保育士のなかには、仕事中にもネイルを楽しみたいと考える人もいるでしょう。
仕事中のネイルの可否は職種によって異なりますが、保育士のネイルは認められているのでしょうか。
本記事では、保育士のネイルの可否について解説したうえで、許可されている場合のマナーや、ネイルNGの保育士がネイルを楽しむ方法などを紹介します。
目次
保育士のネイルは基本NG
保育士のネイルは、安全面を理由に禁止している保育園が多いです。
ネイルを許可している保育園もわずかにありますが、その場合も園の規定を守り、安全性や保護者からの信頼を損ねない範囲に留めましょう。
保育士がネイルNGといわれる理由
保育園でのネイルが禁止されている理由は、以下のとおりです。
- 長い爪で傷をつける恐れがあるから
- 爪に汚れがたまり不衛生だから
- 化学物質からアレルギー発症の不安があるから
- 保護者からの信頼を損ねる可能性があるから
それぞれ見ていきましょう。
長い爪で傷をつける恐れがあるから
ネイルは爪をある程度伸ばして行うものが多いですが、長い爪は子どものデリケートな肌を傷つける恐れがあるため、保育士の爪は短く切った状態に保つ必要があります。
たとえ長く伸ばしていなくても、爪のかけた部分や装飾部分が当たれば怪我につながるでしょう。
爪に汚れがたまり不衛生だから
ネイルは爪と皮膚のあいだや、装飾部分に汚れが溜まりやすいため、衛生面を重視する職種では原則禁止です。
保育士も子どもを感染症などから守る責任があるため、ネイルをNGとしているケースが多いでしょう。
化学物質からアレルギー発症の不安があるから
マニキュアやジェルネイルには、化学物質が含まれています。
一般的に心配ないとされているものでも、機能が未発達の子どもにとって安全とはいい切れません。
アレルギーが発症すれば、命の危険もあります。
子どもへの影響が心配な物質は、保育の場では避けることが重要です。
保護者からの信頼を損ねる可能性があるから
これまでに紹介した理由から、ネイルをしている保育士に対して良い印象を抱かない保護者もいます。
一人の保育士への不信感が、園全体の信用問題につながる恐れがあるので、避けたほうが良いでしょう。
また、多くの保育園では子どもたちに対しても、お互いが怪我をすることのないよう、爪を短く切るように指導しています。
その際には保育士も、子どものお手本となるよう爪を短く清潔な状態にしておきましょう。
保育士のネイルが認められている園でのネイルマナー
ネイルは多くの保育園で禁止されていますが、なかには許可されている保育園もあります。
ただし、許可されている場合であっても、ネイルをするのであれば、園の規定の範囲内でマナーを守って行わなくてはなりません。
園の規定を守ったネイル
ネイルを許可している場合でも、「目立たない色なら可」「爪の保護が必要な場合のみ可」など、許容範囲は保育園によって異なります。
まずは園の規定を確認してみましょう。
可能なネイルの範囲がわからないときは、先輩や園長に相談することをおすすめします。
肌なじみの良い色にする
ネイルが許可されている場合でも、ベージュや薄いピンクなど、目立たず肌なじみが良い色を選びましょう。
複数の色を重ねたり、派手なデザインにすることはNGです。
パーツは避ける
ネイルのパーツが業務中に落ちると、子どもが誤飲してしまう恐れがあります。
特に大きいパーツや立体的なパーツを誤飲すると窒息する危険があるため、パーツの使用はNGです。
ネイルチップは避ける
ネイルチップは取り外して繰り返し使えるため、ネイルが禁止されている職場でも休日だけ着用するような楽しみ方が可能ですが、業務中に剥がれ落ちてしまうと、パーツと同様に誤飲のリスクがあります。
ネイルチップをつけたまま保育園に出勤するのはNGです。
ネイルNGの保育士がネイルを楽しむポイント
保育士は原則ネイルNGですが、着脱可能なネイルを休日だけ使うなど、工夫次第でネイルを楽しむことは可能です。
ここでは、ネイルNGの保育士がネイルを楽しむポイントを紹介します。
フットネイルだけを楽しむ
足の爪であれば靴下で隠れるので、人目を気にせずネイルを楽しめます。
出勤していないときに好きなカラーやデザインを見ると、気分も上がるでしょう。
ただし、夏場でプール指導をするときは裸足になるので注意が必要です。
夏以外にも裸足になる機会がある保育園では控えておくか、事前に確認しましょう。
休みの日だけネイルを楽しむ
休日に思いっきりオシャレを楽しむのも一つの方法です。
ネイルチップやネイルシールであれば簡単に取り外しができるので、1日単位で楽しめます。
サロンに通ったり、本格的なデザインにしたりするのは長期休暇にするのがおすすめです。
費用や自爪への影響がなるべく少ないネイルにすると良いでしょう。
自爪を美しく見せる
ネイルが禁止されている保育園では、爪をきれいにできないと諦めるかもしれません。
しかし、ネイルを施さなくても自爪をケアすることで手元を美しく見せることができます。ここではマニキュアや装飾を使用せずに、爪の見栄えを良くする手順を見ていきましょう。
ステップ➀自爪を整える
爪やすりを使用し、爪をきれいに整えましょう。
爪の先端が整っていなければ、子どもの肌を傷つけてしまうかもしれません。
きれいに見せるだけでなく、子どもたちと安全に接するためにも、爪やすりで整えておくのはおすすめです。
ステップ②甘皮処理をする
保育士は衛生面や安全面の観点から、爪を長く伸ばせません。
しかし、甘皮処理をすれば爪のピンク色の部分が増えるので、指を長くすらりと見せることができるでしょう。
ただし、誤った方法で行えば出血や炎症を起こす危険性があります。
正しい方法で丁寧に処理しましょう。
ステップ③爪の保湿をする
爪が乾燥していると、割れてしまったりささくれができたりします。
特に水仕事やアルコール消毒をする場合は手だけでなく爪も乾燥するので、ケアが大切です。
ネイル専用のオイルや、ハンドクリームを塗ると乾燥を抑えられます。
保育中は無香料のものを推奨しますが、自宅や休日に塗る際は好みの香りを選ぶと気分も上がるでしょう。
保育士のネイルに関するよくある質問
ここでは保育士のネイルについてのよくある質問と、その回答を紹介します。
保育士ですがネイルが透明であれば問題ないですか?
保育園の規定によるので、一概にはいえません。
ネイルのはがれによる誤飲防止や、マニキュアに含まれている化学成分の観点から、ネイル自体を禁止にしているケースが多いです。
ただし、爪が弱ると割れやすくなるため、反対に子どもたちを傷つける可能性があります。
爪の保護が目的の場合に限り、ネイルを許可している園もあります。
ネイルがOKの保育園の特徴は?
ネイルを認めている可能性が高い保育園の特徴は、以下のとおりです。
● 新設されて間もない保育園
● 都市部にある小規模な保育園
新設されたばかりの保育園や、都市部の保育園は、人材確保のために募集条件を緩め、ネイルもOKとしている場合があります。
特に都市部の保育園は人手不足が深刻です。
厚生労働省の発表によると、令和4年度の保育士の有効求人倍率は全国が2.73倍、東京都は3.66倍でした。
ただし、人材不足のなかにあっても保育士のネイルはNGとしているケースも多いため、応募する際にきちんと確認しましょう。
保育士のネイルの基準は子どもを最優先に考えよう
保育士のネイルは、安全上の理由から原則NGです。
保育園におけるネイルは、長い爪で子どもの肌を傷つけたり、細かいパーツが剥がれて誤飲したり、たまった汚れが感染症を広める原因になるなど、多くのリスクがあります。
しかし、なかにはネイルを許可している保育園もあるため、気になる人は確認してみましょう。
許可されているケースであっても「目立たないもののみ」「爪を保護する目的のみ」など、園によってスタンスは異なります。
また、ネイルがNGの職場であっても、靴下で隠れるフットネイルや、着脱が簡単で休日のみ着用できるネイルチップを楽しむ方法もあります。