栄養士は、学校や福祉施設、給食センターなど、食を扱うさまざまな場所で活躍しています。
そんな栄養士の仕事に興味があるものの、給料がどれくらいなのかと気になっている方もいるでしょう。
この記事では、栄養士の給料について詳しく紹介します。
年齢や経験年数、職場別で見た給料の違いなども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
栄養士の給料・月給・年収の平均は?
まずは栄養士の給料の平均と、初任給・賞与・手当について説明します。
給料の全体平均
令和4年賃金構造基本統計調査によると、栄養士の平均年収は379.1万円です。
月収(きまって支給する現金給与額)が約26.4万円で、年間賞与その他特別給与額が約62万円の内訳です。
一般労働者の賃金は31.2万円であるため、他の職種と比べると低めの水準となっています。
なお、事業規模別に見た年収は以下のとおりです。
- 10~99人:366.2万円
- 100~999人:375.3万円
- 1,000人以上:398.9万円
初任給・賞与・手当
栄養士の初任給の平均は、約21万円です。
ボーナスは年間で約60万円で、国家資格である管理栄養士は資格手当が月5,000~1万円ほどつくケースもあります。
あくまで一般的な例のため、働きたい職場の初任給や賞与・手当については募集要項などで確認しておきましょう。
年齢や経験年数などによる給料の違い
栄養士の資格を取得したあとの働き方は、どのように給料に反映されるのでしょうか。
年齢・経験年数・性別による栄養士の給料の差を説明します。
年齢による違い
年齢別に見た栄養士の給料は以下のとおりです。
年齢 | 給与 | 年収 |
20 ~ 24歳 | 22.2万 | 292.4万 |
25 ~ 29歳 | 24.6万 | 346.5万 |
30 ~ 34歳 | 25.1万 | 360.7万 |
35 ~ 39歳 | 26.9万 | 389.7万 |
40 ~ 44歳 | 27.4万 | 390.7万 |
45 ~ 49歳 | 29.1万 | 436.9万 |
50 ~ 54歳 | 28.7万 | 421.2万 |
55 ~ 59歳 | 31.9万 | 484.2万 |
60 ~ 64歳 | 28.7万 | 421.3万 |
65 ~ 69歳 | 30.4万 | 429.8万 |
70歳~ | 22.5万 | 287.2万 |
参考: 賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
栄養士の平均年収は、年齢を重ねるごとに上昇する傾向にあります。
40代後半には平均年収400万円を超え、ピークの50代後半では480万円程度まで上がるとのデータがあります。
60代前半からは下がり始め、その後の上昇はありません。
ただし、「年齢が高い=年収が高い」わけではなく、経験年数などの要素が影響します。
経験年数による違い
経験年数別に見た栄養士の給料は以下のとおりです。
所定内給与額 | 年収 | |
0年 | 20.9万 | 255.5万 |
1~4年 | 22.4万 | 315.4万 |
5~9年 | 24.1万 | 347.9万 |
10~14年 | 25.8万 | 372.7万 |
15年以上 | 28.5万 | 427.9万 |
参考:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
経験年数に応じて給料は上がり、0年目と15年以上で比較すると200万円近く差があります。
先述したとおり、給料に大きく影響するのは年齢よりも経験年数です。
たとえば0年目で比較すると、20~24歳が約253万円であるのに対し、30~34歳は約270万円、40~44歳は約261万円、50~54歳は約240万円とほとんど差が見られません。
性別による違い
栄養士の男女別平均年収は以下のとおりで、男性のほうが高い傾向があります。
- 男性 約424.3万円
- 女性 約374.8万円
なお、従業者数は男性が9,480人、女性が101,350人となっており、約9割を女性が占めています。
職場別の栄養士の給料は?
栄養士の給料は、職場によっても異なります。
職場別の給料に関する情報はありませんが、「管理栄養士の学歴及び職域と年収に関する疫学調査」によると、職域・最終学歴別年収は以下のようになっています。
この調査によると、医療、食育・教育、行政、研究・教育といった分野の給料が高い傾向にあるとわかります。
なかでも、大学院博士で行政、研究・教育の職に就いた場合の年収中央値は700~750万円とかなり高い水準です。
栄養士の給料をもとに自身のキャリアプランを考えよう
栄養士の給料は決して高いとはいえないかもしれません。
しかし、経験年数を積むことで給料は上がる傾向にあり、15年以上勤めた場合には年収400万円を超えることもあります。
また職域によっても給料は異なり、食育・教育の分野では給料が高めの傾向にあります。
今回紹介した給料を参考に、栄養士としての自分なりのキャリアを描いてみましょう。