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保育園で働く看護師の仕事内容は?病院勤務との違いを解説

保育園の看護師として働いてみたいと考え、次のようなことを知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

「仕事内容や必要なスキルを知りたい」
「病院勤務との違いを知りたい」
「保育園で働くメリット・デメリットを知りたい」

この記事では、保育園で働く看護師の仕事内容、必要なスキル、保育園で働くメリット・デメリットや保育園勤務に向いているタイプをお伝えしています。
保育園の看護師として働きたいと思っている方は、参考にしてみてください。

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保育園で働く看護師について

保育園で働く看護師について

保育園で働く看護師には、園児や保育園スタッフの健康状態を見守り、保護者をサポートする役割があります。

厚生労働省では、保育園への看護師配置を推進することをめざし、乳児を4名以上預かる保育所では、1名に限り看護師や保健師を、児童福祉法で配置が義務付けられている保育士としてカウントすることを認めてきました。
2015年からはこの対象を准看護師まで拡大し、准看護師であっても1名を保育士としてカウントできるようになりました。

看護師の配置により保育の質の向上にもつながると考えられているのです。

保育園で働く看護師のおもな仕事内容

保育園で働く看護師のおもな仕事内容は、園児の体調管理やご家族への対応から、保健だよりの作成などの保健指導、スタッフの健康管理など多岐にわたります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

園児の体調管理や応急処置

保育園看護師の最も重要な仕事として、園児の体調管理や急なケガなどの応急処置があげられます。
緊急性を見極め、病院に送るかどうかの判断が必要になることもあるでしょう。

小さな子どもは自分から体調不良を伝えられないことも少なくありません。
そのため、日々の変化に気を配る必要があります。

アレルギーのある子どもへの対応

保育園で預かる子のなかには、アレルギーのある子どももいます。
食物アレルギーを持つ子に除去食が適切に提供されているか、ほかの園児の食べ物をあやまって口にしていないかなどを細かくチェックするのはもちろん、アレルギー発作を起こした場合の対処も求められます。

身体測定・健康診断などの補助

保育園で行われる健康診断や歯科検診の準備や、医師の補助も行います。
結果を記録したり保護者へ報告したりする際に、看護師としての知識が役立つこともあるでしょう。
今後の保健指導に活かすため、結果の分析も看護師の大切な仕事です。

園内の衛生管理・感染症対策

園児が使用するトイレ・手洗い・保育室などの衛生管理を行います。
手洗いやうがいの方法を考えたり、ケガや事故につながらない環境を整えたりします。

また、新型コロナウイルスやインフルエンザ、溶連菌などの感染症予防や、感染が発生した場合の対応も看護師の重要な仕事です。

スタッフの健康管理・保健指導

園児だけでなく、一緒に働くスタッフの健康管理や、感染症対策などの保健指導を徹底することも大切な業務です。
スタッフの健康診断がある場合は、病院との連絡調整を担うこともあります。

保護者への対応

時期により流行している感染症や日々の衛生管理方法について、保護者向けに保健だよりを作成するなどして情報発信します。
また、発育・アレルギーなどの相談を受けるなど、保護者対応も看護師の重要な仕事です。

保育の補助

保育園では、看護師も保育士の補助として園児の保育にも関わります。
特に、発熱など体調変化が起こりやすい0〜1歳児の保育補助をするケースもあります。

保育園の看護師に役立つスキル

保育園の看護師に役立つスキル

看護師は、保育士の資格がなくても看護師免許があれば、保育園で働くことができます。

乳児4名以上を入所させる保育園では、正看護師に限らず准看護師でも1名に限って保育士としてカウントされるようになりました。
ここでは、保育園で看護師として働く際に役立つスキルや知識をご紹介します。

小児医療の知識・経験

保育園で働くにあたり、小児科での経験は必須ではありません。
しかし、小児医療の知識や経験があるなら、即戦力として期待されるでしょう。
特にアレルギーへの対応は命に関わるケースもあり、その知識と経験が現場では重宝されます。

小さい子どもは、体調不良をうまく言葉で伝えられません。
小児科での経験があれば、ほんのささいなサインでも見逃さず、適切な対応につなげられるでしょう。

感染症に対する知識

看護師として感染症に対する知識を持っていると、現場で頼られます。
特に、ここ数年は新型コロナウイルスの流行もあり、保育園での集団生活による感染拡大を予防するための対策が求められます。

園内だけでなく、家庭での感染予防対策に関する保健指導も必要です。
子どもがかかりやすい感染症の知識をおさえておくと良いでしょう。

ピアノなどの保育スキル

保育園では看護師でも保育士として仕事をするため、ピアノや絵本の読み聞かせなどの保育スキルがあるとなお良いでしょう。

保育園ではお遊戯会・運動会・夏まつりなども行われるため、楽器演奏だけでなく、工作などもできると役立ちます。

また、子育て経験があるなら、おむつ交換なども抵抗なく担当でき、排泄物の観察を通して体調管理もできます。

医療機関と保育園の看護師の違い

医療機関と保育園の看護師には、おもに以下3つの違いがあります。

  • 勤務形態
  • 給料
  • 看護の対象

一つずつ見ていきましょう。

勤務形態

保育園で働く看護師と病院勤務の看護師の大きな違いは、勤務形態です。

病院では夜勤や土日祝日の出勤が求められる場合があります。

一方、保育園で働く看護師には、基本的に夜勤はありません。
園によっては土曜日も開園していますが、日曜日や祝日はお休みが多いので、カレンダーどおりに働けるでしょう。

看護対象

病院やクリニックでは病人やケガ人を対象としますが、保育園では基本的に健康な子どもを相手にします。

園児の健康維持のため体調を管理することや、ケガしないように安全面を工夫することが保育園の看護師の役割です。

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看護師が保育園で働くメリット

保育園で働く看護師には、病院やクリニックで働く場合と異なるメリットがあります。
以下、メリットを4つご紹介していきます。

子どもと関わることができる

保育園で働く看護師は毎日子どもたちと関わることができ、子ども好きな人にとっては大きなメリットがあるといえます。
子どもたちの素朴さや純粋さに触れ、精神的に癒やされることも多いでしょう。

子育ての経験を活かせる

子育ての経験がある場合、その経験を保育園での業務にも活かせます。
保護者とのコミュニケーションを取るうえでも、親として感じる不安や悩みを理解でき、相談に乗りやすくなるでしょう。

急変対応などの医療行為を伴わない

保育園では健康な子どもの健康管理や保育補助がメインの仕事なので、病院のように急変対応や医療行為をすることはあまりありません。

そのため、看護師としてのブランクがある方や急変対応などの医療行為を負担に感じる人にとって、保育園は働きやすい職場だといえます。

プライベートと両立しやすい

保育園は病院に比べるとプライベートと両立しやすいこともメリットの一つでしょう。
土曜日も開園している園もありますが、基本的に日曜日・祝日はお休みです。
病院で働く看護師に比べ、カレンダー通りに休め、ワークライフバランスがとりやすくなります。

看護師が保育園で働くデメリット

ここまで保育園で働く看護師のメリットをお伝えしてきましたが、いくつかのデメリットもあります。
以下に詳しくご紹介していきます。

看護師一人体制のケースが多く責任が大きい

看護師一人体制をとっている保育園では、看護師は自分一人のため、責任が大きいと感じるかもしれません。

例えば園児が体調不良やケガをした場合、病院へ連れて行ったほうが良いのか、様子見で良いのか、自分一人で判断しなければなりません。
相談できる人も少なく、責任の重さがつらいと感じることも少なくないでしょう。

医療機関より給料が低いことがある

保育園で働く看護師の給料は、病院やクリニックなどで働く看護師に比べると低くなることがあります。

夜勤や休日出勤が少ないことが理由の一つとして挙げられます。
給料が低くなるとはいえ、看護師の不規則な勤務時間に比べると、子育てなどの私生活との両立がしやすい職場といえるでしょう。

看護師以外の業務を任されることがある

保育園で働く看護師は、園児の健康管理が主な仕事内容ですが、保育補助も業務の一つです。
そのため、保育士のサポートや、掃除・片付けなども任されることがあります。

看護師としての知識や経験を活かして働きたい方には、向いていないこともあるかもしれません。

看護師としてスキルアップしにくい

保育園では医療行為をすることがあまりないため、看護師としてのスキルアップはしにくいでしょう。
看護師以外の業務を任されることも多いため、看護職へのモチベーションが下がってしまうかもしれません。

なかには、質の高い保育保健サービスの提供を目的に研修をしているところもあります。
看護師としてのスキルアップを求める方には、保育園で活かせる知識向上のため、受講してみるのもおすすめです。

保育園の看護師に向いているタイプ

保育園の看護師に向いているタイプ

保育園の看護師は、保育補助として長時間子どもと関わるため、子どもが好きな人・子育て経験がある人・体力がある人が向いています。

園児の体調不良に対応する必要があるため、小児医療の経験があると現場で活かせるでしょう。
また、保育園では保育士などのスタッフや保護者とのやり取りが不可欠です。
周囲との良好な信頼関係を築くためにも、コミュニケーション能力がある人が向いているといえます。

看護師が保育園へ転職する際のポイント

保育園の看護師に転職する際は、規模・業務内容・福利厚生や待遇を確認することがポイントです。

保育園は、園児が10人以下と小規模なところもあれば、100人以上の園児を預かる大規模な園もあります。
看護師一人体制に不安な人は、園児の人数だけでなく配置される看護師の数も確認しておきましょう。

園によってはクラス担当を任されることもあるため、看護師以外の負担を増やしたくない場合は、事前に確認しましょう。

また、規模の違いにより勤務形態や待遇も異なる可能性があります。
休日出勤は避けたい・給料は最低いくら、などの条件を決めたうえで求人を探すようにしましょう。

保育園看護師は子どもの成長を見守れるやりがいのある仕事

今回は保育園で働く看護師の仕事内容やメリット・デメリットなどをご紹介してきました。

保育園で働く看護師は病院やクリニックと違い、子どもの成長をそばで見守れる、やりがいのある仕事です。

デメリットもありますが、子どもと関わりたい人、小児看護の経験を活かしたい人、プライベートと仕事を両立させたい人などは、保育園で働くことを検討してみてください。

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執筆者について

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