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男性看護師の実態とは|男女比・年収・メリットなどを詳しく解説!

「看護師に興味があるけど、男性って実際どのくらいいるの?」と悩んでいる学生や、「男性看護師として働いているけれど、悩みが多くありしんどい」などと悩んでいる看護師もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、看護現場における男女比や男性が看護師になるメリット、男性看護師ならではの悩みなどについて詳しく解説します。

看護師に興味がある男性や、男性看護師として活躍している人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

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看護師の男女比は?

まず、看護現場における男女比についての解説です。

厚生労働省の令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況では、令和2年の看護師総数1,280,911人のうち、女性が1,176,546人、男性が104,365人であると発表されています。
この結果から、総看護師のうち女性が占める割合は91.9%、男性が占める割合は8.1%と、男女比は女性に大きく傾いていることがわかります。

しかし、男性看護師数を振り返ってみると、平成22年以降年々増加していることも特徴の一つです。
平成22年には53,748人だった男性看護師は、平成28年には84,193人へと増加し、令和2年にはじめて10万人に到達しました。

女性看護師と比較して年収は高い?

厚生労働省の令和4年度賃金構造統計調査によると、男性看護師の年収は賞与を含めて約479万円であり、女性看護師は約466万円と、男性看護師のほうが10万円程度高い傾向です。

経験年数ごとの平均年収は以下のとおりです。

経験年数 男性看護師の年収 女性看護師の年収
経験年数計 約479万円 約466万円
0年 約304万円 約315万円
1~4年 約418万円 約409万円
5~9年 約464万円 約443万円
10~14年 約523万円 約460万円
15年以上 約538万円 約522万円

※各種手当や時間外労働などの所定外給与を除く(所定内給与と賞与を含む金額)

全体的に女性看護師よりも男性看護師のほうが年収が高い結果でした。
ただし、経験年数0年では、女性のほうが高いです。

年収の差はそこまで大きくありませんが、経験年数10〜14年だけは50万円以上の差です。
これは、女性が結婚や育児で離職することが多い世代であるのに対し、男性はキャリア継続による昇進なども見込めるためだと考えられます。
ただし、15年以上になると、再び男性と女性の年収差は再び狭まります。

看護師の年収についてより詳しく知りたい方は、次のページをご覧ください。

男性看護師ならではの悩みとは?

現場でなにかと重宝される男性看護師ですが、以下のように、男性看護師ならではの悩みもあります。

  • 人間関係の構築が難しいことがある
  • 女性の患者さんへの対応に困ることがある
  • 勤務できる診療科や現場が限られる
  • 男性看護師の仲間が見つけにくい可能性がある

人間関係の構築が難しいことがある

男性看護師数は増加傾向にあるものの、看護業界においてはまだまだ女性の数が圧倒的に多くなっています。
所属部署には自分以外に男性看護師がいないこともあり、女性が多い職場において人間関係を構築するのが難しい場面もあるでしょう。

女性同士の会話に入りにくいことや休憩中に居場所がないことなどに悩んでいる男性看護師もいるようです。

女性の患者さんへの対応に困ることがある

男性看護師は、女性の患者さんとの関わりに困る場面が出てくる可能性もあります。
女性患者さんのなかには、「女性の看護師に担当してもらいたい」「男性の看護師には気を遣う」などと感じる人もおり、男性看護師に対して態度に出てしまう患者さんもいるかもしれません。
頭では理解していても、そのようなときは精神的に苦痛を感じることでしょう。

勤務できる診療科や現場が限られる

男性看護師が活躍できる場は拡大しつつあるものの、男性が就業できない現場もまだまだ残っています。
例えば、産婦人科への就職は難しい傾向があり、訪問入浴やツアーナースなどの現場でも男性看護師は採用されにくい現状にあります。

男性看護師の仲間が見つけにくい可能性がある

看護現場では男性の割合が少ないため、同性の看護師仲間を見つけにくい可能性があります。
同じ部署に自分以外の男性看護師がいないこともありえるため、悩みを共有できず孤独を感じやすいかもしれません。

男性看護師のメリットは?

続いて、男性看護師のメリットについて解説します。
男性看護師ならではのメリットは以下の5つです。

  • 力仕事で戦力になれる
  • キャリアアップしやすい
  • 業務改善を図れる
  • 男性の患者さんからのニーズが大きい
  • 職場の雰囲気を改善できる

力仕事で戦力になれる

男性看護師の大きなメリットは、力仕事で戦力になれることであるといえるでしょう。
看護師の業務では、寝たきりの患者さんの介助や、身体が不自由な患者さんのサポートなど、あらゆる場面で力仕事が必要となり、男性は大変重宝されます。

また、夜勤が求められることが多い点でも体力勝負となる職業であり、男性の活躍が期待されます。

キャリアアップしやすい

女性看護師が結婚や出産、育児などで看護の現場を離れることも少なくないのに対し、男性看護師の場合は、そのようなライフイベントの際にも離職を迫られることが少ないため、キャリアアップの点で女性より有利になりやすいといえるでしょう。
努力次第では、管理職や認定看護師、専門看護師などもめざせます。

業務改善を図れる

患者さんに対してより良い看護、そして医療を提供するためには、さまざまな角度からの意見が必要です。
女性が多くなりがちな看護の現場においては、男性の意見は大変貴重なものとなります。

女性看護師から「男性看護師がいてくれて良かった」と感謝されることもあり、気持ちよく働くことができるでしょう。

男性の患者さんからのニーズが大きい

男性の患者さんからのニーズが大きいのも、男性看護師のメリットです。
特に、思春期の患者さんなど心身ともに繊細な状態にある患者さんにとっては、同性の看護師の存在は心強いでしょう。

職場の雰囲気を改善できる

女性が多く、かつ命を預かるプレッシャーなどからも、どうしても緊迫した雰囲気となりやすい看護現場ですが、男性看護師の存在が人間関係の潤滑油になり、職場の雰囲気を和やかにできる可能性があります。

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男性看護師が活躍しやすい診療科・職場は?

男性看護師ならではの強みを活かしながら、快適に働ける可能性のある診療科や職場は次の表のとおりです。

男性看護師が活躍しやすい診療科・職場 詳細
精神科 心の不調や病気を抱えた方の治療を行う場所
救急外来、救命・救急センター 救急外来:原則として、時間外に起こった不調や病気の患者さんを受け入れ、検査・治療を行う場所

救命・救急センター:重篤救急患者に対して高度な医療を提供する場所

神経内科・脳神経外科 神経内科:脳や脊髄、神経、筋肉による病気を治療する場所

脳神経外科:脳や脊髄、神経を専門として治療する場所

整形外科・リハビリテーション科 整形外科:運動器官を構成する組織の疾患を扱い、機能的改善を行う場所

リハビリテーション科:何らかの障がいをもつ患者さんに対して、日常生活を取り戻すための作業を提供する場所

手術室 手術を行う場所

これらの診療科・職場で、男性看護師が活躍できる理由を見ていきましょう。

精神科

精神科では、急性期の患者さんや病状が不安定な患者さんなどが、暴れてしまうことがあります。
患者さんや他の患者さん、そしてスタッフの安全を確保するためにも、力が強く患者さんの動きを抑えることのできる男性看護師は、活躍が期待されます。

救急外来、救命・救急センター

救急外来や救命救急センターは、重症度・緊急性の高い患者さんを24時間体制で受け入れており、体力が求められる職場です。
患者さんの体格や介助度もさまざまであるため、力仕事を得意とする男性看護師は存分に能力を発揮できることでしょう。

神経内科・脳神経外科

脳神経系の疾患を抱えた患者さんが入院する神経内科や脳神経外科では、日常生活において全般的な介助が必要となる患者さんや、麻痺を抱えている患者さんも少なくありません。
入浴介助や移乗介助などの場面において、男性の活躍が求められます。

整形外科・リハビリテーション科

整形外科やリハビリテーション科においても、日常生活において介助を要する患者さんが多く、男性看護師が大いに活躍できる現場です。

手術室

最近は、手術室における男性看護師の活躍にも注目が集まっています。
手術によっては長時間立ちっぱなしとなることも日常茶飯事です。
重い機材を使用することもあるため、腕力のある男性看護師の活躍が求められています。

男性看護師が看護の現場で円滑に働くためのポイント

男性看護師が女性の多い職場で円滑に働くためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 性別の違いに固執しない
  • 清潔感のある身だしなみを心がける
  • 悪口や噂話には加担しない
  • 信頼できる男性看護師仲間を見つける

性別の違いに固執しない

まず大切なのは、男性看護師自身が性別の違いに固執しないことです。
「自分は男だから女性の職場になじめない」「女性看護師とは距離をおきたい」などと考えず、同じ看護師として、そして職場の仲間として接しましょう。

また、人間関係に亀裂が入るもとになってしまうような、女性を見下す発言は避けましょう。

清潔感のある身だしなみを心がける

清潔感のある身だしなみを心がけ患者さんを不快な思いにさせないようにするのは、男性看護師でも女性看護師でも同じことです。
髪型やヒゲなどの外見はもちろんのこと、言葉遣いや立ち振る舞いなどにおいても、患者さんや女性看護師に不快感を与えないよう注意しましょう。
体臭や口臭へのケアも、マナーのうちです。

悪口や噂話には加担しない

どのような職場においても、性格や考え方が自分と合わない人がいたり、納得できない出来事が起こったりするものです。
特に女性が多く、仕事柄も人間関係の問題が発生しやすい看護の現場においては、悪口をいったり、噂話をしたりする人もいることでしょう。

そのような場合でも、悪口や噂話には加担しないようにしましょう。
このことは、男性看護師だけでなく女性看護師にもいえることです。

信頼できる男性看護師仲間を見つける

部署内・病院内に、信頼できる男性看護師仲間を見つけておくこともおすすめです。
心を許せる女性看護師がいたとしても、看護師として働いていれば、男性同士のほうが話しやすいことや相談しやすいことが出てくるはずです。

部署を選ぶ際に希望が出せる場合には、男性が多そうな部署を選んでみるのも良いでしょう。

男性看護師の需要はある!自分に合った職場を見つけよう

今回は、男性看護師に関して、そのメリットや悩み、活躍できる職場、円滑な人間関係を築くポイントについて解説しました。
看護ニーズが多様化・拡大し続けるなか、男性看護師への期待は高まっており、活躍できる看護現場は多くあります。

自分自身に合った職場を見つけ、看護師として楽しく働いていきましょう。

看護師をめざすにあたって、男性であることが気にかかる場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
看護師として働くやりがいや魅力を紹介しています。

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執筆者について

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