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2025年問題で薬剤師が求められる役割について解説

2025年は、戦後間もない1947年〜1949年生まれの人が、揃って高齢を迎える年です。
団塊世代と呼ばれるこの世代の人口は、2022年の段階で約2,000万人近くにのぼり、将来の高齢者医療を不安視する声も聞かれます。

この問題に対し、厚生労働省は新たな医療・介護サービスの提供体制を提示。
医療機関・介護施設等だけではなく、薬剤師にも新たな役割を求める方針を打ち出しました。

今回は、2025年を迎えるにあたって薬剤師に求められる役割とはどのようなものか、詳しく解説します。

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2025年問題とは

2025年問題とは

すでに薬剤師として働いていたり、将来薬剤師をめざして準備を進めたりしていると、「薬剤師の2025年問題」というキーワードを耳にした人もいるでしょう。
2025年が示唆するのは、超高齢社会と深刻な労働人口減少による、医療・介護サービスの危機的状況です

第二次世界大戦後間もなく、日本は第一次ベビーブームにより、爆発的に人口が増加しました。
この時期に生まれた人たちが、いわゆる団塊の世代です。
1947年〜1949年に生まれた団塊の世代は、2025年には全員が75歳以上の高齢者になります。

対して、医療や介護サービスに携わる生産年齢(15〜64歳)は減少しており、2025年には次の問題に直面すると考えられます。

  • 生産年齢(労働人口)の減少で、医療・介護サービスの従事者が足りなくなる
  • 十分な医療・介護サービスを受けられなくなる
  • 高齢者の一人暮らしが増え孤立する可能性がある
  • 医療・介護費用の負担額が増加する

上記の問題に対し、厚生労働省は医療と介護を連携させた「地域包括ケアシステム」の構築を推奨。
高齢者の一人暮らしになっても自宅に住み続け、必要なときに気軽に相談・手助けしてもらえる社会をめざし、2025年問題の解決に取り組んでいます。

2025年問題で求められる薬剤師の役割

医療・介護サービスにおける2025年問題は、薬剤師の将来的な役割にも関わります。
人材不足を補うため、政府は医療・介護分野へのAI(介護ロボット等)やICT(インカム等)の導入を進めており、薬剤師の業務が機械化される可能性もゼロではありません。

薬剤師の供給数が需要数を上回っている現状を踏まえ、2025年問題を超えて活躍し続けたいなら、「人間が直接提供するからこそ可能な役割」を意識することが大切です。
2025年問題において、薬剤師に求められるであろう役割を、以下で詳しく解説します。

地域包括ケアシステムの一員としての役割

地域包括ケアシステムとは、高齢者が最期まで安心して地域で暮らせるよう、「住む」「予防する」「治療する」「介護を受ける」「生活支援を受ける」の各項目を、地域全体で支える仕組みのことです。

地域包括ケアシステムにおいて薬剤師は、「住人が気軽に健康相談できる窓口」の役割を担うほか、地域の医療機関や自身以外の薬剤師と連携をとり、より効果的な投薬を提案したり、情報の共有・提供により医療の質を高めたりします。
地域密着型で、住人の健康を見守る薬剤師の温かな対応は、人間だからこそ提供できるサービスといえるでしょう。

かかりつけ薬局としての役割

厚生労働省が、地域包括ケアシステムの構築をめざすにあたり、調剤薬局に求めるのは「かかりつけ」の役割です。
医療機関ではよく耳にする「かかりつけ」ですが、気軽に健康相談できる機能を持たせるため、調剤薬局にも「かかりつけ薬局」への移行を求め始めました。

今までの調剤薬局は、医療機関の近くに店舗を構え、薬を処方し使用方法の説明をするのがおもな役割でした。
しかし、包括ケアシステムではもう一歩踏み込み、自宅近くの調剤薬局で処方を受けるため、薬剤師と患者さんの距離が近くなります。

さらに、かかりつけ薬局で働く顔見知りの薬剤師なら、患者さんも健康相談に足を運びやすくなります。
また、24時間対応・訪問対応・かかりつけ医との連携が可能なため、高齢者でも安心して利用できるでしょう。

在宅医療・在宅看護サポートの役割

2025年問題では、在宅医療・在宅看護のサポート業務も、薬剤師の大切な役割です。
先述したとおり、地域包括ケアシステムにおける薬剤師には、地域住人の健康を見守る役割があります。
ここでの地域住人は、自宅で療養したり、介護・看護を受けたりしている人を含みます。

具体的な例を挙げると、薬剤の処方にとどまらず、処方された薬の服用状況や健康状態を確認することが必要です。
また、在宅訪問して生活状況を確認し、必要なら医療機関・ケアセンターへ連絡して、患者さんや介護を担うご家族をサポートする役割も果たします。

薬剤師が在宅医療・在宅看護のサポートをすることで、薬の間違った飲み方や飲み忘れを防げるだけではなく、より質の高い生活環境を提供しやすくなるでしょう。

予防医療の推進に向けた役割

予防医療には、健康の維持増進や病気の予防への取り組みの一つとして、症状が軽いうちに市販の薬で対処するセルフメディケーションもあります。
しかし、自分で薬を購入し服用する場合、専門知識がないため間違った薬を飲んでしまったり、重篤な症状を見逃す可能性もあるでしょう。

間違ったセルフメディケーションを回避するため、さまざまなアドバイスや指導を行うのも、地域包括ケアシステムで求められる薬剤師の重要な役割です。
例えば、次の点を確認したり指導するだけでも、地域住人の予防医療に役立つでしょう。

  • 症状をヒアリングして受診を促す
  • 患者さんのかかりつけ医に連絡する
  • 簡単な検査で症状を確認する
  • 処方箋なしで購入できる一般用医薬品のアドバイス
  • 在宅処方
  • 患者さんの生活環境確認および改善指導
  • 薬の飲み方指導
  • 経過観察
  • かかりつけ医およびほかの調剤薬局との情報提携

医療費の削減にむけた役割

包括ケアシステムにおいて、薬剤師には医療費削減の役割も期待されています。

高齢者の人口の割合は増加傾向にあるため、医療費の自己負担額増加が避けられない状況です。
薬の飲み忘れを減らしたり、予防医療を推進したりして、少しでも医療費が増大するのを防がなければなりません。

薬剤師が新たな役割を理解し、予防医療・適切な投薬・治療をアドバイスできれば、健康を維持しやすく医療費を軽減できます。
薬剤師に求められる新たな役割は、利用者の健康面でも経済面でも大きな効果をもたらすでしょう。

2025年問題に向けて自分にできることから備えよう

高齢者の大幅な増加にともなうさまざまな支障が予想される2025年問題は、薬剤師の役割にも大きな変化をもたらします。
医師の処方箋をもとに調剤するだけではなく、地域に密着した健康相談窓口として、知識と経験を活かさなければなりません。
2025年以降求められるであろう薬剤師の役割と、現在の自分の知識・キャリアを照らし合わせ、今の自分に足りない部分を新たに身につけて、2025年問題に備えましょう。

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