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保健師助産師看護師法まとめ!覚えるべき内容をわかりやすく解説

看護学生の方や看護職の資格を持っている方なら、看護学校での講義や国家試験の勉強で、誰もが保健師助産師看護師法を耳にしたことがあるでしょう。

看護職として働いていくにあたって、とても大切なことが多く書かれている法律です。
何条にもわたり書かれており、その内容をすぐに理解するのは難しいかもしれません。

この記事では、法律のなかでも特に覚えるべき内容をピックアップしてまとめ、解説していきます。

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「保健師助産師看護師法」をわかりやすく解説

「保健師助産師看護師法」をわかりやすく解説

保健師助産師看護師法とは、保健師・助産師・看護師および准看護師に関する日本の法律です。
保健師・助産師・看護師の資質を向上し、医療・公衆衛生の普及向上を図ることを目的に、昭和23年に制定されました。
略して保助看法と呼ばれています。

この法律のなかでは、それぞれの資格の定義や免許取得の条件、業務を行う際に守るべきことなどを、全5章、総則・免許・試験・業務・罰則に分けて書かれています。

名称独占や守秘義務など、身近に感じる問題についても記載のある保助看法。
保健師・助産師・看護師の資格を持ち、看護専門職として働く者として、この法律を理解し、内容を大まかにでも把握しておくことが必要です。

保健師助産師看護師法で定められた各業務について

保健師助産師看護師法で定められた各業務について

保健師助産師看護師法では、その資格の定義や業務内容についても詳しく明記されています。
ここからは、保健師・助産師・看護師のそれぞれの業務や免許の取得方法を、解説していきます。

【第二条】保健師

第二条において保健師とは、保健指導に従事することを業とする者であると定められています。
看護師がすでに病気やけがのある患者さんの治療に携わる仕事である一方、保健師は健康な人も対象に含めた予防医療をすすめていく仕事です。

  • 都道府県・市町村に属する行政保健師
  • 企業に勤める産業保健師
  • 学校に勤める学校保健師

など、働く場所ごとで業務内容は異なりますが、対象者に健康診断や健康相談を実施したり、対象全体の問題を抽出して環境改善を行ったりしています。

保健師資格を取得するためには、主に以下の2つのルートがあります。

  1. 大学看護学科で必要単位を修了、または統合カリキュラム採用の看護専門学校を卒業し、保健師国家試験と看護師国家試験を同年に受験する
  2. 看護師国家資格を取得したあと、保健師養成所か保健師養成課程がある短大に1年通う

【第三条】助産師

第三条において助産師とは、助産、または妊産婦・新生児の保健指導を業とする女子であると定められています。
女子と明記されているとおり、助産師は女性のみが就ける職です。

助産師といえば、出産時に赤ちゃんを取り上げるイメージを持つかもしれません。
出産時だけではなく、産前・産後のお母さんと赤ちゃんの体調管理や生活指導を行う役割も担っています。
妊娠中の食事指導や産後の母乳指導、退院後の生活指導も助産師の重要な仕事です。

助産師資格を取得するためには、以下の2つのルートがあります。

  1. 助産師課程のある4年制大学で必要単位を修了し、看護師国家試験と助産師国家試験を同年に受験する
  2. 看護師国家資格を取得したあと、短大・専門学校(1年)あるいは大学院(2年)で助産師課程を修了し、助産師国家試験を受験する

【第五・六条】看護師・准看護師

第五条において看護師とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者・褥婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者であると定められています。
第六条において准看護師とは、免許の出所が都道府県知事であること、看護師業務を行う際には、医師・歯科医師・看護師の指示を受けなければならないことが明記されています。

看護師と准看護師の業務内容はほぼ同じですが、准看護師は自分で判断して看護業務を行うことはできず、指示を受けなければなりません。
また、准看護師から看護師に指示を出せない点も異なります。

看護師資格を取得するためには、以下の4つのルートを経たのち、看護師国家試験を受験します。

【高校卒業後】
・4年制の大学
・3年制の短期大学
・3年制の看護師養成所

【中学卒業後】
・5年一貫看護師養成課程校

准看護師になるためには、以下の5つのルートののち、都道府県で実施される准看護師試験を受験します。

【高校卒業後】
・4年制の大学
・3年制の短期大学
・2年制の准看護師養成所

【中学卒業後】
・2年制の准看護師養成所
・3年制の高等学校衛生学科

保健師助産師看護師法で定められた守秘義務について

保健師助産師看護師法で定められた守秘義務について

第四十二条では、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない、と定められています。
看護専門職として働いていると、健康状態のみならず、生い立ちから経済状況まで、対象者のプライベートな情報に触れる場面が多くあります。

職務で知り得たプライベートな情報は、他者に漏らしてはなりません。
守秘義務を守らなかった場合には6ヵ月以下の懲役、または10万円以下の罰金という形で処罰を受けたり、訴訟に発展したりする恐れがあります。

また、看護職として働かなくなったあとや資格を失ったあとでも、守秘義務は継続しています。
軽い気持ちで他者に話したり、SNSで発信したりしないように注意してください。

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保健師助産師看護師法で定められた欠格事由について

保健師助産師看護師法で定められた欠格事由について

第九条では、免許を与えられない、取り消されてしまう場合の条件について定められています。
条件は4項目にわたって規定されており、犯罪・不正行為・心身の障害・薬物依存などがその対象です。

これらの欠格事由に該当する場合、国家試験に合格しても、保健師・助産師・看護師の免許が与えられない場合があります。
また、現職の看護師がこれに該当するような事案を起こした場合、内容に応じて①戒告、②3年以内の業務の停止、③免許の取り消し、いずれかの処分が下される恐れがあります。

十四条には、九条の欠格事由に加え、保健師・助産師・看護師としての品位を損なうような行為があったときにも、同様に処分対象となることが明記されています。
看護専門職に就く者だと自覚を持って行動するよう、日頃から覚えておきましょう。

保健師助産師看護師法の業務独占・名称独占について

保健師助産師看護師法の業務独占・名称独占について

第三十条から第三十二条では、助産師・看護師・准看護師の業務独占について規定されています。
助産師・看護師・准看護師の資格を持っていない人は、その業務に携わることができないという意味です。

一方、保健師に関しては、第二十九条で、保健師は業務独占にはあたりませんが、名称独占に該当すると定められています。
保健師の資格を持っていなくても、保健指導や健康相談などの業務は行えますが、保健師を名乗ることはできません。

その職種や資格の専門性を守り、社会的な信用を確保するために重要な規定です。
それぞれの業務範囲や業務、名称独占にどのような違いがあるかを、しっかりと理解しておきましょう。

保健師助産師看護師法、重要事項を押さえておきましょう

保健師助産師看護師法、重要事項を押さえておきましょう

保健師助産師看護師法の内容について、理解し、把握できたでしょうか。
この法律を理解し内容を遵守することは、看護を提供する対象者はもちろん、働く自分を守ることにもつながります。

法律のすべてを暗記する必要はありませんが、記事で紹介した重要事項を押さえておき、看護職に安全に従事できるよう心がけていきましょう。

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