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ラウンダー薬剤師とは?年収から向いている人の特徴まで解説

この記事の監修者
藤野紗衣
【資格】
薬剤師

【プロフィール】
ライター。東北大学薬学部卒業後、おもに病院薬剤師として勤務。現在は医療関連のコラムや取材記事の制作に関わる。専門知識を一般の方にわかりやすく伝える記事や働く人を支える記事を書いている。

薬剤師の人員不足は、多くの調剤薬局が抱える課題です。

そんな人員不足の解消のために注目されているのが、ラウンダー薬剤師です。
ラウンダー薬剤師とは、複数の調剤薬局を巡回しながら勤務する薬剤師のことです。

今回は、ラウンダー薬剤師の仕事内容や年収、向いている人の特徴などを詳しく解説します。

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ラウンダー薬剤師とは

ラウンダー薬剤師とは

ラウンダー薬剤師とは、「薬剤師の人員不足を解消するために複数店舗で働く薬剤師」のことです。
例えば、ラウンダー薬剤師として勤務すると、欠員補充や新店舗オープンの応援のために複数店舗を巡回する形で働くことになります。
複数店舗を運営する企業が募集をしており、正社員として雇用されている場合が多いようです。

ラウンダー薬剤師は、各店舗の状況に合わせて勤務スケジュールを組むため、幅広い知識と経験が求められる仕事だといえるでしょう。
人員不足の調剤薬局にとっては、これからも需要の高い職種となります。

ラウンダー薬剤師の年収は?

勤務先にもよりますが、ラウンダー薬剤師の年収は比較的高めです。
これは、店舗ごとに異なる多様な処方箋や異なるシステムに対応するスキルが求められるからです。

ただし、企業によっては、派遣社員や契約社員、パート・アルバイトといった正社員以外の雇用形態で募集されていることもあります。
その場合、年収は正社員ほど高くないことが予想されるため、年収を重視する方は、雇用形態にも注目しましょう。

ラウンダー薬剤師が働く職場

ラウンダー薬剤師が働く職場は、複数店舗を持つ企業の人員が不足しているところが中心です。

例えば、チェーンで展開されている調剤薬局やドラッグストアなどの企業が考えられます。
人員が不足する理由は、急な欠員や管理薬剤師の休日、特定の繁忙時期(時間)などさまざまです。

通常、ラウンダー薬剤師は人員不足が起きている複数の店舗を巡回しますが、企業によっては所属店舗がある場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

ラウンダー薬剤師として働くメリット

ラウンダー薬剤師として働くメリット

ラウンダー薬剤師として働くメリットは、大きく分けて以下の3つがあります。

  • スキルアップできる
  • 高収入が期待できる
  • 人間関係のストレスが減る

それぞれ詳しく見ていきましょう。

スキルアップできる

ラウンダー薬剤師の仕事は、複数の診療科や医師の多様な処方箋に関わるため、知識や調剤のスキルアップにつながります。
さまざまな現場で経験を積むことで、薬剤師としての市場価値が高くなり、転職をする際にはアピールポイントとなるでしょう。

スキルアップは、薬剤師としてのキャリアアップにも直結します。
ラウンダー薬剤師の経験によって将来、管理職やスペシャリストへの道が開ける可能性があるでしょう。

高収入が期待できる

先述のとおり、ラウンダー薬剤師は幅広い処方箋の知識と調剤スキルという高度なスキルが求められるため、高収入が期待できます。
特に管理職としての雇用であれば、一般薬剤師や管理薬剤師よりも収入が高くなる可能性があるでしょう。

また、複数店舗での勤務は、通常勤務と比較して身体的負担がかかるので、それに対して企業側が特別な待遇や補助を用意している場合があります。
移動が多くなりますが、距離が長い場合には出張扱いになり、手当がつくこともあります。

人間関係のストレスが減る

薬剤師は、人間関係に不満を持ってストレスを感じることが多いようです。
しかしラウンダー薬剤師は、毎日違う人と接したり、勤務期間が決まっていたりするため、割り切って働きやすい仕事と考えられます。

人間関係で悩みにくいというメリットは大きいです。
人間関係のストレスを軽減したい方にとって、日々異なる環境で働けるラウンダー薬剤師は魅力的でしょう。

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ラウンダー薬剤師として働くデメリット

ここまで説明したようにメリットもある一方で、ラウンダー薬剤師として働くデメリットもあります。
主なデメリットは、以下の3つです。

  • 通勤の負担が増える
  • 勤務日が不規則で予定が立てにくい
  • 幅広い分野の知識が必要になる

それぞれ詳しく解説します。

通勤の負担が増える

ラウンダー薬剤師は、複数の店舗を巡回するため、通勤や移動時間が増える可能性があります。
広域での移動をともなう場合もあるため、移動時間の長さを負担に感じるかもしれません。

また、公共交通機関が整っていない地域の場合には、自動車の運転免許が必須となることがあります。
免許は持っているが、運転には自信がない人にとってもこの点はデメリットと考えられるでしょう。

勤務日が不規則で予定が立てにくい

ラウンダー薬剤師を活用する背景には、人員不足が大きく影響しています。
そのため、他の従業員の急な欠勤や避けるであろう曜日や時間帯にシフトが組まれる可能性もあるでしょう。

こういった背景から、自分の予定は立てづらいかもしれません。
プライベートの時間を確保しづらいというデメリットは、ラウンダー薬剤師として働くうえで十分考慮すべき点だといえます。

幅広い分野の知識が必要になる

ラウンダー薬剤師は、複数の診療科や医師の処方箋に対応できる薬学的知識が必要です。
ある程度の期間の経験が条件になっている場合もあります。

そのため、未経験であったり、調剤歴が浅かったりすると企業に採用されない可能性があるでしょう。
またラウンダー薬剤師には、幅広い薬学知識を求められるため、高い学習意欲が必要になります。

ラウンダー薬剤師に向いている人の特徴

ラウンダー薬剤師に向いている人の特徴は、以下の3つが挙げられます。

  1. 収入を増やしたい方
  2. 職場が複数あることに抵抗がない方
  3. 通勤時間や勤務時間の融通が利く方

高収入を望む方、柔軟な働き方を求める方にとって、ラウンダー薬剤師はおすすめの仕事だといえるでしょう。
ただし、幅広い知識と経験、高いコミュニケーション力が求められます。
これらには向き不向きがあるため、自分の特性やスキルと照らし合わせて慎重に検討しましょう。

ラウンダー薬剤師に求められる能力やスキル

ラウンダー薬剤師に求められる能力やスキル

ラウンダー薬剤師に求められる能力やスキルは、大きく分けて以下の4つがあります。

  • 幅広い処方箋の知識と調剤スキル
  • 高いコミュニケーション能力
  • 臨機応変な対応力
  • スケジュール管理・自己管理能力

それぞれ詳しく説明します。

幅広い処方箋の知識と調剤スキル

ラウンダー薬剤師には、医薬品や病気についての知識だけでなく、調剤スキルが必要です。
そのため、調剤経験3年以上といった実務経験が求められる場合があります。

また、積極的に学ぶ向上心も大切です。
医療の現場は日進月歩で変化するため、常にアンテナを張り、新しい知識を吸収する姿勢が求められます。

高いコミュニケーション能力

ラウンダー薬剤師は複数の店舗をまわるため、年齢や性別を問わずさまざまな患者さんや調剤薬局のスタッフとやりとりする能力が求められます。
また、調剤薬局では店舗独自のルールがあることも多く、そういったルールの把握にもコミュニケーション能力は欠かせません。

仕事上の信頼関係を築くには、店舗や同僚のスタッフごとにどのようなコミュニケーションが適切かを理解することが大切です。
状況に合わせたコミュニケーションを発揮できるスキルが、ラウンダー薬剤師に期待されます。

臨機応変な対応力

ラウンダー薬剤師が働く店舗では、薬の種類や保管場所、機械の仕様やメーカーが異なることも多々あります。
ラウンダー薬剤師は、店舗の薬剤師と同じレベルで働けることが求められているため、臨機応変な対応力も必要です。

イレギュラーな状況でも動じずに冷静に対応できれば、ラウンダー薬剤師としての業務を遂行できるでしょう。

スケジュール管理・自己管理能力

ラウンダー薬剤師は、複数の店舗を巡回するため、日によって勤務時間や場所が異なります。
そういった職場で働くためには、スケジュール管理能力が欠かせません。
土地勘のない地域や、1日のうちで複数の場所に移動する際は、時間と気持ちに余裕を持った行動が大切です。

また、生活が乱れると勤務に支障が出やすいため、自己管理能力も必要です。
規則正しい生活を送り、心身ともに健康を保てる自己管理能力がラウンダー薬剤師には求められます。

ラウンダー薬剤師はアクティブに働きたい人におすすめ!

ラウンダー薬剤師は、複数店舗を巡回しながら働くやりがいのある仕事です。

スキルアップや高収入が期待でき、人間関係のストレスも軽減できるメリットがあります。一方で、通勤の負担や不規則な勤務、幅広い知識の必要性といったデメリットも考慮する必要があるでしょう。

ラウンダー薬剤師に向いているのは、アクティブに働きたい方です。
例えば収入を増やしたい方、複数の職場で働くことに抵抗がない方、通勤や勤務時間の融通が利く方がそれにあたります。
また、幅広い知識と調剤スキル、高いコミュニケーション能力や柔軟な対応力、自己管理能力などが求められます。

これらのスキルには向き不向きがあるため、自分の特性と照らし合わせながらぜひ検討してみてください。

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執筆者について

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