2022/09/01 2024/02/20

公務員の臨床心理士の年収は？平均年収と比較

臨床心理士は病院や企業、学校などさまざまな場所で人の心のケアにあたっています。
なかには公務員として公立の学校や病院、地域の保健センターや児童相談所などで働いている臨床心理士もいます。

今回は、公務員として勤務する臨床心理士の年収についてご紹介します。
臨床心理士に興味がある人、公務員として勤務したい臨床心理士はぜひ参考にしてください。

臨床心理士が心理職の国家公務員になった場合の年収

まず、臨床心理士が国家公務員の心理職に就いた場合の年収をご紹介します。
これからご紹介する例は東京都特別区内の例となりますので、他の自治体に配属された場合は給料に差が出てくる可能性があります。

原則として、国家公務員の給与は、俸給表に基づいて算出されます。
内閣官房内閣人事局の国家公務員の給与（令和2年版）によると、東京都特別区内で公務員として勤務する臨床心理士の俸給表は、行政職俸給表（一）に該当し初任給は213,000円で、年収は3,514,500円（基本給2,556,000円＋賞与958,500円）となります。
なお、賞与は6月と12月に2.25ヵ月分ずつ支給されます。

また、少年鑑別所や少年院、刑事施設で勤務する、いわゆる法務技官（心理）は、一般の国家公務員に適用される給与に比べ12％程度給与水準の高い、公安職俸給表（二）が適応されます。

初任給は248,400円、年収は4,098,600円です。
賞与は一般の国家公務員と同様、6月と12月にそれぞれ2.25ヵ月分ずつ支給されます。
国家公務員として勤務する臨床心理士の仕事例としては、以下のようなものがあります。

国家公務員総合職人間科学区分（心理学・教育学・福祉および社会学に関する知識、技術またはその他の能力を必要とする業務に従事する）
裁判所職員総合職家庭裁判所調査官補（各家庭裁判所において、裁判官の指示のもと少年事件や家庭事件についての調査や報告を行う）
法務省専門職員人間科学区分（矯正心理専門職区分，法務教官区分，保護観察官区分）
防衛省職員研究職「心理」（人的要因が関与する航空事故や飛行安全に関する調査・研究など）

臨床心理士が心理職の地方公務員になった場合の年収

臨床心理士が地方公務員として働く場合の年収についてみていきます。
総務省の令和2年地方公務員給与の実態によると、大学卒の一般行政職の場合の初任給は全都道府県の平均で187,623円です。

地方公務員の場合は、全都道府県の国家公務員として勤務する臨床心理士と比較しても、給与水準が低くなっています。
ただし、前提として、各都道府県や自治体により募集や月収・年収が異なることは覚えておいてください。

公務員の臨床心理士の年収は民間と比べて高い？

公務員の臨床心理士の年収が、民間の臨床心理士の年収と比べて高いか低いか気になる人も多いことでしょう。
しかし、民間の場合は職場環境や業務内容などによっても年収が異なりますので、公務員の場合と民間の場合の年収を比較することは困難です。

公務員のなかでも国家公務員になることができれば、地方公務員よりは給与水準が良く安定しているといえますが、国家公務員は試験が難しく、狭き門であることを覚えておかなければなりません。

臨床心理士の民間の年収について知りたい方は、以下の記事もあわせてご参照ください。

臨床心理士として何がしたいかを考えて公務員をめざそう

今回は、臨床心理士が公務員として勤務した場合の給料や業務内容について紹介しました。

安定した給料を求める場合は、国家公務員をめざすのも一つの選択肢になりますが、その場合は難しい試験に合格する必要があります。
どのような形態で勤務するにせよ、給料はもちろん大切ですが、臨床心理士として何がしたいのかということも同じくらい重要です。

自分がどのような臨床心理士になりたいのか、臨床心理士としてどのような活動をしたいのかということを考え、それを主軸に勤務先について考えると良いでしょう。

臨床心理士が国家公務員・地方公務員として働く方法として、学校や企業から刑事施設に至るまでさまざまな種類がありますので、自分に合った職種を探してみましょう。

臨床心理士のなり方について知りたい方は、以下の記事もご参照ください。