
管理栄養士の資格を持っているけれど、将来のキャリア選択に悩む方もいるのではないでしょうか。
近年、美容と健康への意識の高まりから、化粧品メーカーでも管理栄養士の専門知識が活かせるようになっています。
内側と外側の両面からサポートできる化粧品メーカーは、美容に関心が高い管理栄養士にとって理想の職場といえるでしょう。
本記事では、化粧品メーカーで働く管理栄養士の仕事内容や給料相場、必要なスキルなどを紹介します。
目次
管理栄養士は化粧品メーカーでも活躍できる
管理栄養士のスキルを活かして、化粧品メーカーで活躍することは可能です。
管理栄養士の主な就職先は、医療機関や福祉施設、教育機関などのイメージが強いかもしれません。
しかし、化粧品メーカーをはじめとした美容業界でも、管理栄養士の活躍の場が広がっています。
美容業界で需要が増えている要因の一つは、身体の内側から調子を整えて健康な状態を保つ、インナービューティーが一般的になりつつあることです。
そのため化粧品メーカーにおいて、商品の企画・開発・営業などの業務で、管理栄養士の専門知識が活かせるでしょう。
化粧品メーカーで働く管理栄養士の仕事内容
化粧品メーカーで働く管理栄養士は、主に以下の業務に携わります。
- 商品企画
- 研究・開発
- 広報・営業
以下で詳しく解説するので、化粧品メーカーでどのような仕事を行うのか理解しましょう。
商品企画
化粧品メーカーでの管理栄養士の業務に、商品企画が挙げられます。
商品企画とは、消費者のニーズを分析し新たな消費を生み出す仕事で、主に行う業務は以下のとおりです。
- 市場調査
- トレンド分析
- 企画の立案
- 商品デザインの決定
商品企画では、まずターゲット層のニーズの調査と分析を行います。
そして市場のニーズをもとにアイデアを立案し、企画が通れば研究・開発に進む流れです。
また、商品のコンセプトをもとに、パッケージのデザインを検討し試作品を作成する仕事にも携わります。
研究・開発
管理栄養士の栄養学の知識を活かして、商品の研究や開発を行うケースもあります。
研究・開発で行う業務は、以下のとおりです。
- 成分の研究・分析
- 成分配合の検討
- 製造ラインの調整
- 新商品の設計や既存商品の改良
企画書をもとに、使用する成分の調査や配合を検討し、試作品を作成します。
試作品が完成したら、安全性を検証して改良を繰り返し、最適な製品を開発する流れです。
さらに、商品を製造するにあたっての製造ラインの調整も行います。
広報・営業
企画・開発によって生まれた製品の広報活動や営業にも、管理栄養士が従事する場合があります。
主な業務は、さまざまなメディアを通じた製品情報の発信や、販売促進のための売り込みなどです。
例えば、Webサイトで美容に効果的なレシピの提案をするといった、管理栄養士目線での発信でスキルが活かせると考えられます。
化粧品メーカーで働く管理栄養士の給料相場
厚生労働省の調査による管理栄養士としてのデータはありませんが、栄養士の月収や賞与は、次のようになっています。
栄養士の月収 | 約255,500円 |
栄養士の年間賞与 | 約609,600円 |
上記のケースから栄養士の年収を計算すると、約370万円となりました。
なお、管理栄養士の給与は、勤務先によって変動する場合があります。
管理栄養士が化粧品メーカーで活躍するために必要なスキル
管理栄養士が化粧品メーカーで活躍するためには、以下のスキルが必要と考えられます。
- 栄養・美容に関する知識
- 希望の就職先に合わせたスキル
化粧品メーカーでの就労を希望する場合には、以下のスキルを磨いておきましょう。
栄養・美容に関する知識
化粧品メーカーでの仕事には、栄養や美容に関する深い知識が求められます。
例えば、食事から摂取する栄養素が肌の健康に与える影響や、化粧品成分の美容効果に関して理解しておく必要があるでしょう。
また上記の知識に加えて、美容に関する以下の知識も身につけておくと役立つと考えられます。
- 肌の構造や機能
- 適切なスキンケア方法
美容や栄養学に関する書籍を読む、インターネットを活用するなどの方法で、知識の向上を図りましょう。
希望の就職先に合わせたスキル
管理栄養士にとって、希望の就職先に合わせたスキルを磨いておくことも重要です。
化粧品メーカーに勤務するにあたっては、ビジネスマナーはもちろんコミュニケーションスキルやプレゼンスキルなども必要になります。
また、市場にあった商品を見極めるマーケティングスキルも求められるでしょう。
自分の目標に向けた、適切なスキルの習得をめざしましょう。
化粧品メーカー以外で管理栄養士のスキルを活かせる美容系の就職先
化粧品メーカー以外で、管理栄養士のスキルが活かせる可能性のある美容系の就職先は、次のとおりです。
- 食品メーカー
- エステ・美容サロン
以下で詳しく解説するので、美容業界で就労を検討する際の参考にしてください。
食品メーカー
管理栄養士の資格を活かしやすい職場として、食品メーカーが挙げられます。
美容系のさまざまなサプリメントや健康食品などを発売している食品メーカーでは、管理栄養士を必要とする場合があるためです。
化粧品メーカーと同様に、栄養学の観点に基づいた商品の企画や開発、広報などの業務において管理栄養士のスキルが活かせるでしょう。
エステ・美容サロン
エステサロンや美容サロンでも、管理栄養士を採用しているケースがあります。
なぜなら、美容効果の向上のためには、外側だけでなく内面からのアプローチも重要だと考えられているためです。
食事メニューや最適なサプリメントの提案などを行うサロンもあるため、サービスの実施には管理栄養士の栄養学と知識を活かしたカウンセリングが必要と考えられます。
管理栄養士の資格は化粧品メーカーで活かすこともできる
美容業界では、内面からのアプローチによる美肌効果に注目が集まっていることもあり、管理栄養士の活躍の場が広がっています。
そのため管理栄養士の資格を持ち、スキンケアや美容に関心がある方は、化粧品メーカーへの就労を検討するのも一案です。
管理栄養士が化粧品メーカーに就職した場合、商品企画や研究開発、広報活動などさまざまな分野で活躍できる可能性があります。
本記事の内容を参考に、自分に合う職場を吟味し、管理栄養士のスキルが活かせる仕事を見つけてください。