの場合、ペースメーカー植え込み後の回復と、内服薬や点滴のみでの治療では、改善までの時間に大きな差が出ることもあるでしょう。
このように、治療の成果が目に見えにくいことは、時として看護師のモチベーション維持を難しくする要因となる可能性があります。
しかし、長期的な視点で患者さんの変化を観察し、小さな改善も見逃さない姿勢が大切です。

高度な医療や知識を求められる

内科看護師には、常に最新の医療知識と高度な技術が求められます。
新薬が登場した際には、その効果や副作用について理解し、患者さんの状態観察を密に行い、体調の変化等をいち早く察知する必要があります。
また、複雑な病態を患者さんに説明し、病識を獲得してもらうためのコミュニケーション能力も重要です。

このように、内科看護師は医学的知識だけでなく、患者教育力やコミュニケーションスキルなど、多岐にわたる能力が要求されます。
常に学び続ける姿勢が必要であり、時として負担を感じることもあるでしょう。
しかし、これらの知識や技術を身につけることで、より質の高い看護を提供できるようになります。

忙しいときにも思いやりが求められる

内科看護師には、常に患者さんの気持ちに寄り添うことが求められます。
これは外科看護師にも共通する点ですが、特に内科では長期的な関わりが多いため、より繊細な配慮が必要となるのです。
処置や検査で忙しいときでも、患者さんの声に耳を傾け、思いやりを持って接することが大切です。

例えば、なかなか退院できない患者さんに対しては、患者さん自身が回復に向かえるのかどうかという不安を抱えてしまいます。
その気持ちに寄り添いながら適切な声かけを行う必要があります。
このような細やかな対応を常に心がけることは、時として精神的な負担となる可能性もあるでしょう。

緊急処置のスキルを得づらい

先述のとおり、内科では外科に比べて急変対応が少ない傾向にあります。
これは一面ではメリットですが、同時に緊急処置のスキルを磨く機会が少ないというデメリットにもなり得ます。

そのため、幅広い処置介助スキルを学びたい看護師にとっては、やや物足りなさを感じる可能性もあるでしょう。

しかし、病院によっては看護師教育の一環として定期的な訓練や勉強会などを開催している施設もあります。
自分の学ぶ姿勢によりこれらのスキルを補完することは可能です。

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参照:https://www.photo-ac.com/main/detail/1807812&title=%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%92%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%81%99%E3%82%8B%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E5%B8%AB

内科看護師として活躍するためには、特定の資質や能力が求められます。
患者さんとの長期的な関わりや、複雑な疾患への対応など、内科ならではの特徴を考慮すると、以下のような特性を持つ人が内科看護師に向いているといえるでしょう。

  • コミュニケーション能力がある
  • 長期的な視点をもってサポートできる
  • 観察力・洞察力がある

それぞれの特性について、詳しく見ていきましょう。

コミュニケーション能力がある

内科看護師にとって、優れたコミュニケーション能力は不可欠です。
患者さんやそのご家族の思いを理解し、適切に対応するためには、高いコミュニケーションスキルが求められます。
また、医師や理学療法士など、多職種との連携を円滑に行うためにも、この能力は重要です。

コミュニケーション能力は、日々の看護実践を通じて少しずつ磨いていくことができるスキルです。

患者さんに寄り添う気持ちを持ち続け、真摯に看護に取り組むことで、コミュニケーション能力は自然と身についていきます。
失敗を恐れず、積極的に患者さんや同僚とコミュニケーションを取る姿勢が大切です。

長期的な視点をもってサポートできる

内科では、短期的な入院だけでなく、長期にわたる入院や通院が必要な患者さんも多く見られます。
そのため、長期的な視点を持って患者さんをサポートできる人が内科看護師に向いているといえるでしょう。

患者さんの状態に応じて、どのようなサポートが必要か、どのタイミングでどのような介入をすべきかを考える必要があります。
例えば、慢性疾患の患者さんの場合、症状の管理だけでなく、退院後の生活を見据えた指導や支援も重要です。

幅広い視野を持ち、患者さんの現在の状態だけでなく、将来の生活まで考慮したケアを提供できる人が、内科看護師として活躍できるでしょう。
また、患者さんの小さな変化や進歩を見逃さず、長期的な改善を支援できる忍耐力も求められます。

観察力・洞察力がある

内科看護師には、鋭い観察力と洞察力が必要です。
内科疾患は外科と異なり、症状が目に見えにくいことも多々あります。
また、疾患による影響などにより、うまく症状を言葉で表現できない患者さんも多くいます。

このような状況下で、患者さんの全身状態を注意深く観察し、微細な変化に気付く能力は非常に重要です。
表情や態度、バイタルサインなどから、患者さんの状態を適切にアセスメントする力が求められます。

観察力と洞察力は、経験を積むことで徐々に磨かれていきます。
日々の看護実践のなかで、「なぜ」という疑問を持ち続け、常に患者さんの状態を多角的にとらえる姿勢が大切です。
これらの能力を磨くことで、早期に異常を発見し、迅速な対応を取ることができるようになります。

内科で働く看護師のやりがい

内科看護師の仕事には、さまざまな課題がある一方で、大きなやりがいを感じられる場面も多くあります。
患者さんの回復を支援し、その過程に深く関わることで得られる満足感は、内科看護師ならではのものです。
ここでは、内科看護師が日々の業務のなかで感じるやりがいについて、具体的に見ていきましょう。

患者さんの笑顔をみることができる

内科看護師の仕事のなかで、大きなやりがいを感じられるのは、患者さんの笑顔をみることができる瞬間です。
この喜びは、外科看護師にも共通するものですが、内科ならではの特徴もあります。

長期間の入院生活を経て、ようやく退院の日を迎えた患者さんから、「あなたのおかげだよ」と言葉をかけてもらえたり、「入退院を繰り返さないように頑張るね」と決意を聞かせてもらえたりすることがあります。
このような瞬間は、これまで頑張って実施してきた看護プランやケアが報われたと感じられ、大きなやりがいにだと感じられるでしょう。

また、慢性疾患の患者さんが、少しずつ自己管理能力を身につけ、自信を持って生活できるようになっていく過程を見守ることもできます。
患者さんの成長や回復を間近で見られることは、内科看護師の醍醐味の一つといえるでしょう。

入院から退院までみることができる

患者さんの入院から退院までの全過程に関われることも、内科看護師の大きな特徴です。
外科の場合、手術後にICUで1泊する、回復期病棟に転棟するなどで入院病棟が変わることもありますが、内科では多くの場合、同じ病棟で一貫したケアを提供できます。

同じ看護師が継続的に患者さんを担当することで、細かな変化や進歩を見逃さず、適切なケアを行えます。
時には部屋移動などでチームが変わることもありますが、病棟全体で情報を共有することで、一貫性のある看護の実現が可能です。

患者さんの入院から退院までの過程を見守り、その回復や成長に深く関われることは、大きな喜びとやりがいをもたらします。
治療の成果を直接感じられることで、自身の看護の意義を実感することができるのです。

内科看護師の魅力を理解して理想の看護師になろう

内科看護師は、患者さんとの深い関わりや幅広い知識を求められる、やりがいのある職業です。
コミュニケーション能力や観察力、長期的な視点を持つことが必要ですが、これらのスキルは日々の実践を通じて磨いていくことができます。

内科看護師ならではの魅力として、患者さんの笑顔を間近で見られることや、入院から退院までの全過程に関われることが挙げられます。
一方で、治療の成果が目に見えにくいことや、高度な医療知識が求められることなど、デメリットもあるでしょう。

これらの特徴を十分に理解し、自身の強みを活かしながら日々の看護に取り組むことで、理想の内科看護師に近づくことができるでしょう。
患者さんの健康と幸せを支える重要な役割を担う内科看護師は、医療の世界で不可欠な存在です。
内科看護師としてのキャリアを通じて、多くの患者さんの人生に寄り添い、支える喜びを感じてみませんか。

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執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国80,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

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