
歯科衛生士は医師や看護師と同様に医療従事者であり、ネイルをしているイメージは浮かびづらい人が多いのではないでしょうか。
実際、歯科衛生士のネイルは基本的にNGとされています。
なぜネイルをしてはいけないのか、ネイルができないのであれば、爪をどの程度整えて良いのかについて、解説していきます。
歯科衛生士の方やこれから歯科衛生士をめざす方はもちろん、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
目次
歯科衛生士のネイルは基本的にNG
歯科衛生士のネイルは基本的にNGです。
歯科衛生士の仕事では、患者さんの口の中に手を入れるため、特に手の清潔さが重要になります。
ネイルをしていることで、患者さんから不潔なイメージをもたれやすく、印象が悪くなってしまう可能性があります。
その結果、患者さんと歯科衛生士の間の信頼関係が築きづらくなり、処置やケアを行うことが難しくなることもあるでしょう。
なぜ歯科衛生士のネイルがNGなのか、具体的に解説していきます。
歯科衛生士のネイルがNGな理由
歯科衛生士のネイルがNGな理由は、大きく分けて3点あります。
衛生上良くないことに加え、患者さんからの印象も悪くなる可能性が考えられるでしょう。
また、口腔内のケアには指先の器用さや繊細な感覚が求められるため、仕事の精度が落ちる可能性もあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
衛生上良くない
歯科衛生士は、患者さんの口の中に手を入れながら、処置介助や保健指導を行います。
長い爪やパーツがついた爪だと、手袋を破いてしまい、ときには口腔内を傷つけることにつながる可能性があります。
口の中で裂傷が起こると、必要なかった処置を増やしてしまいかねません。
また、長い爪は隙間から雑菌が入るだけではなく、雑菌が繁殖しやすく、患者さんを感染症に陥らせてしまう危険性もあります。
特に高齢の方や免疫が弱い方は、感染症にかかると重症化しやすいため、注意が必要です。
仕事の精度が落ちる可能性がある
ネイルをすることで手先の感覚が鈍くなり、歯科衛生士の実習や日々の業務で磨いた技術の精度を落としてしまう可能性があります。
ネイルをすることで、爪の先には人工物ができてしまいます。
もちろん、人工物は指先のように神経が通っていないため、その先まで感覚を研ぎ澄ませることは難しくなるでしょう。
その結果、いつもはできている処置介助やケアでも、うまく行うことができなくなってしまう可能性があります。
患者さんからの印象が良くない
口の中に入れられる歯科衛生士の手先でグローブが不自然に尖っていたり、ストーンや大きなパーツがついているのを見ると、不安を感じる患者さんもいるでしょう。
歯科検診や歯石取りであれば、患者さんは基本的に麻酔をせずに意識のある状態でその処置を受けます。
麻酔を使うとしても、大きな手術でない限り局所麻酔などが用いられることが多く、歯科衛生士の手は患者さんの視界に自然と入ってしまいます。
患者さんの立場で考えると、ネイル以外にも派手な髪型や髪色、香りのきつい香水なども不快に感じさせる原因になりえるため、できるだけ取り除くことが信頼につながるでしょう。
歯科衛生士がネイルOKな職場はある?
結論から述べますと、歯科衛生士がネイルOKな職場はあります。
しかし、派手なデザインやパーツが多いものは上記の理由で認められないことも多く、直接歯科医院に確認することが重要です。
歯科医院によってはOKなところもある
歯科医院によっては、ネイルに対し許容範囲が広く、OKな職場もあります。
就職する前に情報を集めたり、採用者に確認しましょう。
歯科衛生士のネイルがOKな歯科医院は、審美歯科や矯正歯科などの自由診療に重きを置いているところが多い傾向があります。
ネイルに重きを置きすぎて、就職先の幅が狭まってしまったり、自分のめざしている理想の歯科衛生士像がわからなくなってしまわないよう、ネイルの優先順位を決めておくことも重要です。
OKな職場でも爪の長さ・デザインには注意する
歯科医院の方針として歯科衛生士のネイルがOKであっても、派手なデザインや大きなパーツがついた爪をしていると、自分の業務の妨げとなってしまう可能性があります。
マニキュアであれば、すぐに落としづらいジェルネイルとは異なり、必要に応じてすぐに落とすことができるためネイルをする場合はおすすめです。
また色も奇抜なものではなく、目立たないベージュやクリアカラーを選び、ストーンやパールなどの大きなパーツを避けることもポイントになります。
歯科衛生士がネイルNGでも爪をきれいに見せる方法
ネイルは禁止でも、手先や爪は自宅でのケアできれいに保つことができます。
歯科衛生士はネイルNGだからといって手先のケアを怠ることなく、日々ケアをすることで自慢の指先を保てるでしょう。
以下では、どのような方法でケアをすれば良いのかを具体的に見ていきましょう。
手先のケアを怠らない
医療従事者である歯科衛生士は手洗いやアルコール消毒を頻繁に行うため、手や指先が乾燥し、ひび割れを起こすこともあります。
なかにはひび割れに絆創膏を貼っても、アルコール消毒がしみるほど悪化する場合もあります。
手先が乾燥しているといつも以上に指先が気になってしまうため、クリームやオイルでこまめに保湿することが重要です。
ポケットに入るサイズのハンドクリームなどがあると、忙しい業務中でもさっと塗ることができ、おすすめです。
爪の長さと表面を整える
爪を切らず適当な長さで放置していると、器具や物品に爪が引っかかってしまったり、欠けてしまうこともあり得ます。
自分のケガだけではなく、最悪の場合は患者さんのケガや医療機器の破損につながるため、注意が必要です。
定期的に爪を適切な長さにカットすることに加え、表面のでこぼこを爪専用のやすりで整えると、理想の爪に近づけることができます。
毎日行わなくても、時間のある日や休みの日に行うだけでも変わるので、ぜひ習慣づけてみてください。
甘皮処理を行う
爪の甘皮を整えることで、爪の面積が広くなりきれいに見えるようになります。
爪の甘皮処理にはリムーバーやウッドスティック、コットンなど必要な物品はありますが、自宅でも簡単に行うことができます。
最近は甘皮処理用のケアオイルがペン先タイプのアプリケーターに入っている、一体型の商品もあるため、ぜひチェックしてみてください。
ただし、爪の甘皮は雑菌の侵入を防ぐ役割もあるため、取りすぎには注意が必要です。
歯科衛生士は指先の清潔感が大切
歯科衛生士はネイルNGな職場が多いですが、理由として衛生上良くないことや仕事の精度が落ちる可能性があることに加え、患者さんからの印象が良くないことが挙げられます。
歯科医院によってはネイルOKな職場もありますが、指先の清潔感を維持することが重要です。
爪の長さや表面を整えるだけでもきれいに見えますが、甘皮処理を行うことでより一層清潔な指先を維持できます。
指先のケアを怠らず、清潔感をもちながら歯科衛生士の業務を行いましょう。