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栄養士は給料が安い?気になる年収と「安い」といわれる理由を解説

栄養士になりたいと思っている人は、栄養士の年収がどのくらいなのか気になると思います。
栄養士の方から「給料が安い」という話を聞くこともあるかもしれません。

栄養士として働く人も、他の職種と比べてどうなのか、なぜ給料が安いといわれるのか、知りたいのではないでしょうか。
また、職場による年収の違いや給料をアップする方法など、現役の栄養士にも役立つ情報をまとめました。

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栄養士の給料はホントに安いの?平均年収を調査

栄養士の給料はホントに安いの?平均年収を調査

給料が安いといわれる栄養士ですが、どの程度の給料をもらっているのでしょうか。
栄養士の平均年収と他の職種を比べてみましょう。

36.9歳・勤続8.3年で約362万円

厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によれば、栄養士の平均年収は約376万円でした。
内訳は、月給25万9,200円、ボーナス64万8,500円です。

ただし、この調査では栄養士と管理栄養士の区別がありません。
一般的に管理栄養士のほうが給与が高いため、栄養士だと340万円前後と考えられます。

ちなみに、国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査では、給与所得者の平均給与は458万円です。
全職種と比べると、栄養士の年収は低いといえるでしょう。

連続したキャリアを築けるかどうかが鍵

連続したキャリアを築けるかどうかが鍵
参考:賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

栄養士の給料とボーナスを年齢階級別にみると、年代が上がるにつれて給料は少しずつアップしています。

20代前半の年収は約303万円、40代後半は約440万円です。
また、全年齢のなかで最も年収が高くなる50代後半の年収は約548万円です。

つまり、全職種の平均給与は458万円のため、比較すると栄養士の給料は決して安いとはいえません。
しかし、連続したキャリアを築くことができれば満足できる給料が得られるはずです。

新卒初任給は16~20万円程度

これから栄養士を目指す人は初任給も気になるところでしょう。
求人情報などを参照すると、栄養士の新卒初任給は月給16~20万円くらいが多いようです。
ここから社会保険料や税金などが引かれるため、手取りはさらに少なくなります。

施設や地域によっても異なりますが、最も水準が高い東京都でも基本給20~30万円、地方では16~18万円が相場です。
初年度はボーナスも少ないため、年収240~280万円ほどになると見込まれます。

栄養士になるには養成施設を卒業する必要がありますが、その学費は2年間で200~300万円です。
栄養士の養成施設は夜間部や通信教育がないため、最低でも2年間は昼間の学校に通わなければなりません。

社会人から入学する場合、2年間通学することから一度退職して学業に専念する方が多いと思います。
栄養士の給料と将来の返済のバランスを考えるなら、学費のほかに生活費を確保し、なるべく奨学金を利用せずに学校へ通ったほうがよいでしょう。

毎年1万7千人以上が栄養士になる

栄養士免許を持っている人は延べ114万人以上(令和3年度)です。平成17年以降、毎年1万7千人~2万人が新たに栄養士免許を取得しています。

栄養士の免許を取得するためには2年間通学することが条件です。
ハードルは決して低くありませんが、それほど稼げる仕事ではありません。
それにも関わらず、栄養士になりたいと考える人が大勢いるのはなぜでしょうか。

まず、栄養士免許があれば、仕事探しで苦労することが少ないからだと考えられます。
次に、栄養士の主な職場である病院、福祉施設、保育所などの公的施設は、福利厚生がしっかりしている場合が少なくないようです。

もちろん、栄養士は仕事のやりがいも感じられます。
給食や栄養指導を通して人々の健康をサポートしながら、食べる人の笑顔が見られることが栄養士の醍醐味です。

栄養士の給料が安い理由

栄養士の給料が安い理由

毎日頑張っているのに、給料が安いと感じている栄養士の方もいるでしょう。
免許および仕事の性質、男女比などから、栄養士の年収が低いと言われてしまう3つの理由を紹介します。

理由①栄養士は業務独占資格ではない

病院で働く栄養士からすると、他の医療従事者に比べて給料が安いと感じるかもしれません。
病院内では栄養士は「名称独占資格」に当たります。
つまり、栄養士免許がなければ栄養士と名乗れないだけで、栄養の指導をしたり献立を考えたり、食材を発注したりといった栄養士の業務は、栄養士以外の方でもできるのです。

一方、医師や看護師、薬剤師は「業務独占資格」といって、資格がないとできない仕事です。
業務独占資格の仕事と比べると、業務自体は誰でもできる栄養士は給料が安くなる傾向にあります。

理由②栄養士は利益を増やしにくい

栄養士は利益を増やすのが難しい職種です。
利益が上げにくい仕事なので、雇い主も給料を上げにくいと考えていることが少なくありません。

例えば、病院などの給食施設で働く栄養士の主な売上は給食費です。
病院は給食費の上限が決まっていますし、その他の施設も給食費はたいてい固定されています。
食事の数 も一人の栄養士の努力だけでは簡単に増やせるものではありません。

後述しますが、企業の利益に貢献できる栄養士なら給料や待遇も交渉しやすくなります。
自分の仕事が企業の利益にどのように貢献しているか考えるとよいでしょう。

理由③キャリアの中断

栄養士の有効求人倍率は約2倍なので就職先に困ることはありません。

ただし、栄養士は女性のほうが多い傾向にあるため、結婚や出産を機にキャリアを中断せざるを得ないことも給料が安い原因になっていると考えられます。

キャリアを中断した場合、ずっと働いていた方に比べると給料は安くなりやすいです。
栄養士の男女比が女性優位であることからキャリアの中断が起きやすく、給料が安いのではないかという意見も見受けられます。

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栄養士が収入をアップさせる方法

栄養士が収入をアップさせる方法

栄養士としてもっと稼ぎたい人はどうすればよいのでしょうか。
管理栄養士になったり転職したりと、給料をアップさせる方法があります。

管理栄養士の資格を取得する

栄養士と管理栄養士を比較すると、管理栄養士のほうが資格手当が多くもらえる傾向があります。
栄養士として働いている人はぜひとも管理栄養士国家試験にチャレンジしましょう。

管理栄養士の受験資格は、栄養士養成施設の年数と実務経験の年数を合わせて5年以上の経験があることです。
既卒者の合格率は約20%の難関試験ですが、働きながらコツコツ勉強することをおすすめします。

傷病者の栄養管理や栄養士指導、栄養サポートチームなどの業務は、管理栄養士にしかできません。
管理栄養士免許を取得したら、より待遇のよい職場で働くチャンスも増えるでしょう。

給料が高い施設・職場へ転職する

栄養士の給料は業種や施設の待遇によって異なります。

業種による違いで見ると、一般的に給食センターや病院は給与が高いです。
また、老人保健施設での栄養士の月収は平均程度ですが、近年は高齢化の影響もあり需要が高まっています。

さらに、業種による違いに加え、施設の事業規模や待遇によって給料が変わります。
希望の業種を決めたら複数の施設から求人条件を比較してみましょう。

企業や施設の利益に貢献する

企業や施設にとって利益をもたらす栄養士なら給料アップの道も開けるはずです。

例えば、施設利用者の利用率や満足度を向上させる企画提案など、栄養士の資格やスキルを活かしたアイディアを実行するのもよいでしょう。
また、管理栄養士になって論文を執筆して学会で発表し、自らの価値を高めている方も見受けられました。

栄養士と言うと、栄養バランスに配慮しながら献立を考える仕事だと思う方もいるかもしれません。
しかし、企業や施設側に利益をもたらす人材だと理解してもらえたら、自然と給料も上がっていくはずです。

栄養士はただ給料が安いだけの職業ではない

栄養士として働き出してみて、給料が安いことを不満に感じる方もいるかもしれません。業務独占資格ではなかったり利益に直結しにくいという理由から、就職や転職で評価されにくい面はあると思います。
たしかに、日本の全職種の平均年収から見ると栄養士の給料は安いです。

しかし、栄養士は相対的に見ると給料がよい傾向にあります。
例えば、キャリアを中断しているであろう40代女性を比較したとき、栄養士の方はそうでない方に比べて給料が高いです。

自分の価値を高めたり企業や施設の利益に貢献したりして、給料を上げている栄養士の方は少なくありません。
職場内での企画提案や管理栄養士の資格取得などに取り組んでみましょう。

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執筆者について

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