管理栄養士は、食や栄養に関する国家資格を持ち、献立作成や栄養指導を行う仕事です。
管理栄養士を目指す受験生は、管理栄養士養成課程のある大学への進学がその第一歩になります。
この記事では管理栄養士養成課程のある大学を、国立・公立・私立に分けて紹介します。
どの大学に進学するか迷っている受験生は、ぜひ参考にしてください。
目次
管理栄養士を目指すならこの大学!おすすめ国立大学ランキング
国立大学で管理栄養士養成課程のある大学は以下の3校です。
- お茶の水女子大学
- 奈良女子大学
- 徳島大学
国立大学は難関ですが、学費を抑えたい方、就職に強い大学へ通いたい方にはおすすめです。
大学名 | 学部(学科) | 2022年度入試 偏差値 (河合塾) |
2021年 管理栄養士 国家試験 合格率 |
お茶の水女子大学 | 生活科学(食物栄養) | 62.5 | 100% |
奈良女子大学 | 生活環境(食物栄養) | 57.5 | 100% |
徳島大学 | 医(医科栄養) | 50.0 | 100% |
お茶の水女子大学
お茶の水女子大学には、生活科学部食物栄養学科に管理栄養士養成課程があります。
食物について、科学的概念と実践的知識を身につけた食物栄養学の専門家育成を目指しており、実験実習を重視したカリキュラムが特徴です。
管理栄養士国家試験合格率は、2019年94.6%、2020年97.3%と上昇し、2021年には100%を達成しています。
奈良女子大学
奈良女子大学には、生活環境学部食物栄養学科に管理栄養士養成課程があります。
管理栄養士国家試験合格率は、2019年から3年連続100%であり、国立大学随一の実績を誇っています。
食物栄養学科の就職率も2016年度から5年連続100%を達成しており、就職に強い大学です。
徳島大学
徳島大学には、医学部医科栄養学科に管理栄養士養成課程があります。
医学部に管理栄養士養成課程がある利点を活かし、附属病院で実習が行えることが特徴です。
医科栄養学科の定員人数は50名と少人数ですが、学生のうちから実践的な経験を積める魅力的な環境といえるでしょう。
また、シドニー大学をはじめとする海外の大学との交流も盛んなため、海外で栄養学を学べるチャンスもあります。
人気の大学はこちら!おすすめ公立大学ランキング
公立大学で管理栄養士を目指す人は、以下が候補にあがります。
- 神奈川県立保健福祉大学
- 大阪公立大学
- 静岡県立大学
- 岡山県立大学
- 滋賀県立大学
国立大学と同じく学費が安く、国立大学よりも学校の選択肢が多いのが公立大学の特徴です。
大学名 | 学部(学科) | 2022年度入試 偏差値 |
2021年 管理栄養士 国家試験 合格率 |
神奈川県立保健福祉大学 | 保健福祉(栄養) | 63 | 100% |
大阪公立大学 | 生活科学(食栄養) | 57.5 ※均等型 |
大阪市立大学 97.2% 大阪府立大学100% |
静岡県立大学 | 食品栄養科学(栄養生命科学) | 50.0 | 100% |
岡山県立大学 | 保健福祉(栄養) | 45.0 | 97.9% |
滋賀県立大学 | 人間文化(生活栄養) | 52.5 | 96.8% |
神奈川県立保健福祉大学
神奈川県立保健福祉大学の管理栄養士国家試験合格率は、2019年から3年連続100%という輝かしい実績を誇ります。
この大学の特徴は、実習回数の多さです。
文部科学省が設ける基準では4週間ですが、神奈川県立保健福祉大学では最低でも8週間、最大13週間の実習を受けられます。
医療機関や保健施設など実践的なスキルを身につけたいという方にはオススメの環境といえるでしょう。
また、他学科の生徒と交流を通じながら実習を行うため、管理栄養士として重要な連携力を磨けるカリキュラムも特徴です。
大阪公立大学
大阪公立大学は、大阪市立大学と大阪府立大学が統合し、2022年4月に誕生予定の新しい大学です。
2025年には森之宮キャンパスも誕生予定で、将来性が期待されます。
2021年の管理栄養士国家試験合格率は、大阪市立大学生活科学部食品栄養学科が97.2%、大阪府立地域保健学域総合リハビリテーション学類(栄養療法学)が100%と高い水準です。
民間企業との共同研究実績数は576件と、公立大学でトップの数字です。
フィールドワークや地域貢献活動といった現場での実践を重視している大阪公立大学なら、在学中から高い水準で学べるでしょう。
静岡県立大学
静岡県立大学は他の大学と比較すると学生に対する教員の数が多いため、少人数教育が徹底されています。
2021年の管理栄養士国家試験合格率は100%であり、質の高い教育の成果が数字にも現れています。
管理栄養士のスキル向上を目的とする大学院との連携プログラムが用意されていることに加え、大学院へ進学した場合は最大6ヵ月のインターン研修に行くことも可能です。
面倒見の良い環境で管理栄養士を目指したい人にとって、このうえないメリットでしょう。
岡山県立大学
学生二人に対して一人の教員が在籍しており、質の高い教育が期待できます。
2013年からは岡山県拠点のスーパーマーケット「ハローズ」と「栄養バランス弁当」を共同開発しており、2021年には第9弾が発売されました。
貴重な体験を通してスキルを積みたい人は、岡山県立大学を選択肢に入れてみてください。
滋賀県立大学
滋賀県立大学は一学年30名の少人数教育と充実した実習・実験設備が魅力です。
従来型の調理実習室から、100食を超える大量調理も可能な大規模実習室まで兼ね備えています。
通常の実験室に加えて、目的別の実験室も用意されているため、有意義な学びを得られることでしょう。
多様なカリキュラムが魅力!おすすめ私立大学ランキング
私立大学の魅力は、学校の選択肢の多さとカリキュラムの豊富さです。
大学名 | 学部(学科) | 2022年度入試 偏差値 |
2021年 管理栄養士 国家試験 合格率 |
東京家政大学 | 栄養(管理栄養) | 57.5 ※統一地区 |
96.6% |
日本女子大学 | 家政(食物-管理栄養士) | 62.5 ※個別2教科 |
96.7% |
椙山女学園大学 | 生活科学(管理栄養) | 47.5 ※A2教科 |
92.4% |
神戸女子大学 | 家政(管理栄養士養成) | 45.0 ※前期A2科目型 |
90.4% |
名古屋学芸大学 | 管理栄養(管理栄養) | 57.5 ※前期2科目 |
98.8% |
東京家政大学
東京家政大学における栄養士養成教育の実績は67年あり、2022年からは栄養学部としてスタートします。
2021年卒業の旧家政学部栄養学科管理栄養士専攻では、卒業生の半数が管理栄養士として就職しました。
就職サポートも申し分ないことがうかがえます。
東京家政大学が認定する大量調理施設HACCP管理者資格は、食品衛生に関する科学的・専門的な知識があることを証明する資格です。
食の安全に厳しい食品製造業への就職には特に有利に働きます。
日本女子大学
全国ではじめて女子高等教育機関として誕生した日本女子大学。
私立女子大学で唯一理学部がある大学としても知られています。
日本女子大学では、医療チームの一員として活躍できる人材の育成を目指しています。
伝統ある歴史をバックヤードに、社会貢献度の高い自立した女性を目指すには最適な学習環境が整っています。
椙山女学園大学
椙山女学園大学は、在学中4年間にわたって国家試験対策が行われています。
試験直前まで充実したサポートを期待できるでしょう。
全員受験・全員合格を目指しており、2021年の合格率は92.4%でした。
100名以上が受験し、合格率90%を超える大学は限られます。
神戸女子大学
神戸女子大学では、高校で文系選択だった学生には特別講義が設けられており、1年次で化学と生物の学習不足を補うことが可能です。
キャリアサポートセンターでは就職活動を控える学生に全員面談を行っています。
国内外に100施設以上の実習先を持ち、国家試験合格まで充実したサポートが受けられます。
名古屋学芸大学
名古屋学芸大学は、食に関するコンテストへ多数出場しています。
2020年の代表的な実績として、「第15回食育推進全国大会inあいち」という全国規模の料理レシピコンテストで、見事最優秀賞を受賞しています。
2021年夏、東海地区にあるローソンの一部店舗では名古屋学芸大学の学生が考案した「ドン・ビビンパ」というコラボ弁当を発売。
イオンモール長久手との連携協定など、地域に根差した社会貢献を行っています。
学びたいと思える大学で管理栄養士を目指そう
2021年管理栄養士国家試験の全国平均合格率が64.2%であることを考えると、今回紹介した大学の合格率がいかに高いかわかるでしょう。
とはいえ、合格実績や大学のネームバリューだけが志望校を選ぶ基準ではありません。
どのような環境で学びたいのか、何が学べるのか、学費や通学の可否など考慮すべきポイントは多くあります。
気になる大学があれば資料を取り寄せたり、ホームページで調べたりして、あなた自身が学びたいと思える大学を見つけましょう。