登録販売者の試験に出てくる漢方を覚えるのに苦労している方は多いのではないでしょうか?
漢方は漢字の名前が覚えにくく、日本で使用されているものだけで約150種類もあるため、諦める方もいるかもしれません。
しかし、登録販売者の試験に出てくる漢方は、効率的に勉強すれば意外と解答できます。
この記事では、登録販売者の試験に出題される漢方の覚え方について解説します。
目次
登録販売者試験に向けた漢方・生薬の覚え方のポイント
登録販売者の試験では、漢方の範囲は覚えることが膨大なうえ、問題の出題数が少ないため、漢方の範囲を諦める方もいるかもしれません。
実際の出題数は、第三章の40個の問題中、3~5問程度です。
しかし、登録販売者の試験で出題される漢方は限られているため、うまく対策できれば解答できる確率が上がります。
対策として、頻出の漢方は必ず押さえる・漢字から連想する・語呂合わせで覚えるなど、工夫して効率的に覚えることが大切です。
具体的にどうやって漢方の勉強をすれば良いのかを、見ていきましょう。
登録販売者試験で役立つ!具体的な漢方・生薬の覚え方
登録販売者の試験に出題される漢方には頻出のものがあります。
頻出の漢方を把握して、効率的に覚えましょう。
登録販売者の試験で漢方を勉強する際の、具体的な覚え方を解説します。
頻出の生薬をおさえて覚える
登録販売者の試験には、頻出の漢方が3つあります。
頻出漢方を含む漢方も、合わせて覚えておくと良いでしょう。
漢方は出題範囲が膨大なので、「何から勉強すればいいかわからない」という方は、とりあえずこの章で紹介する漢方だけでも覚えておくのがおすすめです。
頻出生薬一覧
試験に頻出の、必ず知っておきたい漢方を3つ紹介します。
- 甘草(カンゾウ)
かぜでのどが痛いとき・せき・咽頭通・口内炎などに作用します。 - 麻黄(マオウ)
かぜの初期・気管支炎などに作用します。 - 大黄(ダイオウ)
便秘・肥満・炎症症状などに作用します。
出典:登録販売者必見!記憶に残る漢方・生薬の覚え方|チアジョブ登販
この3つの漢方は登録販売者の試験で頻出なので、必ず覚えるようにしましょう。
また、関連の漢方も試験ではよく出題されます。
頻出生薬を含んだよく出る漢方
頻出の甘草・麻黄・大黄の漢方が含まれる漢方も、登録販売者の試験ではよく出題されます。
ここでは、どの漢方に何が含まれているか、効果効能と合わせて表にまとめました。
漢方 | 甘草 | 麻黄 | 大黄 | 効果・効能 |
芍薬甘草湯 (シャクヤクカンゾウトウ) |
〇 | 〇 | こむらがえり・筋肉のけいれんなど | |
釣藤散 (チョウトウサン) |
〇 | 頭痛・慢性的なめまい・肩こりなど | ||
麦門冬湯 (バクモンドウトウ) |
〇 | のど・咳など |
出典:登録販売者試験の漢方・生薬の覚え方は?ゴロや成分表を使った覚え方を解説|資格Times
頻出の漢方は、表にすると何にどれが入っているかが覚えやすいです。
一覧にして、どの成分がどの漢方に含まれているか、視覚的に見やすいかたちで覚えましょう。
キーワードを抑えて覚える
漢方には証(しばり)があり、証をキーワードとして漢方と一致させ覚えるのがおすすめです。
証とは、体質や体力、抵抗力など個人の体調の状態をあらわすものです。
試験では、漢方と証はセットで出題されることが多いため、キーワード漢方とセットで覚えると効率的に解答できます。
例として、風邪症状に用いられる漢方と証のキーワードを紹介します。
風邪症状に用いられる漢方と重要キーワードまとめ
漢方 | 重要キーワード(証) |
葛根湯(カッコントウ) | 感冒の初期 汗をかいていない 肩こり |
麻黄湯 | ふしぶしが痛い |
小柴胡湯(ショウサイコトウ) | 白苔 インターフェロンとの併用で間質性肺炎 |
小青竜湯(ショウセイリュウトウ) | 水溶淡 花粉症 |
桂枝湯(ケイシトウ) | 汗が出る |
麦門冬湯(バクモンドウトウ) | 淡のきれにくい咳 |
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ) | 気分がふさぐ 勇逸カンゾウ・マオウを含まない |
出典:【登録販売者独学勉強方法】頻出漢方50個の暗記項目と覚え方(語呂合わせ)【第3集中対策講座4限目】
キーワードで覚えると、「このキーワードがきたらこの漢方」と解答できるため、効率的に解答できます。
漢字から連想して覚える
漢方は、漢字から連想できるイメージから解答できることが多々あります。
そのため、見覚えのない漢方が出題されても、漢字からイメージして解答できることも少なくありません。
例えば、漢方に辛が入っていれば、鼻の症状というのがイメージできるので、作用は鼻に関係したものだと想像できます。
このようにイメージから解答するテクニックを覚えておくことは、非常に効率的です。
下記に、漢字から連想できるイメージを使用して解答できるものをまとめました。
薬の名前から作用をイメージするテクニック
漢字 | イメージ | 漢方 | 作用 |
辛 | 鼻の症状 | 辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ) | 鼻づまりや蓄膿症など |
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい) | 鼻づまりや慢性鼻炎、蓄膿症など | ||
補 | 体力や元気を養う | 補中益気湯(ホチュウエッキトウ) | 虚弱体質・疲労・食欲不振など |
十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ) | 疲労倦怠感・貧血・食欲不振など | ||
中 | お腹の症状 | 安中散(アンチュウサン) | 胃痛・胸やけ・吐き気など |
小建中湯(ショウケンチュウトウ) | 胃腸が弱い・虚弱体質・過敏性腸症候群による腹痛など |
出典:登録販売者試験の漢方・生薬の覚え方は?ゴロや成分表を使った覚え方を解説|資格Times
ほかにも、動物の名前が含まれる漢方は滋養強壮の作用があるものが多いなど、漢字のイメージが解答の手がかりになるものもいくつかあります。
漢方を勉強する際には、イメージを膨らませて覚えるのも効率的です。
語呂合わせで覚える
漢方と作用を語呂合わせにして覚える方法も良いでしょう。
ここでは、漢方を語呂合わせにして覚える方法を3つ紹介します。
・小柴胡湯(ショウサイコトウ)
食欲不振や吐き気、胃痛などの症状に作用します。
インターフェロン製剤で治療を受けている人は、服用前に医師や薬剤師に相談が必要です。
小柴胡湯の覚え方は、次のとおりです。
「彩子(柴胡)はみぞおちがいんたーい※(痛い)ときに飲みましょう」と覚えてみてはいかがでしょうか。
※インターフェロン
・五虎湯(ゴコトウ)
五虎湯は、含まれる生薬が5種類という意味から名付けられています。
麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)は、五虎湯に含まれる下記の漢方が4つ含まれています。
- 麻黄(マオウ)
- 杏仁(キョウニン)
- 甘草(カンゾウ)
- 石膏(セッコウ)
この4つの生薬に桑白皮(ソウハクヒ)を加えたものが五虎湯です。
五虎湯の覚え方は、次のとおりです。
ゴロ合わせで 「魔境の虎」と覚えておきましょう。魔境は麻杏(麻黄と杏仁)のことです。
引用元:登録販売者試験の漢方・生薬の覚え方は?ゴロや成分表を使った覚え方を解説
・五積散(ゴシャクサン)
五積散の五積とは、気・血・痰・寒・食の5つのものが体内に溜まることによって何かしらの障害が起きていることをいいます。
五積散は、麻黄(マオウ)という生薬が含まれていないため、次のような語呂合わせで覚えましょう。
「5匹の黄色い孔雀が散歩する」
引用元:登録販売者試験の漢方・生薬の覚え方は?ゴロや成分表を使った覚え方を解説
ほかにも、覚えにくい漢方は自分でゴロを作って覚えると良いかもしれません。
過去問に絞って覚える
テキストに載っている漢方をひたすら覚える方法はおすすめできません。
漢方は多くの種類があり、あまり試験に出題されないものも含んでいるため、片っ端から覚えていくのは効率が悪いからです。
試験に出題されやすい漢方の傾向をつかむには、過去問をひたすら解くのがいいでしょう。
過去問に出題された漢方をピックアップしておいて、重点的に覚えるのが効率的です。
身近な漢方をチェックして覚える
ドラッグストアなどで販売されている身近な漢方をチェックして覚えるのも有効です。
実際に店舗で漢方を見てみると、販売されているものは意外と種類が少ないことがわかります。
私たちの身近にある漢方は試験に出題されやすい傾向があるので、しっかりと覚えておきたいところです。
店舗に商品を直接確認しに行っても良いですが、こちらのサイトからも市販の漢方を確認できます。
自分に合った覚え方で効率良く勉強しよう
登録販売者の試験に出題される漢方は、試験に出題されやすいものを把握して、語呂合わせや表などにして効率的に覚えられれば、高得点になる可能性がグッと高まります。
漢方は漢字が並んでいて覚えにくいと思う方もたくさんいるかと思いますが、登録販売者の試験に出題されるものは一部です。
この記事で紹介した覚え方を実践し、効率的に試験勉強をしていただければ幸いです。