
新卒の方が看護師をめざすとき、志望動機を書くにあたってアピールできるキャリアがまだありません。
このため、学生時代の経験や自分の強みを就職先に合わせてアピールすることが大切になります。
では、どのような書き方をすれば好印象を与えられるのでしょうか。
本記事では、新卒で看護師を希望する方向けに志望動機の書き方のポイントを紹介します。
急性期病院や慢性期病院など就職先別の例文も紹介するので、参考にしてみてください。
目次
新卒看護師の志望動機は就職先に合わせる
新卒の方が看護師をめざして志望動機を書く際は、就職先の特徴に合わせた内容を盛り込むことがポイントです。
看護師の就職先は多数ありますが、看護学生が卒業後に病院またはクリニックに就職する割合は7割以上であるため、ここでは病院に絞って解説します。
急性期病院
急性期病院に分類される大学病院、高度急性期病院などで看護師として働きたい方は、志望動機のなかに以下の内容を入れると良いでしょう。
- 就職先で学べる最先端・最新の医療に対する興味
- さまざまな疾患に対するケアの知識・技術の習得
- 専門的な知識を身につけたいという向上心
特定機能病院などの付加価値のある病院を志望するときも同様に、志望先の病院で何を学びたいかを明文化してアピールしてみてください。
慢性期病院・リハビリテーション病院
慢性期病院、療養型病院やリハビリテーション病院などに対して志望動機を書くときは、次の内容を意識しましょう。
- 回復期などの慢性期病院で働く魅力・強みを書く
- 理想とする看護師像や強みに一貫性を持たせること
例えば慢性期病院で働く魅力として、患者さん一人ひとりとじっくり向き合える点などが挙げられます。
あるいは、特定の分野のスペシャリストとして長く働きたい旨をアピールすることも可能です。
中小規模の総合病院・クリニック
中小規模の総合病院やクリニックへの就職を希望する場合、志望動機では以下の内容を押さえておきましょう。
- 地域に根ざした中小規模病院ならではの魅力
- 患者さんに寄り添った医療や看護を提供していること
総合病院のなかでも中小規模の病院やクリニックは、地域密着型のサービスを強みとしています。
この点に着目して、自分の志す看護師像と関連付けてアピールするのも一案です。
理想の看護師像や入社後のキャリアについて触れる場合は、できる限り具体性を持たせましょう。
精神病院
精神病院を希望する方の場合、志望動機の書き方のポイントは次のとおりです。
- 精神病院の特性や理念に対する理解
- 精神病院で働きながら自分が学ぶべきスキルについて
精神病院では、長期にわたって患者さんのケアにあたるケースが多くあります。
この特色を理解したうえで、働きながらどのように成長したいか述べると良いでしょう。
学校の座学や実習で学んだことを活かして働きたい旨をアピールするのもおすすめです。
新卒看護師が使える志望動機の例文の紹介
新卒で看護師をめざす方の志望動機の例文を、上記を踏まえて紹介します。
どのような点に魅力を感じたのか、何を学びたいのかなどは、きちんと自分の言葉で説明できるようにしましょう。
急性期病院
急性期病院の外科で働きたい場合を想定した例文です。
特定機能病院である貴院では、高度医療の提供のための教育プログラムが充実しており、看護師として多くのことを学べると強く確信しました。
幅広い疾患に対して自発的に学ぶ姿勢も重視しながら、貴院で専門性を磨いていければ幸いです。
慢性期病院・リハビリテーション病院
慢性期病院・リハビリテーション病院を志望する場合の例文は以下のとおりです。
貴院では、地域と連携した退院支援に力を入れていらっしゃると伺いました。
そのような患者様の回復後の生活を見据えて、入院中から個別性のある看護ケアをされている点に魅力を感じています。
中小規模の総合病院・クリニック
中小規模の総合病院・クリニックを志望する場合の例文は以下のとおりです。
患者様からの信頼を大切にしながら的確なケアを提供できる看護師は、私のめざすところでもあります。
貴院に採用いただけた暁には、患者様に安心して頼ってもらえるような実力のともなった医療従事者になりたいです。
精神病院
精神病院を志望する場合の例文は以下のとおりです。
貴院では、患者さんとのコミュニケーションを通した信頼関係の構築を重視していらっしゃいます。
働くなかで患者様との接し方や寄り添う姿勢を学ばせていただきたいと思い、貴院を志望いたしました。
新卒看護師が履歴書の志望動機を書くときのポイント
新卒の方が看護師をめざして履歴書の志望動機を書くとき、次の3つのポイントを念頭に置いておきましょう。
- 就職先の特徴を理解する
- 入社後どうなりたいかを明確にする
- 熱意を見せる
それぞれ詳しく解説します。
就職先の特徴を理解する
志望動機をより魅力的に書くには、就職先の特徴を調査し理解したうえで、文章のなかに組み込む必要があります。
早期退職を避けるためにも、採用担当者は自院の理念と合致する志望者を探しているためです。
志望する診療科の基本的な業務内容や残業・夜勤の有無、給与などは事前にチェックしておきましょう。
募集要項に加えてホームページやパンフレットなども確認し、どのような人材を求めているのか見極めることが重要です。
入社後どうなりたいかを明確にする
志望動機を書く前に、理想とする看護師像やキャリアプランを明確にしましょう。
就職後に苦難に直面したとき、どのように乗り越えるかなど、より具体的な内容に触れると採用後の働き方を想像してもらいやすくなります。
ただし「昇進したい」など漠然とした目標にならないように注意が必要です。
キャリアアップのために取得したい資格や学びたい技術、それを活かして就職先にどのように貢献できるかを盛り込むとなお良いでしょう。
熱意を見せる
志望動機で熱意を見せることで採用につながる可能性もあります。
担当者は転職の可能性が低い人材を求めているため、この職場で長く働きたいという意思をアピールしましょう。
自ら学ぼうとする積極性、前向きな姿勢を見せられるような志望動機にできるとベストです。
特に医療の現場では、忍耐力や精神力が求められる場面も珍しくありません。
そのため、看護師として医療に関わることへの情熱や、タフさに自信があることを伝えるのも効果的です。
>>看護師の志望動機の例文まとめ!書き方のポイントも押さえておこう
新卒看護師が志望動機に書くのを避けたほうが良いポイント
新卒で看護師を志している方が志望動機を考える際、以下の3点については書かないほうが賢明といえます。
- 主体性が感じられないもの
- 具体性のないもの
- 立地・福利厚生に関するもの
その理由について詳しく見てみましょう。
主体性が感じられないもの
勤務時間が短い、残業が少ないなど勤務形態を理由とするものや、患者さんの急変が少ないからといった内容を志望動機に挙げると、主体性がないと判断されかねません。
就職後のミスマッチを防ぐためにも、職場環境は肝心なポイントになりますが、志望動機ではあくまでも積極的な姿勢が評価されます。
また、教育体制の充実を魅力として挙げる場合も、書き方によっては受け身だととらえられてしまうでしょう。
「教育制度も最大限利用しながら、さらに自己研鑽に励みたい」など、自分から進んで学ぶ姿勢をアピールすることが大切です。
具体性のないもの
志望動機に具体性が欠けている場合も、採用にはつながりにくくなります。
その職場でなくては実現できないことを考えて明文化しましょう。
例えば小児科病棟に配属希望であっても「子どもと関わり成長を見届けたい」のような志望動機だと、医療の現場以外でも実現できると受け取られる可能性があります。
話に具体性を持たせるには、応募先の情報を徹底的に収集し、自分のキャリアプランや強みと関連付けて、志望した理由を組み立てるのがポイントです。
立地・福利厚生に関するもの
立地や福利厚生を志望動機に書くと、自院である必要性は薄いと判断されかねません。
また、給料や休日数などの福利厚生を理由に挙げた場合、自分に都合の良い条件しか見ておらず、仕事への意欲がないと受け取られる可能性もあるでしょう。
「貴院の理念に感銘を受け志望した」なども、常套句といえますが個性がなく、印象に残りにくくなります。
理念のどのような点に共感したのか、自分の理想とする看護師像に触れながら説明できるとベターです。
新卒看護師の志望動機は熱意が伝わるように意識して書くと良い
新卒で看護師をめざす方が志望動機を書く際には、医療従事者としてのキャリアがまだ足りないぶん、学生時代に得た知識やスキルを主に伝えることになります。
話に具体性を持たせつつ、その応募先でなくてはならないという熱意もアピールすると良いでしょう。
志望動機については面接時の質問で深堀りされる可能性があります。
情報収集は入念に行い、きちんと自分の言葉で想いを伝えられるように、準備することが大切です。