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訪問リハビリの理学療法士の役割は?仕事内容や給料などについて解説

この記事の監修者
蔵重雄基
【資格】
理学療法士/介護支援専門員

【プロフィール】
広島大学医学部保健学科理学療法学専攻を卒業後、介護施設や整形外科クリニックに勤務。 介護予防の講師や県の地域リハビリ推進のための委員も行っている。
理学療法士と並行してライターとしても活動。 医療や介護分野での経験を活かし、さまざまなメディアに執筆中。

訪問リハビリは、理学療法士が利用者さんの自宅を訪問し、リハビリテーションを実施するサービスです。
自宅での生活を支援し、社会参加を促進することを目的としています。

訪問リハビリの対象者は、要支援または要介護の認定を受けた方です。
主治医から必要性を認められた場合に限って利用できます。

訪問リハビリの理学療法士は、他の職種と連携を取りながら、利用者さんの生活を支える重要な役割を担っています。

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訪問リハビリの理学療法士の役割

訪問リハビリの理学療法士の役割

訪問リハビリは、病院、診療所、介護老人保健施設などに所属する理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が、利用者さんのお宅を訪問してリハビリテーションを実施するサービスです。
利用者さんが自宅でできるだけ自立した生活を送り、可能な限り社会参加を行うことを目的としています。

訪問リハビリの対象者は、要支援または要介護の認定を受けた方です。
主治医から訪問リハビリの必要性を認められた場合に限ってサービスが受けられます。

自宅で生活する利用者さんを支える職種は多く、訪問リハビリの理学療法士はそれらの他職種と連携を密にとり、チームの一員として利用者さんの生活を支える役割が求められます。

訪問リハビリの理学療法士の仕事内容

理学療法士の一日のスケジュールは以下のようになります。

8:30 出勤、カルテチェック、訪問準備
9:00 利用者さんA宅訪問、リハビリ実施
10:30 利用者さんB宅訪問、リハビリ実施
12:00 昼食、カルテ記入
13:00 利用者さんC宅訪問、リハビリ実施
14:30 利用者さんD宅訪問、リハビリ実施
16:00 事業所に戻り、カルテ記入、翌日の準備
17:30 退勤

理学療法士はおもに一人で利用者さんのお宅に訪問するため、バイタルチェックや体調確認などのリスク管理も重要な仕事です。
病院や施設とは違い、利用者さんの住み慣れた自宅や周辺の環境を生かしたリハビリを実施します。

また、利用者さんに直接関わらない、以下のアプローチも含まれます。

  • 住宅改修の助言
  • 福祉用具の提案
  • ご家族への介護指導

以上の環境調整や介護指導も、利用者さんの状態やご家族の介護力に合わせて、訪問時に実施します。

訪問業務以外では、利用者さんに関わる専門職が集まって行うカンファレンスへの参加や、カルテ作成、計画書作成などの書類業務です。
事業所によっては、出退勤を事業所で行う場合と、社用車が貸与され自宅から直行直帰する場合があります。

訪問リハビリの理学療法士の給料

訪問リハビリでは、インセンティブ制度を設けている場合があり、年収が病院や施設より多くなる傾向があります。
インセンティブは訪問件数により定められ、訪問件数を増やせば増やすほど、収入も増えることになります。
ただし、事業所によってインセンティブ制度の有無は異なるため、転職前に給与制度についての事前確認が大切です。

また、訪問リハビリが給料が高い理由としては、1件あたりの単価が高い点や病院や施設のような固定費がかからない点が挙げられます。
収入アップは転職先として魅力の1つなので、就職の条件として待遇を求める場合は、訪問リハビリを検討してみるのも良いでしょう。

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訪問リハビリの理学療法士に求められる資格やスキル

訪問リハビリの理学療法士に求められる資格やスキル

訪問リハビリの理学療法士に求められる資格やスキルは、以下の3つです。

  • コミュニケーションスキル
  • 環境へのアプローチができる視点
  • 状況判断力

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

コミュニケーションスキル

訪問リハビリでは、利用者さんだけでなくご家族との関わりも多いため、高いコミュニケーションスキルが求められます。
また、利用者さんに関わる他事業所の職員や、さまざまな専門職との連携も必要不可欠です。

病院や施設でのように自事業所の職員との関わりだけでなく、外部との関わりが多くなるので、高いコミュニケーション能力が必要です。
ケアマネジャーの資格を取得することで、多職種との連携や利用者さんを多職種で支える視点が学べるでしょう。

環境へのアプローチができる視点

訪問リハビリの利用者さんは、病院や施設での入院・入所リハビリは終えたものの、病気や障がいのある要介護状態で生活しています。
そのため、心身機能や動作へのアプローチだけでなく、住み慣れた環境を活かしたり、環境を調整しながら自立を促す視点が必要です。

具体的には、歩行補助具や自助具の提案、手すりの設置や段差の解消といった環境調整などのアプローチがあります。
福祉住環境コーディネーターの資格を取得することで、環境へのアプローチの知識やスキルが学べます。

状況判断力

訪問リハビリは基本的に理学療法士が一人で実践するため、急変時や利用者さんやご家族からの質問などに現場で対応しなければなりません。
その場に応じた即座の状況判断力が求められるのです。

例えば、訪問時に利用者さんが転倒したり、体調の悪さを訴えたりした場合、救急搬送の必要性などの判断が求められます。
体調変化に関してはフィジカルアセスメントの知識・技術を身につけ、必要に応じて医師や看護師と連携しながら対応することが大切です。

訪問リハビリで働く理学療法士の施設と違う役割や仕事内容を理解しよう

訪問リハビリの理学療法士は、病院や施設とは異なる役割や仕事内容があります。

基本的に一人で利用者さんのお宅に訪問し、住み慣れた環境を活かしたリハビリを実施するため、高いコミュニケーションスキルや状況判断力が求められます。
また、環境調整などのアプローチができる視点も重要です。

訪問リハビリ独自の給与体系や、多職種との連携の必要性など、施設とは違う特徴があることを理解したうえで、理学療法士としてのスキルアップをめざしましょう。

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