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歯科医師の一般的な働き方は?多様なキャリアプランも紹介

この記事の監修者
Naomi
【資格】
歯科医師 Naomi

【プロフィール】
歯科医師国家試験合格後、歯科医師臨床研修終了。
都内審美歯科医院や小児歯科医院勤務。
現在は歯科医師、歯科WEBライター・編集

歯科医師という職業は、人々の口腔の健康を守る重要な役割を担っています。

その働き方やキャリアプランは、一般的に想像されるよりも多様です。
開業医として自らの診療所を持つ道もあれば、大学で研究や教育に携わる道もあります。
また、勤務医として経験を積みながら、専門性を高めていくことも可能です。

本記事では、歯科医師の一般的な働き方とさまざまなキャリアプランについて詳しく解説します。
これから歯科医師をめざす方や、すでに歯科医師として働いている方にとって、キャリアプランを考えるうえでの参考になるでしょう。

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歯科医師の一般的な働き方

歯科医師の一般的な働き方

歯科医師の働き方は、個人の志向や環境によってさまざまです。

多くの歯科医師が開業医として自身の診療所を運営していますが、勤務医や大学の研究者として活躍する道もあります。
また、歯科疾患のメカニズム解明や新たな治療法・材料の開発に携わる研究職や、後進の育成に力を注ぐ教育職など、多岐にわたるキャリアが存在します。

ここでは、歯科医師の一般的な働き方について、勤務形態や職場環境、休暇などの観点から詳しく見ていきましょう。

勤務形態

歯科医師の勤務形態には、大きく分けて常勤と非常勤があります。
一般的に、非常勤のほうが常勤よりも時給換算すると高額になる傾向があります。
これは、非常勤の場合は社会保険への加入が必要ないことや勤務時間や日数が限られている分、時給が高く設定されることが多いためです。

常勤の場合、基本的に医院の休診日がお休みです。
一方、非常勤では自分の希望する日に勤務できるという自由度があります。
この柔軟性は、ワークライフバランスを重視する歯科医師や、複数の医院で経験を積みたい若手歯科医師にとって魅力的な選択肢となっています。

職場環境

歯科医師の勤務先は、一般的な歯科医院だけではありません。
例えば、総合病院の歯科口腔外科や大学病院などの大規模医療施設で働くこともあれば、介護老人保健施設で高齢者の診療や口腔ケアに携わることもあります。

また、公務員として活躍する道も考えられます。
医系技官や歯科医官として、国や地方自治体で公衆衛生や政策立案に関わる仕事に就くケースもあるのです。
さらに、歯科医療機器を開発・製造しているメーカーなどの企業で、専門知識を活かして製品開発に携わる歯科医師もいます。

このように、歯科医師の職場は多岐にわたり、個人の興味や専門性に応じて選択肢が広がっています。

休暇

歯科医師の休暇は、勤務先や勤務形態によって異なります。
診療所に常勤する場合、一般的に休診日に合わせて週休2日となることが多いです。
これは、患者さんの利便性を考慮しつつ、医療従事者の休息も確保するため、バランスを取った結果といえるでしょう。

労働基準法では、半年間継続して雇用され、全労働日の8割以上を出勤している場合、年次有給休暇を取得できると定められています。
歯科医師も例外ではなく、この規定に基づいて休暇を取得する権利があります。
ただし、実際の有給休暇の取得状況は、医院の規模や方針、個人の意識によって異なるのが現状です。

医療の質を維持しつつ、歯科医師自身の健康とワークライフバランスを保つために、適切な休暇取得は重要な課題となっています。

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歯科医師のキャリアプラン

歯科医師のキャリアプランは、個人の志向や目標によって多様な選択肢があります。
ここでは、以下の主な3つのキャリアについて詳しく見ていきます。

  • 勤務医を続ける
  • 開業する
  • 大学で働く

それぞれに特徴があり、自分に合ったキャリアを選択することが、長期的な成功と満足につながります。
以下では、各キャリアの特徴や必要なスキル、メリットなどを解説していきます。

勤務医を続ける

勤務医として働き続けることは、多くの歯科医師が選択するキャリアプランの一つです。
勤務医として働き続けながら、専門性を高めて認定医や専門医をめざす道と、管理職としてキャリアアップを図る道があります。

どちらの道を選ぶにせよ、継続的な学習と経験の蓄積が重要になります。
以下では、それぞれのキャリアについてより詳しく見ていきましょう。

認定医・専門医をめざす

認定医や専門医の資格は、歯科医師としての専門性と技術の高さを証明するものです。
特に口腔外科分野では、公益社団法人日本口腔外科学会が認定する資格が重要視されています。
これらの資格を取得することで、患者さんからの信頼度が高まり、より高度な治療に携わる機会が増えるでしょう。

口腔外科認定医を取得するには、初期臨床研修修了後、2年以上の研修期間が必要で申請書類審査と筆記試験により認定されます。
この間、基本的な口腔外科診療の経験実績と学術的研修実績を積む必要があります。

一方、口腔外科専門医は、さらに高度な資格です。
歯科医師免許取得後、初期臨床研修を修了してから6年以上、学会認定の研修施設に所属し、口腔外科にかかわる診療と学術的活動に従事して一定以上の実績を有することが条件となります。

これらの資格取得は、自身の技術向上だけでなく、患者さんに高度な医療を提供するうえでも重要な役割を果たします。

管理職をめざす

病院の歯科や歯科医院で管理職をめざすことも、キャリアアップの一つの形です。
多くの場合、経営者のもとで長期間勤務し、その間に医院運営や経営のスキルを身につけていきます。
雇用されながらも、分院長などの管理職や、限定的な範囲での経営を任されるようになるのが一般的なキャリアパスです。

歯科医院の管理職として求められるスキルは多岐にわたります。
患者さんの対応やスタッフの育成はもちろん、医院の経営戦略の立案や実行、財務管理なども重要な役割です。
また、最新の歯科技術や医療制度の動向にも常に注意を払い、医院全体の質の向上に努める必要があります。

管理職としてのキャリアを積むことで、将来的に自身の医院を開業する際にも役立つ経験を得ることができるでしょう。

開業する

歯科医師として経験を積んだあと、自身の医院を開業するのも魅力的なキャリアプランの一つです。
開業することで、自分の理想とする歯科医療を実践できる環境を作り出すことができます。
また、収入の上限が広がるというメリットもあります。

しかし、開業には多くの責任と課題がともなうものです。
患者さんの獲得やスタッフの雇用、医療機器の購入など、経営者としての判断が求められます。
開業をめざす歯科医師には、歯科医療の技術だけでなく、人や組織のマネジメントスキルも重要です。

開業準備の段階から、経営計画の立案、資金調達、立地選定など、多くの課題に直面するでしょう。
これらを乗り越えることでのみ、自身の理想とする歯科医療を提供する場を作り上げることができるのです。

大学で働く

大学で働くことを選択する歯科医師も少なくありません。
大学での仕事は主に研究職と教育職に分かれますが、多くの場合はこの二つの役割を兼ねることになります。
大学で働くことで、最先端の歯科医療に触れる機会が多く、また次世代の歯科医師の育成にも携わることができます。
以下では、研究職と教育職それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

研究職

大学病院などで研究職として働く歯科医師は、歯科の治療に関わる材料や新しい治療法の開発、病気の予防や解明など、歯や口腔を専門的に研究します。
この役割は、歯科医療の進歩に直接貢献する重要な位置づけにあります。

研究職の歯科医師には高度な学術的知識や研究結果が求められるため、臨床の技術を磨くだけでなく、研究を行い、その成果を論文としてまとめ上げることも重要な仕事です。
最新の研究動向を常に把握し、新たな発見や革新的な治療法の開発に挑戦し続ける必要があります。

また、研究成果を学会で発表したり、専門誌に論文を投稿したりすることで、歯科医療界全体の発展に寄与します。
このような活動を通じて、国内外の研究者とのネットワークを構築し、さらなる研究の発展につなげていくのです。

教育職

大学教員として働く歯科医師は、診療と研究に加えて、学生への指導という重要な役割を担います。
次世代の歯科医師を育成する立場として、最新の医療知識や技術を伝えるだけでなく、医療倫理や患者さんとのコミュニケーション能力など、歯科医師として必要な総合的なスキルを教育します。

教育職のキャリアを歩むには、自身の研究実績や臨床経験が重要です。
有名な教授のもとで研究を行い、論文や学会で国際的な賞を受賞したり、自然科学の分野で重要な発見をしたりすることで、大学教員への道が開かれる可能性が高まるのです。

また、教育者としての資質も求められます。
学生の興味を引き出し、理解を深めるための教授法や、個々の学生の特性に合わせた指導法を身につける必要があります。
このように、教育職の歯科医師は、自身の専門性を高めつつ、それを次世代に伝承していく重要な役割を担っているのです。

歯科医師の一般的な働き方や多様なキャリアプランを知って参考にしよう

歯科医師の働き方やキャリアは、個人の志向や環境によって多様であることがわかりました。
開業医として自身の診療所を運営する道、勤務医として専門性を高めていく道、大学で研究や教育に携わる道など、さまざまな選択肢があります。

勤務形態も常勤や非常勤があり、職場環境も一般的な歯科医院から大学病院、公務員、企業まで幅広く存在します。
また、認定医や専門医の資格取得、管理職へのキャリアアップ、開業、研究職や教育職など、自身の目標に合わせてキャリアを築いていくことが可能です。

これらの多様な選択肢を知ることで、自分に最適なキャリアプランを見つけることができるでしょう。
歯科医師としての専門性を磨きつつ、自身の興味や適性に合った働き方を選択することが、長期的な成功と満足につながります。
歯科医療の世界は常に進化し続けています。
自身のキャリアを通じて、患者さんの健康に貢献しながら、自己成長も実現できる素晴らしい職業だといえるでしょう。

歯科医師をめざす方や、すでに歯科医師として働いている方は、これらの情報を参考にしながら、自身のキャリアプランを考えてみてください。

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執筆者について

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