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公務員管理栄養士になるには?主な勤務先や求人の探し方を紹介

この記事の監修者
中村友也様_プロフィール
中村友也
【資格】
管理栄養士

【プロフィール】
管理栄養士ライター。 管理栄養士養成課程を卒業後、新卒で高度急性病院で栄養管理、栄養指導に従事。その後独立し、現在は管理栄養士としての知識や経験を活かし、ライターとして健康、栄養ジャンルの記事を執筆。

公務員管理栄養士は、国や地方自治体に所属し、国民の健康増進と疾病予防のために活動する専門職です。
安定したキャリアを築きながら、社会貢献度の高い仕事ができる魅力的な職業です。
この記事では、公務員管理栄養士の仕事内容や就職先、なり方について詳しく解説します。

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公務員管理栄養士とは

公務員管理栄養士とは、国や地方自治体に所属し、国民の健康増進と疾病予防のために活動する管理栄養士のことです。
管理栄養士の資格を持ち、行政機関や公的施設において、栄養や食に関する専門的な知識と技術を活かして働きます。

国や地方自治体の健康・栄養施策の立案や実施、栄養指導、食育推進など、公衆衛生の向上に重要な役割を果たしています。
管理栄養士のなかでも、特に公務員として安定したキャリアを築くことができ、社会貢献度の高い働き方ができるのが特徴です。

公務員管理栄養士の種類

公務員は国家公務員と地方公務員の2種類に分かれており、管理栄養士が公務員として働く場合も同様です。
主な違いは以下のとおりです。

項目 国家公務員 地方公務員
勤務場所 厚生労働省、国立病院など 県庁、保健所、公立病院、公立学校など
給与 地方公務員より高め 国家公務員よりやや低め
休日 年間休日120日前後 年間休日120日前後
異動・転勤 転勤あり 自治体内での異動のみ

国家公務員

国家公務員とは、国の機関で働き、行政業務や公共サービスの提供といった政府の運営に携わる職員のことです。
具体的には、厚生労働省や文部科学省、自衛隊などの国の機関で、国民の健康増進や疾病予防、食育推進などの業務を行います。
管理栄養士としての実務経験を求められることがあるため、希望する機関のホームページなどで、受験資格を満たしているか確認しておきましょう。

地方公務員

地方公務員は、国家公務員より地域に密着した仕事です。地方公務員は自治体・地方公共団体で働き、地域の人びとの暮らしがより良くなるよう指導、教育を行います。
例えば、保健所や保健センター、学校、病院、福祉施設など、地域住民の健康を支えるさまざまな場所で活躍します。

公務員管理栄養士の主な勤務先

公務員管理栄養士の主な勤務先には、公立病院、公立学校、保健所・保健センター、厚生労働省・消費者庁・農林水産省・国立研究所などがあります。
それぞれの勤務先で求められる役割や仕事内容が異なるため、自分に合った職場を見つけることが重要です。

公立病院

病院に勤務する管理栄養士は「病院栄養士」と呼ばれています。
主な仕事内容は入院患者への栄養管理・栄養指導と食事の提供です。
給食の運営方法によっては、献立作成や食材の発注、調理などの給食管理業務も行います。

また、入院されている患者さんは、食が細くなったり、病気のため思うように食事がとれなかったりすることも珍しくありません。
食事をうまく摂取できない飲み込めない方に、食べやすく飲み込みやすい食事を提供することも管理栄養士の重要な役割です。
他にも、糖尿病などの生活習慣病を持つ方は、退院後も自身で栄養管理をする必要があるため、ご本人やそのご家族に栄養指導を行うことも重要な業務です。

公立学校

学校で働く栄養士は「学校栄養士」と呼ばれます。
学校栄養士には学校栄養職員と栄養教諭の2つがあります。
それぞれを比較してみましょう。

   学校栄養職員 栄養教諭
仕事内容 ・給食の献立作成
・衛生管理
・給食だよりの作成
・食育
・食事の相談指導
必要な資格 ・管理栄養士 ・管理栄養士

学校栄養職員

主な業務は学校給食の献立作成と調理です。
学校栄養職員は、成長期の子どもたちに必要な栄養素が補給できる、栄養バランスの整った給食を提供するのが主な仕事です。
そのためには、予算と相談しながら献立を作成し提供することが求められます。

他にも、学校給食では、子どもたちが食べやすい大きさに野菜を切ったり、アレルギーのある子どもたちに配慮した献立を作成したりすることも必要です。
また、給食室や配膳環境の衛生面にも目を配りながら、子どもたちが安心して楽しめる食事を提供します。

栄養教諭

栄養教諭は、教員免許を持ち「教諭」として働くことができる、比較的新しい仕事です。

栄養教諭は献立作成や調理、食に関する授業などが主な仕事です。
その他、給食の時間や家庭科、保健体育の授業などを利用して、食事マナーや食の大切さ、食べ物の働きなどを子どもたちに伝えます。

保健所・保健センター・役所

保健所や保健センター、役所などで働く管理栄養士は行政栄養士と呼ばれ、地域住民の健康づくりが主な仕事です。

保健所で働く行政栄養士は、給食施設の指導や各市町村への技術的支援など、公衆衛生活動の中心的な役割を担います。
また、国民健康・栄養調査の実施など、国の施策に基づいた業務が多いです。
一方、保健センターや役所で働く行政栄養士は、乳幼児健診や、地域の栄養改善、健康寿命の延伸や健康格差の縮小などを目標に、地域住民へ食事のアドバイスなど、地域に密着した業務を行います。

他にも、災害時のサポートも行政栄養士の大切な役目です。
被災地の住民へのボランティアによる炊き出しや適温食の提供、実際の災害時の対応を例に今後の災害の発生に備えるなどをします。

厚生労働省・消費者庁・農林水産省・国立研究所

これらの機関で働く管理栄養士は「栄養系技官」と呼ばれます。
栄養系技官とは、国家公務員の技術職員のうち、管理栄養士の資格を持ち、食品衛生、栄養指導、食育などの分野で働く専門職のことです。

栄養系技官は、管理栄養士の専門的知見を活かし、栄養施策の企画や食品表示の適正化、食育推進など、国レベルの取り組みに携わります。
「国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所」などの研究機関では、栄養系技官が最新の栄養学の知見を得るための研究を行い、国民の健康増進に寄与しています。

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公務員管理栄養士になるには

公務員管理栄養士になるためには、まず管理栄養士の資格を取得し、その後公務員試験に合格する必要があります。
以下、具体的な手順を説明します。

管理栄養士の資格を取得する

管理栄養士の資格を取得する

公務員管理栄養士になるためには、まず管理栄養士国家試験に合格し、資格を取得しなければなりません。

厚生労働省指定の管理栄養士養成課程(大学や専門学校など)を修了後、管理栄養士国家試験に合格することで資格を取得できます。
栄養士資格を持っている場合は、実務経験を積むことで管理栄養士の国家試験を受験できます。

公務員管理栄養士の求人を探す

管理栄養士の資格を取得後、または取得見込みの段階で国家公務員や地方公務員の管理栄養士の求人情報を探します。
公務員の栄養士の求人を探すには、以下の方法があります。

  • インターネットで求人サイトを利用する
  • 各自治体のホームページを確認する
  • 広報誌を見る

・インターネットで求人サイトを利用する

自宅でも外出先でも気軽に見られる求人サイトは、情報量も多く常に新しい情報が掲載されるので便利です。
公務員の栄養士の募集は少ないので、定期的にチェックすることをおすすめします。

・各自治体のホームページを確認する

志望する自治体のホームページは確認しましょう。求人サイト同様、新しい情報をすぐに確認できます。

・広報誌を見る

自宅に配達される市や町の広報誌はさまざまなイベント情報とともに求人情報も掲載されています。
月に一度配達されるので目を通しておきましょう。

公務員試験に合格する

求人情報をもとに志望先を決定し応募したら、公務員試験を受けます。
試験内容は自治体ごとに異なり、一般教養試験、専門試験(栄養学関連)、面接などが含まれます。

特に管理栄養士としての専門知識が問われる試験が多いため、資格取得時の知識を活用しましょう。
試験に合格して採用されれば、公務員管理栄養士として幅広い業務に携わることができます。

公務員管理栄養士に関するよくある質問

ここでは、公務員管理栄養士をめざす人からよく寄せられる質問について回答します。

公務員管理栄養士の年収は?

管理栄養士の平均年収は350万〜400万といわれていますが、公務員管理栄養士は一般的に民間企業で働く管理栄養士よりも高い傾向にあります。

公務員として働く管理栄養士の場合、勤務先や経験年数によって年収が大きく変動する傾向があるほか、地方公務員は勤務地の地域によっても影響を受けます。

公務員管理栄養士は安定した年収と、充実した福利厚生が魅力といえるでしょう。

公務員管理栄養士になるのは難しい?

公務員管理栄養士になるには、管理栄養士の資格取得に加えて公務員試験合格が必要であり、一定の難易度があります。
2024年の管理栄養士国家試験の合格率は49.3%でした。

公務員試験の倍率は職種や自治体によって異なりますが、競争率は高いです。
公務員管理栄養士になるためには管理栄養士の資格取得から始まり、倍率の高い公務員試験に合格する必要があるため、全体的に見て難易度は高いといえるでしょう。

公務員管理栄養士には何歳までなれる?

公務員管理栄養士の応募要件として、年齢制限を設けている自治体も少なくありません。
年齢制限は、自治体によって異なりますが、一般的には30歳前後を上限としている場合が多いです。

ただ、最近では年齢制限が緩和される傾向も見られ、35歳まで受験可能な自治体も増えてきています。
具体的な年齢制限は各自治体の採用試験の要項に記載されているため、受験を希望する自治体の求人情報を確認することが大切です。

正しい情報を集めて公務員管理栄養士をめざそう

公務員管理栄養士は、国民の健康増進と疾病予防に重要な役割を果たす専門職であり、社会に貢献できるやりがいのある仕事です。
公務員管理栄養士をめざすには、管理栄養士の資格取得と公務員試験合格が必要であり、それぞれの試験に向けた十分な準備が求められます。

多様な勤務先や業務内容があり、自分に合った職場を見つけることが重要です。
求人情報には、職場の種類や業務内容、必要な資格や経験、給与や勤務条件など、重要な情報が記載されています。
自身の条件に合った求人を探して、公務員管理栄養士をめざしましょう。

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執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国80,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

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