
理学療法士は、職場の就業規則で禁止されていない限りは副業が可能です。
しかし、いざ副業を考えると、「どのような副業があるのかわからない」「確定申告が必要となる条件がわからない」と悩んでしまう理学療法士も多いのではないでしょうか。
理学療法士にはスポーツトレーナーやセミナー講師など、専門性を活かせる副業が多数あります。
また、空き時間を活用して非常勤やパート・アルバイトで働ける職場も比較的見つけやすいでしょう。
本記事では、理学療法士におすすめの副業7選と、確定申告が必要となる条件などの副業における注意点を解説します。
理学療法士の資格や技術を活かしながら副業を行いたい方は、ぜひこのままお読みください。
目次
理学療法士は副業できる?
理学療法士が副業可能であるか否かは、勤め先の就業規則次第となります。
また、就業規則で副業が禁止されていなくても、上司に許可が必要だったり、事前に申請を出す必要があったりと、職場によってルールはさまざまです。
トラブルなく副業を行うには、職場の就業規則を確認したうえで、上司に副業を行うことを事前に報告しておきましょう。
なお、副業禁止の職場で副業をしていることが露呈してしまった場合、減給処分などのペナルティが生じる可能性があります。
副業が禁止されている場合は、リスクを負ってまで隠れて副業を行うようなことはせず、一度上司に相談してみることをおすすめします。
理学療法士と作業療法士の違いを知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

理学療法士におすすめの副業7選
理学療法士におすすめする副業は次の7つです。
- スポーツトレーナー
- セミナー講師
- 独立開業
- 非常勤勤務
- パート・アルバイト
- ライター
- 番外編
ここでは、理学療法士におすすめする副業の詳細を解説します。
1.スポーツトレーナー|個人契約のフリートレーナー
理学療法士としての豊富な知識や経験があれば、個人契約のトレーナーとなる選択肢があります。
スポーツトレーナーとして、クライアントの怪我予防やリハビリ、またはパフォーマンスの向上を目的とした身体操作の指導などを行うことが可能です。
ただ、初めてのクライアント探しは難しいと感じると思います。
まずは、地元のスポーツチームなどから営業をかけてみるのが良いでしょう。
また、選手の健康管理やケガ予防の専門知識を有するアスレティックトレーナーの資格を取得すれば、フリーでの活動を有利にすることも可能です。
スポーツトレーナーとして経験を積めば、普段病棟で行っているリハビリ業務とは違うキャリアビジョンも見えてくるでしょう。
2.セミナー講師|PT向けの講座・一般の方への健康講座
理学療法士の知識や経験を活かして、同業者向けの講座や、一般の方への健康講座などを行うセミナー講師の副業もあります。
例えば次のような講座です。
- 高齢者を対象とした自治体主催での健康講座や介護予防講座
- 同業種を対象としたリハビリ業務に関する講座
セミナー講師に興味がある方は、求人サイトで情報を探すことに加え、自治体や保健所などにネットワークを広げてみるのも良いでしょう。
3.独立開業|開業権のある資格を取得して休日開業
柔道整復師や鍼灸師など開業権のある資格を取得して、休日にフリーの施術家として活動することができます。
開業の形としては、自宅の一部をサロンにしたり、備品なども同時に借りられるレンタルサロンを利用したりする方法があります。
施術に必要となるマッサージベッドやイス、タオル、その他の備品を一緒に借りられるレンタルサロンのほうが、初期費用を安く抑えられる点ではおすすめです。
4.非常勤勤務|病院・デイサービス・訪問リハビリなど
週末や休日に、非常勤として病院やデイサービス、訪問リハビリなどで副業を行えます。
普段から病院で働いている理学療法士であれば、病院での非常勤は本業の業務内容と大きな違いはありません。
病院での非常勤勤務は、理学療法士がスムーズに副業を始められる方法の一つといえます。
また、本業とは異なる領域の病院や施設、訪問リハビリなどであれば、普段とは違う患者さんや利用者さんも見ることができます。
理学療法士としての対応の幅が広がり、スキルアップやキャリアビジョンの拡大にもつながるでしょう。
5.パート・アルバイト|ジム・スポーツセンター
ジムやスポーツセンターでも、理学療法士の経験を活かして副業を行えます。
トレーナーとしてジムやスポーツセンター内でユーザーの指導にあたるだけではなく、セミナー講師の仕事につながる可能性もあります。
また、ジムやスポーツセンターのトレーナーとして経験を積み、ゆくゆくはフリートレーナーをめざす選択肢もあるでしょう。
「トレーナーに興味はあるけど個人契約のトレーナーは不安」という方は、まずはパート・アルバイトから始めるのをおすすめします。
6.ライター|専門分野の記事監修・執筆
理学療法士の専門性を活かして、ライター業を行うのも副業の選択肢の一つです。
専門的知識を活かして理学療法に関する記事を書いたり、専門家として記事を監修したりする仕事になります。
自宅で作業ができるため、就業後や休日などの隙間時間を利用した副業としてはピッタリです。
しかし、ライターとして業務を軌道にのせるには、継続して依頼を受けられるようになる必要があります。
駆け出しの場合はクラウドソーシングサイトなどを利用して、地道に実績とスキルを積み重ねていく必要があるでしょう。
7.番外編|趣味を活かした副業
リハビリ職以外にも、趣味や特技を活かした副業は多数あります。
例えば、WebエンジニアやWebデザイナー、アフィリエイターなどです。
副業につながる趣味や特技をもっているならば、クラウドソーシングサイトなどを利用して、企業などに営業をかけてみるのも良いでしょう。
趣味として育てたスキルと企業のニーズがマッチすれば、思わぬ収入となる可能性もあります。
理学療法士が副業をするうえで注意すべき点
理学療法士として副業をするうえで、確定申告を行うことと、体力的に問題がないか確認することは注意しなければなりません。
ここでは、以上2つの副業をするうえで注意すべき点を解説します。
確定申告を行う
副業は本業とは別の収入となるため、一定の条件を満たした場合に確定申告が必要となります。
副業を行っている人で、次の条件に当てはまると確定申告が必要です。
- 本業以外で複数の給与所得を得ていて、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の所得金額と、給与所得および退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える場合
- 本業以外で給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超える場合
確定申告を怠ると無申告加算税などのペナルティが生じます。
条件に当てはまった場合は必ず確定申告を行いましょう。
出典:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁
出典:No.2024 確定申告を忘れたとき|国税庁
体力的に問題はないか
副業によって体力的につらくなり、本業に支障を与えてしまわないよう注意することが必要です。
理学療法士は、患者さんの身体を支えたり体位変換を行ったりと、肉体的に負担のかかる仕事です。
疲労が溜まった状態で施術を行えば、十分なリハビリ業務が行えず患者さんに迷惑がかかってしまいます。
また、疲労ゆえに体調を崩して本業を休んでしまっては、患者さんのリハビリがさらに遅延してしまいます。
労働時間と体調を十分に管理しながら、体力的に問題のない範囲で副業を行いましょう。
理学療法士として副業を行うなら無理なくできる仕事・働き方を選ぼう
理学療法士には、専門性を活かしたさまざまな副業の選択肢があります。
スポーツトレーナーや独立開業など、普段は経験できない業務に携われば、スキルアップはもちろん、キャリアビジョンの拡大にもつながります。
ただし、条件を満たした場合は、確定申告を行う必要があることを忘れてはいけません。
加えて、体力的に負担が大きくなり、本業に支障がきたさないように自己管理をすることも大切です。
副業は本業に支障が出ないように、無理のない範囲で行いましょう。