
柔道整復師という職業に興味がある、またはその資格取得をめざしており、「柔道整復師になるためには柔道の経験が必要なのだろうか」と気になっている方も多いでしょう。
本記事では、柔道整復師と柔道の関連性や、資格取得に柔道経験が必要かどうかについて詳しく解説していきます。
また、柔道経験がある場合のメリットや、養成校での柔道の学習にも触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
柔道整復師に柔道経験は必要か
「柔道整復師」という名称から、柔道の経験が必要不可欠だと考える方も多いかもしれません。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか。
ここでは、柔道整復師になるために柔道経験が必要かどうかについて、詳しく見ていきましょう。
柔道整復師になるために柔道経験は必須ではない
結論からいえば、柔道整復師になるために柔道の経験は必須ではありません。
柔道の経験がなくても、柔道整復師の資格を取得し、専門家として活躍することは十分に可能です。
柔道整復師は、骨折や脱臼、捻挫などによって損傷した部位に対して、手術ではなく整復や固定、リハビリテーションなどの施術を行う専門家です。
この施術の技術は、直接的に柔道と関連しているわけではありません。
柔道整復師として必要な技術は、養成校で専門的に学ぶことができます。
つまり、柔道の経験がなくても、養成校でしっかりと学習すれば、柔道整復師として十分な施術スキルを身につけることができるのです。
柔道整復師と柔道の関連性
柔道整復師と柔道には、名称以外にも関連性があります。
それは、両者の起源にあります。
柔道整復師が行う施術は、柔道の起源でもある柔術に由来するものです。
柔術には、人を攻撃する「殺法」と、体に受けたダメージを回復させる「活法」の2つの側面がありました。
この「殺法」が発展して現代の柔道となり、「活法」が柔道整復の施術へとつながっていったのです。
このように、柔道と柔道整復は同じ起源を持つことから、「柔道」という名称が付けられたとされています。
ただし、起源が同じであるという点で共通部分はあるものの、競技としての柔道の経験がなくても、柔道整復師としての技術を習得することに支障はありません。
柔道経験がある場合のメリット
柔道経験は必須ではありませんが、経験があることで得られるメリットもあります。
以下に、いくつかの例を挙げてみましょう。
- 患者さんへの共感力の向上
柔道での怪我や治療を受けた経験から、患者さんの痛みや不安をより深く理解し、適切なフォローをすることができます。 - 施術への応用
柔道で培った身体の動きや力の入れ方の知識を、施術に活かすことができる可能性があります。 - スポーツ選手への対応
スポーツによる怪我に対して、柔道経験から選手の気持ちに寄り添った関わりができます。
ただし、これらのメリットは柔道経験がなくても、学習や経験を積むことで十分に補うことができます。
実際、柔道整復師の養成校に入学する生徒のほとんどは柔道未経験者であり、入学にあたり柔道経験の有無は重要視されていません。
柔道整復師の養成校で柔道を経験することができる
柔道未経験で柔道整復師の資格取得をめざす方も、柔道を学ぶ機会があります。
柔道整復師の養成校では、競技としての柔道が授業に取り入れられているためです。
柔道整復師が誕生した時代背景から、養成校のカリキュラムでは柔道の授業が必須となっています。
この授業を通じて、柔道整復師の由来や礼儀作法、心得を学ぶことができます。
養成校に入学する学生の多くは柔道未経験者です。
そのため、道着の着方から丁寧に指導が行われます。
初心者や女性、運動が苦手な方でも、個々の習熟度に合わせて指導を受けられるので、心配する必要はありません。
一方で、柔道経験者や本格的に柔道に取り組みたい学生のために、黒帯をめざせるような部活を用意している学校もあります。
競技としての柔道を経験したり学んだりすることは、柔道整復師として働くうえで重要な学習として位置付けられているのです。
柔道整復師に柔道経験は必要ないが養成校で柔道について学べる
柔道整復師になるために柔道経験は必須ではありませんが、その起源や関連性について理解することは重要です。
柔道整復師の養成校では、柔道の授業が設けられており、未経験者でも基礎から学ぶことができます。
柔道経験がある場合、患者さんへの共感力向上や施術への応用など、いくつかのメリットがありますが、これらは学習や経験を積むことで補うことが可能です。
重要なのは、養成校でしっかりと専門知識と技術を習得し、患者さんのために尽力する姿勢を持つことです。
柔道整復師をめざす方は、柔道経験の有無に関わらず、自信を持って学習に取り組んでください。
養成校での学びを通じて、柔道整復師としての技術と心得を身につけることができるでしょう。