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転職活動において病院の勤務体制を確認する際に、「7対1」や「10対1」などの表現を耳にしたり、目にしたりすることがあるでしょう。
これらの数字は、看護師の勤務環境を表しており、一度確認しておくと安心です。
今回の記事では、病院の看護体制や人員配置基準を紹介していきます。
目次
7対1看護とは?
「7対1看護」とは、看護師一人が7人の入院患者さんを受け持つことを意味しています。
「7対1看護」以外に、「10対1看護」や「13対1看護」などの言葉も聞いたことがあるでしょう。
「●対1」の●は、一人の看護師が受け持つ入院患者さんの人数を示しています。
「10対1看護」や「13対1看護」と比較して、「7対1看護」では、看護師一人あたりの受け持ち患者数が少ないため、手厚い看護を提供できるメリットがあります。
「7対1看護」の病院の特徴
一人の看護師が受け持つ患者数が少ないほど、入院基本料の点数が高くなります。
■入院基本料
看護体制 | 7対1 | 10対1 | 13対1 | 15対1 |
入院基本料 | 1,591点 | 1,332点 | 1,221点 | 960点 |
一方で、上記の7対1の点数を取得するには、看護師の体制整備に加えて以下のような条件も満たさなければいけません。
- 患者さんの入院期間が18日以内
- 重症度・医療看護必要度の基準を満たす患者さんが2割5分以上
- 在宅復帰率8割以上
これらの条件を満たすために、「7対1看護」を提供できる体制の病院は、患者さんの入退院が頻繁だったり、重症度が高く手厚い看護が必要な患者さんが多い可能性があるでしょう。
急性期病院や大学病院など、医療提供体制が整っている病院に多い傾向です。
7対1看護体制|ケア対象の特徴
7対1看護体制での入院基本料を届け出ている病床数は、平成18年以降増加傾向でした。
しかし、平成26年度頃から横ばいとなり、近年ではやや減少傾向です。
出典:(令和2年度第8回) 入院医療等の調査・評価分科会 【別添】資料編
ここからは、7対1看護体制を整えている病院の患者さんの特徴を、年齢と疾患の2つの軸で見てみましょう。
入院患者の年齢層
急性期一般入院料の病床で比較してみると、7対1の看護体制を届け出ている病床には、若年の患者さんが多い傾向です。
80歳未満の患者さんの割合は、7対1の看護体制(急性期一般入院基本料1)の病床では約65%であるのに対し、看護職員が10対1以上(急性期一般入院基本料4〜7)の病床では50%以下となっています。
入院患者さんの年齢が高いほど、認知症などを含む複雑な病態を発症していたり、せん妄リスクが高かったりする可能性が高くなるでしょう。
疾患の傾向
7対1看護体制(急性期一般入院料1)の入院患者さんで、最も多い疾患は悪性腫瘍の22%です。
次いで骨折・外傷(11.2%)、肺炎(5.2%)、心不全(4.1%)、脳梗塞(3.9%)、脳出血(2.4%)となります。
悪性腫瘍の患者さんの割合が多いため、抗がん剤の投与や副作用に対する看護、緩和ケア、治療方針の決定支援などの精神的なサポートなどが求められる可能性が高いでしょう。
看護師の人員配置:7対1と3対1の違い
「7対1」と似た表現として、「3対1」も耳にしたことがあるかもしれません。
この2つの表現は、根本的な定義が異なる場合があります。
7対1
先述したとおり、看護体制を示しています。
「7対1看護体制」の病棟では、35人の患者さんが入院している場合、5人の看護師が勤務しなければいけません。
3対1
「7対1」と同様に看護体制を示しているケースと、看護師の人員配置基準を示しているケースの2通りに分かれるため注意しましょう。
看護体制を示しているケース
看護体制を示しているケースでは、看護師一人が3人の患者さんを受け持つことを意味します。
手厚い看護が必要なSCU(脳卒中ケアユニット)病棟の看護体制は、「3対1看護体制」です。
看護師の人員配置基準を示しているケース
一方で、看護師の人員配置基準を示しているケースでは、3人の患者さんに対し、1人の看護師が配属されていることを意味します。
一般病床では、「3対1」の看護師配置が必要とされており、30人の患者さんが入院している場合、10人の看護師配置が必要です。
あくまで配置基準であり、10人が常に勤務する必要はありません。
看護師の人員配置基準は以下のとおりです。
7対1看護の特徴を知り看護師の転職先を検討しよう
「7対1看護体制」を整えている病院・病床では、一人の看護師が入院患者さんを7人受け持ちます。
「10対1」や「13対1」の看護体制と比較して、手厚い看護を提供できるメリットがあるでしょう。
この看護体制と混同しやすいものとして、人員配置基準があります。
「●対1」という表現に触れた際には、どちらの用語として使用されているかを確認しておきましょう。