
「公務員の歯科衛生士は、どのような仕事をするのだろう」と思っていませんか。
「将来は公務員として働きたいけど、なり方がわからない」と悩んでいる方も多くいらっしゃるでしょう。
本記事では、公務員の歯科衛生士の職場・仕事内容を紹介します。
また、公務員の歯科衛生士として働くメリットやなり方も解説しています。
本記事を読むと、公務員の歯科衛生士に対するイメージがより具体的になり、キャリアプランの参考になるので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
公務員の歯科衛生士の職場・仕事内容は?
公務員の歯科衛生士は、行政機関で働く場合と国公立の医療機関で働く場合があります。
行政機関は、地域住民に対して歯科予防の重要さを伝える業務が多く、国公立の医療機関では外来や入院の患者さんの歯や口腔内のケアが主な業務です。
行政機関
行政機関に勤務する歯科衛生士は、保健所や保健センターの職員として働きます。
行政機関では、地域住民や特定の年齢層に向けて、歯科衛生の重要さを伝える業務が多いです。
例えば、幼稚園生・小学生を対象にした虫歯予防の説明や、飲み込む力が低下した高齢者の方への機能訓練指導などが挙げられます。
保健所は都道府県と政令指定都市、中核市に設置されており、地域住民の健康を支えるための業務を担っています。
保健センターは市町村に設置され、主な業務は地域住民に対しての健康診断や保健指導、相談業務などです。
保健所と比較すると、保健センターのほうが地域住民とより密接に関わる業務が多い傾向にあります。
しかし、歯科衛生士としての業務・役割は似ている部分が多いでしょう。
国公立の医療機関
行政機関以外にも、県立病院や市立病院などの国公立医療機関に勤務する歯科衛生士も、「公務員の歯科衛生士」といえます。
国公立の医療機関に勤務する歯科衛生士は、外来患者さんの診療補助や入院患者さんの口腔ケアが主な業務です。
一般の歯科医院に比べて難しい症例の患者さんにあたる機会が多い傾向にあり、外科手術の補助をしたり、口腔内や顎の疾患に対する処置を行ったりする場合もあります。
国公立の医療機関で働く場合、正規職員以外に「臨時職員」として働くことも可能です。
ただし、採用中は公務員と同じ扱いになるため、副業ができない点には注意しましょう。
公務員の歯科衛生士のメリット
公務員の歯科衛生士のメリットは、「安定した給料が見込める」点と「仕事とプライベートを両立しやすい」点です。
公務員の歯科衛生士は、年数を重ねるごとに給料が上がっていき、土日祝休みが多く、残業が少ないのが魅力といえます。
安定した給料が見込める
公務員の歯科衛生士は、勤続年数が長いほど給料が上がっていき、生涯年収は高くなりやすいです。
さらに、公務員は月収以外にもボーナスがもらえるため、安定した収入が見込まれるでしょう。
公務員の求人は給料などの待遇面を公開していない場合が多く、平均月収の具体的な数値は明らかになっていません。
日本歯科衛生士会の調査によると、行政機関で働く歯科衛生士の年収は130〜300万円未満が最も多いです。
一方で、年収700〜800万円以上の歯科衛生士も8.6%おり、勤続年数や職場によっては高い収入がもらえる可能性があります。
仕事とプライベートを両立しやすい
公務員の歯科衛生士は、土日祝が休みである職場が多く、仕事とプライベートが両立しやすいです。
歯科衛生士の勤務実態調査によると、行政機関で働く歯科衛生士は、1日の労働時間が8時間以内であり、勤務日数が5日以内である場合が多いという結果が出ています。
さらに、産前・産後休暇や育児休暇などの体制が整っているため、子育て中の世帯でも安心して働けるでしょう。
例外として、土日祝にイベントや検診が開催される場合や、入院している患者さんの容体が急変した際などは、曜日に関係なく出勤したり、残業したりする場合もあります。
歯科衛生士が公務員になるには?
歯科衛生士が公務員になるには、次の3つのステップを踏む必要があります。
- 求人を探す
- 公務員試験に合格する
- 歯科衛生士の国家試験に合格する
公務員の歯科衛生士は競争率が高く、合格するには早めの行動と計画的な対策が必須です。
求人を探す
歯科衛生士が公務員になるには、最初に公務員の求人を探す必要があります。
免許の取得前の方は、勉学と同時進行となるでしょう。
公務員の求人は、求人サイトやハローワークの求人にはあまり掲載されていないので、各自治体のホームページを確認する必要があります。
ホームページの他に、地域の歯科衛生士会や知り合いを頼りにして情報収集を行ってみても良いでしょう。
公務員の歯科衛生士の求人は募集期間が短く、倍率が高い場合が多いのが現状です。
住んでいる地域や関心のある市区町村のホームページや刊行物を頻繁に確認し、気になる求人があればできるだけ早めに応募することをおすすめします。
公務員試験に合格する
歯科衛生士が公務員をめざすには、「国家公務員試験」または「地方公務員試験」に合格する必要があります。
試験内容は、1次試験で筆記試験を行い、2次試験で面接という流れを組んでいるケースが多いです。
また、上記の他に性格検査や身体検査を実施する自治体もあります。
公務員試験は、採用人数があらかじめ決まっています。
しかし、少ない採用人数に対して実際は多くの受験者が集まるので、倍率は高くなりやすいです。
公務員試験を受験する前に、採用人数をチェックしておきましょう。
また、近年は面接試験に力を入れている自治体も増えているので、公務員試験では筆記試験の対策だけでなく、面接試験の対策も行いましょう。
歯科衛生士の国家試験に合格する
現時点で歯科衛生士の免許を持っていない人は、公務員試験だけでなく、歯科衛生士の国家試験に合格しなければなりません。
特に受験資格に免許の取得見込みの者とある場合は、歯科衛生士の国家試験と公務員試験にダブル合格する必要があります。
歯科衛生士の国家試験の合格率は95%程度であり、比較的高いです。
国家試験の試験科目は「人体の構造と機能」「歯・口腔の構造と機能」「歯科衛生士概論」など9科目で構成されており、いずれも現場で働くうえで必要な知識です。
試験はマークシート方式で、実技試験はありません。
合格率が高いとはいえ、公務員試験との兼ね合いを見て勉強しましょう。
公務員の歯科衛生士は狭き門だが社会的信用性が高い仕事
公務員の歯科衛生士の職場は、行政機関と国公立の医療機関です。
行政機関では、保健所や保健センターに勤務し、地域住民に歯科衛生の重要さを伝える活動や歯科検診を行います。
国公立の医療機関では、外来や入院の患者さんに対しての診療補助や、口腔内ケアを担っています。
公務員の歯科衛生士のメリットは、安定した給料とワークライフバランスが見込めることです。
歯科衛生士の公務員試験を受けられるのは、歯科衛生士の免許を持っているか、免許取得見込みの人です。
達成するためには、早めに求人を見つけ、計画的に試験対策を進めましょう。