
歯科衛生士への就職や転職を考えるとき、給料を重視したい方は多いでしょう。
本記事では歯科衛生士の給料はどれくらいなのか、全国平均年収と全国平均月収、さらに男女別・年齢別・地域別にご紹介します。
新卒で歯科衛生士として就職した場合の初任給や給料を上げる方法も解説しているため、これから歯科衛生士をめざす方はチェックしてみましょう。
歯科衛生士の資格について詳しく解説した以下の記事も、あわせてご参照ください。

目次
歯科衛生士の給料は?
歯科衛生士をめざすうえで、給料がどのくらいもらえるのかは職場選びの重要なポイントになります。
ここでは歯科衛生士の平均月収と平均年収、初任給をご紹介します。
平均月収
歯科衛生士の平均月収は以下のとおりです。
男性 | 女性 | |
平均月収 | 約27.4万円 | 約28.3万円 |
平均年齢 | 32.5歳 | 36.6歳 |
厚生労働省が調査を行った「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、男性よりも女性のほうが平均月収が高い結果となりました。
全体の平均月収は約28.3万円です。
また、この平均月収から平均日給を算出すると、12,864円となります。
ただし、給与や待遇については勤めるクリニック・歯科医院によって千差万別です。
資格手当や皆勤手当など、各種手当が充実している職場では、ボーナスも多く期待できるかもしれません。
また、正社員のほかパート・アルバイト、フリーランスなど雇用形態によっても収入には差が出るでしょう。
平均年収
歯科衛生士の平均年収は以下の表のとおりです。
男性 | 女性 | |
平均年収 | 約377.8万円 | 約382.5万円 |
上記の平均月収同様、厚生労働省による「令和4年 賃金構造基本統計調査」の結果から、男性よりも女性のほうが平均年収が高いことがわかりました。
また、全体の平均年収は382.5万円です。
初任給
新卒で歯科衛生士の正社員になった場合、初任給は約16万円〜21万円とされています。
仮に手取り金額を総支給額の8割で算出すると、実際に受け取れるのは約13万円~17万円です。
ただし、歯科衛生士の初任給は地域や勤務先ごとで差があります。
また、歯科衛生士になる過程で4年制の大学を卒業している方と3年制の専門学校や短大を卒業している方とでは、初任給の額に違いが出るでしょう。
多くの場合、4年制大学を卒業した人のほうが初任給は高い傾向にあります。
もし初任給が物足りなくとも、現場での知識やスキルが重要視される職業であるため、キャリアアップによって将来的にさらなる昇給が望めるかもしれません。
歯科衛生士の給料【年齢別】
年齢別に見た歯科衛生士の年収は、以下のようになります。
年代 | 平均年収 |
20代前半 | 約310万円 |
20代後半 | 約377万円 |
30代前半 | 約351万円 |
30代後半 | 約398万円 |
40代前半 | 約468万円 |
40代後半 | 約413万円 |
50代前半 | 約441万円 |
50代後半 | 約403万円 |
60代前半 | 約452万円 |
60代後半 | 約416万円 |
70代~ | 値なし |
参考:歯科衛生士 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
表からもわかるように、歯科衛生士の年収は300万円~400万円あたりを推移しています。
また、20代後半など若い方でも比較的高い収入を得られるケースもあるでしょう。
企業規模ごとの平均年収は、次のようになっています。
- 10人以上:382万4,700円
- 10~99人:374万9,800円
- 100~999人:405万9,100円
- 1,000人以上:446万7,400円
小規模な歯科医院と比較すると、規模の大きな病院などに勤める歯科衛生士のほうが高収入となりやすい傾向が見てとれるでしょう。
歯科衛生士の給料【地域別】
歯科衛生士の給料は、勤務先の地域によっても異なります。
ここでは、一部地域を抜粋して平均月収と平均年収をチェックしてみましょう。
平均月収
地域別に見た歯科衛生士の平均月収はいくらぐらいなのでしょうか。
地域 | 平均月収 |
北海道 | 約33万円 |
東京都 | 約39万円 |
神奈川県 | 約40万円 |
愛知県 | 約34万円 |
大阪府 | 約29万円 |
広島県 | 約32万円 |
福岡県 | 約38万円 |
沖縄県 | 約30万円 |
上記の金額は、残業代などの各種手当を含んだ平均年収から算出しています。
雇用形態によっては税金や社会保険料が引かれるため、実際の手取り額はもう少し低くなることが考えられるでしょう。
平均年収
地域別に見たときの歯科衛生士の平均年収は、以下のようになります。
地域 | 平均年収 |
北海道 | 395.1万円 |
東京都 | 467.8万円 |
神奈川県 | 474.8万円 |
愛知県 | 407.6万円 |
大阪府 | 348.7万円 |
広島県 | 378.8万円 |
福岡県 | 453.2万円 |
沖縄県 | 362.4万円 |
参考:歯科衛生士 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
上記は、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに算出しています。
勤務地の地域によっても、年収に差があることがわかるでしょう。
歯科衛生士が給料を上げるには?
歯科衛生士が給料を上げるためには、以下の2つの方法が考えられます。
- 資格の取得をめざす
- 業務の範囲を広げる
それぞれ詳しく見てみましょう。
認定資格を取得する
歯科衛生士からさらなるスキルアップをめざして資格を取得することで、職場によっては資格手当などの支給対象となり、給料アップが見込めます。
歯科衛生士の資格を活かして取得できる資格には、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 日本歯科衛生士会認定歯科衛生士
- 日本歯周病学会認定歯科衛生士
- インプラント専門歯科衛生士
- 日本歯科審美学会認定士
- ホワイトニングコーディネーター
なかでも日本歯科衛生士会認定歯科衛生士は、所有しているだけで歯科衛生士よりも高度な知識や技術を証明できる資格です。
日本歯科衛生士会による専門研修を30単位以上修得していること、歯科衛生士としての経験が3年以上あることなど、合格するには条件があります。
幅広い業務内容をこなせるようにする
歯科衛生士としての業務のほかに、新人教育や事務作業もできるような貴重な人材になることで、給料が上がる可能性があります。
幅広い内容をこなせるように、積極的にさまざまな業務にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
歯科医院やクリニックによっては、インプラント、ホワイトニングをはじめとする自費診療の売上に応じてインセンティブを設けている場合もあります。
これらのスキルを磨くことで給料アップが期待できるだけでなく、人事評価にもつながるかもしれません。
重宝される人材になるには、歯科衛生士としての純粋なスキルはもちろん、スタッフや患者さんとのコミュニケーションも大切にしましょう。
歯科衛生士の全国平均年収は約380万円だが年齢・地域によって異なる
歯科衛生士の全国平均年収は約380万円、平均月収は約28.3万円です。
ただし勤務先のクリニックや病院によって給料にはばらつきがあり、都会・地方などの地域によっても給料水準は変わってきます。
このときの年収は総支給額であり、手取り金額はさらに少なくなる点にも注意が必要です。
歯科衛生士の給料を上げるためには、業務内容を広げたり認定歯科衛生士などの資格取得をめざしたりなど、スキルアップをめざしてみてはいかがでしょうか。