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看護師の認定資格制度はどのような制度?認定看護師と専門看護師の違いもあわせて解説

看護師がスキルアップを考えるにあたって、何らかの認定資格の取得を検討することが多いでしょう。
本記事では看護師の認定資格について、どのような種類があり、それぞれどのように取得できるのかを解説していきます。
認定資格の取得を考えている看護師の方は参考にしてください。

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看護師の認定資格制度にはどのような種類があるの?

看護師の認定資格制度にはどのような種類があるの?

看護師の認定資格には、以下の3つがあります。

  • 認定看護師
  • 専門看護師
  • 認定看護管理者

これら3つの資格認定制度は、いずれも日本看護協会が運営しており、質の高い医療の提供を目的とするものです。
近年の医療の高度化や専門化により、専門性の高い看護師の需要が高まっているため、認定者の数は増加しています。

認定看護師とは?

認定看護師とは、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術および知識を有する者として、日本看護協会の認定を受けた看護師のことを指します。
認定看護師の役割は、特定の看護分野における実践・指導・相談の3つです。

なお2023年現在、認定看護師の制度は移行期となっており、A課程とB課程の2つが存在しています。
A課程は従来の認定看護師で、認定看護分野は21分野ありますが、2026年度で終了予定です。
B課程は2020年に新設され、認定看護分野は19分野です。
2027年度以降は、B課程のみが残ることになります。

認定看護師の数は年々増加しており、2022年12月末時点で23,260人です。

専門看護師とは?

専門看護師とは、日本看護協会の専門看護師認定審査に合格し、ある特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有することを認められた看護師を指します。
専門看護師の役割は、専門分野における実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つです。

2022年12月時点で特定されている分野は14分野です。
2022年12月時点で3,155人の専門看護師がいます。

認定看護管理者とは?

認定看護管理者とは、日本看護協会認定看護管理者認定審査に合格し、管理者として優れた資質を持ち、創造的に組織を発展させることができる能力を有すると認められた管理者のことです。

認定看護管理者制度の目的は、以下のように示されています。

認定看護管理者制度は、多様なヘルスケアニーズを持つ個人、家族及び地域住民に対して、質の高い組織的看護サービスを提供することを目指し、看護管理者の資質と看護の水準の維持及び向上に寄与することにより、保健医療福祉に貢献します。

(引用元:日本看護協会 認定看護管理者とは

認定審査を受験するためには、5年以上の実務経験と3年以上の看護師長相当以上の経験を有し、管理者としての要件を満たすことが必要です。

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専門看護師と認定看護師の違いとは?

専門看護師と認定看護師は、名称や特定分野が定められている点で似ています。
両者の違いとしては、以下の4点が挙げられます。

  • 特定分野
  • ケアを行う対象
  • 役割
  • 資格取得における難易度

詳しく解説していきます。

特定分野が異なる

認定看護師の特定分野は移行前で21分野、移行後で19分野あります。
以下は新たな認定分野です。

  • 感染管理
  • がん放射線療法看護
  • がん薬物療法看護
  • 緩和ケア
  • クリティカルケア
  • 呼吸器疾患看護
  • 在宅ケア
  • 手術看護
  • 小児プライマリケア
  • 新生児集中ケア
  • 心不全看護
  • 腎不全看護
  • 生殖看護
  • 摂食嚥下障害看護
  • 糖尿病看護
  • 乳がん看護
  • 認知症看護
  • 脳卒中看護
  • 皮膚・排泄ケア

一方、専門看護師の特定分野は次の14分野です。

  • がん看護
  • 精神看護
  • 地域看護
  • 老人看護
  • 小児看護
  • 母性看護
  • 慢性疾患看護
  • 急性・重症患者看護
  • 感染症看護
  • 家族支援
  • 在宅看護
  • 遺伝看護
  • 災害看護
  • 放射線看護

特定分野の特徴として、認定看護師は疾患をメインとしている分野が多いのに対して、専門看護師は患者さんの属性で分野が区分されているものが多いことが挙げられます。

ケアを行う対象が異なる

認定看護師はケアの対象が患者さんであるのに対して、専門看護師は患者さんとそのご家族となっています。

具体的には、認定看護師は熟練した看護技術や知識を持ったうえで、患者さんに対して水準の高い看護を実践することが目的です。
専門看護師は、専門分野の知識・技術を深めたうえで、複雑な問題を抱える患者さんとご家族・集団に対して水準の高い看護ケアを効率良く提供し、保健医療福祉の発展、看護学の向上を目的としています。

役割が異なる

認定看護師の役割は実践・相談・指導の3つで、専門看護師の役割は実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つです。

認定看護師は、熟練した看護技術・知識を用いて水準の高い看護を実践したり、実践を通して同じ看護職に対して指導を行うことができます。
また、看護職に対して相談を受けたり、話し合ったりします。

専門看護師は、看護職だけでなく、ケア提供者からの相談や話し合いに応じることも役割です。
さらにはケア向上のために教育的役割を果たし、実践の場における研究活動を行ったり、必要なケアが円滑に行えるよう、保健医療福祉に関わる人々の調整をしたりもします。
万が一倫理的問題が発生したときには、患者さん、ご家族・集団の権利保護のために、解決を図る役割も担うでしょう。

このように、認定看護師は看護の現場で看護の質を高めるために活動を行いますが、専門看護師は看護職に留まらず、他の保健医療福祉に関わる人々との連携を行いながら、専門的な知識・技術向上のために研究活動も行っているという点で、役割が大きく異なることがわかります。

資格取得における難易度が異なる

認定看護師と専門看護師は、資格取得までの道のりも異なります。

認定看護師の場合、資格を取得するためには看護師免許取得後5年以上(うち3年以上は専門看護分野)の実務経験を経たあと、認定看護師教育機関へ入学しなければなりません。
そこから6ヵ月以上1年以内の教育期間を終え、認定試験に合格すると取得できます。

専門看護師の場合、免許取得後の実務経験が免許取得後5年以上(うち3年以上は専門看護分野)の実務経験を経てから、看護系大学の大学院で修士課程を修了かつ、26または38単位の取得が必要です。
そして単位取得後認定試験に合格すると、専門看護師の資格を取得できます。

看護師の認定資格を取得する方法

看護師の認定資格を取得する方法

看護師の認定資格を取得する方法は、すべて5年以上の実務経験と各認定試験への合格が必要となります。
ここでは、認定看護師、専門看護師、認定看護管理者で取得方法を、それぞれ見ていきましょう。

認定看護師の場合

認定看護師になるには、看護師免許取得後、5年以上(うち3年以上は認定看護分野)の実務経験を積んだのち、認定看護師教育機関に入学して学ぶ必要があります。

なお、現在は制度の移行期であるため、A課程(旧制度)とB課程(新制度)の2つが存在し、開講期間は6ヵ月~1年以内、時間数は600~800時間程度です。

認定看護師教育課程修了後は、認定看護師認定審査を受験し、合格したうえで名簿に登録すると、認定看護師になることができます。
認定看護師認定審査はマークシート方式の筆記試験と書類審査です。

なお、認定看護師取得後も5年毎の更新が必要です。
更新の際も要件があるため、認定看護師として働きながら確認しておく必要があります。

専門看護師の場合

専門看護師の認定審査を受けるためには、看護師免許取得後5年以上(うち3年以上は認定看護分野)の実務経験を経ており、なおかつ看護系大学の院修士課程を修了していなければなりません。

上記の条件を満たしたうえで審査に合格し、名簿に登録すると、専門看護師を名乗ることができます。
認定審査は論述式の筆記試験と書類審査です。

専門看護師も5年毎に更新の必要があります。
更新の際に要件があるため、事前に確認しましょう。

認定看護管理者の場合

認定看護管理者になるには、5年以上の実務経験を有し、そのうちの通算3年以上は看護師長相当以上の看護管理を経験していることが必須となります。
そのうえで、大学院で看護管理について学習し、修士以上の学位を取得、もしくは認定看護管理者教育課程のサードレベルを修了していることという要件があります。
サードレベルを修了するには、ファーストレベルから合わせて465時間分の単位取得が必要です。

上記の要件を満たしたのち、認定審査を受験し、合格して名簿に登録すると、認定看護管理者となります。
認定審査はマークシートと論述形式の筆記試験と書類審査です。

なお、認定看護管理者の資格も5年毎に更新しなければなりません。
更新には自己研鑽など要件があるため、確認しながら働く必要があります。

看護師の認定資格は3種あり各々特徴が異なる。

看護師の認定資格は認定看護師、専門看護師、認定看護管理者の3種類があり、各々目的や役割、専門分野が異なります。
資格取得を検討している方は、自分の実務経験年数やどの分野に進みたいかを考えたうえで、配属先の異動や、昇任、自己研鑽に努めて認定資格取得をめざすと良いでしょう。

認定資格取得後も5年毎の更新が必須となるため、実務経験や自己研鑽、研究などを進めながら業務にあたってください。

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