
ヘルパーとして働くなかで、利用者さんとの相性が合わないと感じることがあるかもしれません。
このような状況は、介護をするうえで悩みの種となるでしょう。
しかし、諦めてしまう前に、さまざまな対処法を試してみることが重要です。
本記事では、ヘルパーが利用者さんと合わないと感じたときの対応策を詳しく解説します。
利用者さんと合わないとお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
ヘルパーが利用者さんと合わないと感じたときの対処法
ヘルパーが利用者さんとの関係がうまくいかないと感じたときは、まずは状況を改善するためにできることを探してみましょう。
以下では、具体的な対処法を5つ紹介します。
これらの方法を実践し、問題解決に役立ててください。
接し方を見直す
利用者さんとの関係に問題を感じたら、まず自分の接し方を見直すことから始めると良いでしょう。
介護拒否などで、うまく接することができない場合でも、自分の接し方を変えることで状況が改善することがあります。
相手の立場に立って考え、思いやりを持って接することを心がけましょう。
言葉遣いや声のトーン、顔の表情をいつもより明るくすることで、相手の態度が徐々に変わるケースもあります。
例えば、「動かないでください」「もう終わります」などの言葉は、ヘルパーが利用者さんに「命令しています」「不快なことをしています」というメッセージとなっています。
「背中にお湯をかけますよ」「熱くないですか」「気持ち良いですね」など、ケアの動きを実況しつつ、やわらかな言葉で話しかけることを意識してお伝えすると、何をされているのか、次に何をされるのかがわかり、利用者さんの安心感に繋がります。
低めの声で「安定した関係」を、大きすぎない声で「穏やかな状態」を、前向きな言葉を選ぶことで「心地良い状況」を表現するように心がけましょう。
利用者さんに喋りかけてもお返事がない時には、黙々とケアを行いがちです。しかし、無言の状況は「あなたは存在していない」と伝える否定的なメッセージとなるおそれがあります。無言の状況を作らないためにも、ケアの動きを伝えることは有効です。
他にも、ベッドに横になっている利用者さんに話しかけると見下ろす状態になり、「私のほうがあなたより強い」という支配的なメッセージとなってしまいます。意識的に目の高さを合わせ「平等であること」、近寄って「親しい関係であること」、正面から話しかけ「正直であること」を利用者さんに伝えましょう。
相手のことを大切に思っていることが伝われば、心地良いと感じるコミュニケーションや介護につながり、信頼関係が形成できると感じます。
できない仕事は断る
利用者さんにできない仕事を頼まれた場合は、サポートできる範囲を明言することが大切です。
訪問介護では、利用者さんが自分でやることが難しい部分のサポートはできますが、あくまでも自立を支援する仕事であることを忘れてはいけません。
断ったら怒られるのではないかと不安を感じることもあるでしょう。
その場合は以下のようなことを実践してみてください。
- 責任者や上司と相談し、できる業務とできない業務の線引きを明確にする
- できない理由を丁寧に説明する
- できない場合の代替案を伝える
「できない」と伝えるのではなく「ここまではできる」と言い方を変えてお伝えします。また、なぜそれができないのかを伝えることが大切です。
また、基本的に利用者さん本人への介助以外はできません。
例えば、ご家族の洗濯や掃除、ペットの世話などは、訪問介護の範囲外です。
介護範囲を明確にし、できること・できないことの線引きをすることで、ヘルパー側の負担軽減につながり、利用者さんと適切な距離感を保つことができます。
職場に相談する
利用者さんと合わないと感じた場合は、一人で抱え込まずに職場に相談することも重要です。
同じような悩みを持っている同僚と状況を共有したり、職場全体で対策を練ったりすると、精神的な負担も軽減します。
経験豊富な先輩や上司からアドバイスをもらうことで、新たな視点や解決策が見つかるかもしれません。
場合によっては、担当を変えてもらえることもあるでしょう。
職場に相談することで、自分だけでは解決できなかった問題を解消できたり、新たな改善点が明らかになったりして、より良い介護サービスの提供につなげることができます。
他の訪問介護事業所に転職する
上記の方法を試しても状況が改善されない場合は、他の訪問介護事業所への転職も検討しましょう。
介護業界は人手不足であるため、転職はしやすい傾向にあります。
経験者であれば、多くの事業所で即戦力として歓迎されるでしょう。
ただし転職を考える際は、今の職場の問題点や転職理由をしっかりと整理することが大切です。
それにより、自分の希望や適性に合った転職先を見つけやすくなります。
自分に合った職場環境で働くことは、モチベーションの向上につながり、より良い介護サービスを提供できるようになるでしょう。
訪問でない介護士として働く
訪問介護に限らず、他の形態の介護職で働くことも選択肢の一つです。
訪問介護は一人で介護をするため、困ったときにすぐに人を頼れないなどの大変さがあります。
一方、施設介護であれば基本的にチームで介護を行うため、介護責任を一人で負う必要がありません。
さらに、デイサービスや特別養護老人ホームなどの施設で働くこともできます。
訪問介護とは違う環境で働くことで、新たなやりがいやおもしろさを見つけられるかもしれません。
訪問介護という働き方自体に辛さを感じている場合は、違う形態での働き方も検討してみてください。
ヘルパーが利用者さんと合わない場合はまずは自分から変わってみよう
ヘルパーが利用者さんとの関係に困難を感じた場合、まずは自分自身の対応を見直すことから始めましょう。
接し方を工夫したり、仕事の範囲をしっかりと線引きしお伝えすることで、状況が改善する可能性があります。
しかし、一人で抱え込まずに職場に相談することも重要です。
周囲のサポートを得ることで、新たな解決策が見つかるかもしれません。
それでも改善が見られない場合は、他の訪問介護事業所への転職や、施設介護など異なる形態の介護職への転職も検討してみましょう。
利用者さんはもちろん、自分自身も快適に働けるようになるかもしれません。