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児童指導員と保育士の違いは?仕事内容・勤務先・資格を比較

児童指導員と保育士は幼い子どものお世話をしたり、生活指導を行ったりします。
児童福祉に関連した仕事をしたいと考え、児童指導員や保育士をめざす方もいらっしゃることでしょう。

どちらも児童福祉に関わる仕事であり、一見すると同じようにも見えますが、児童指導員と保育士では仕事内容や勤務先、資格の取得方法などで違いがあります。
どちらの職業を選ぶにしても、それぞれに適した方法でめざすことが大切です。
今回は、児童指導員と保育士の違いを、比較しながら詳しく解説します。

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児童指導員と保育士の違い

児童指導員と保育士は、どちらも児童福祉に関係する仕事です。
どちらの仕事も、子どものお世話や生活指導をしますが、必要な資格や仕事内容、勤務先は異なります。
児童指導員と保育士の違いを、比較して解説しましょう。

資格取得方法の違い

児童指導員 児童指導員任用資格の要件を満たす
保育士 保育士の国家資格を取得する

児童指導員と保育士は、資格の取得方法が違います。
児童指導員は、業務を行うのにふさわしい能力があることを証明する、任用資格の要件を満たすことで認められます。

保育士は、特定の学校に通ったり、国家試験に合格することで資格の取得が可能です。
以下でそれぞれくわしく解説します。

児童指導員の資格取得方法

児童指導員には、国家試験のような特定の資格試験がありません。
一定の要件を満たし、ふさわしいと判断された人が児童指導員と認められ、職に就くことができます。
このような資格を、任用資格といいます。
児童指導員の任用資格の要件は、次のとおりです。

  • 大学・短大・専門学校などで、社会福祉学や社会学・心理学・教育学を専門に学び、卒業する。
  • 社会福祉士か精神保健福祉士の国家資格を取得している。
  • 高校や中等教育学校を卒業後に、2年以上児童福祉事業で実務を経験している。
  • 3年以上児童福祉事業で実務経験を積み、厚生労働大臣もしくは都道府県知事から認定を受けている。
  • 幼稚園教諭・小中学校教員・高校教員のいずれかの免許を所持し、厚生労働大臣か都道府県知事の認定を受けている。

つまり、大学などで特定の内容を修了するか、適切な資格を取得する、あるいは必要な実務を経験するといった複数の方法から、自身のキャリアプランに合わせた方法を選んで資格が取得できます。

保育士の資格取得方法

保育士の資格は、次の方法で取得できます。

  • 保育士の養成課程がある学校を卒業する
  • 保育士国家試験に合格する

保育士は国家資格です。
基本は国家試験を受けて合格する必要がありますが、厚生労働大臣が指定した保育士養成学校や、保育士養成課程がある大学・短大・専門学校を卒業した人は、無試験で保育士資格を取得できます。
これから進学先を検討する方は、該当する学部・コースがある学校を視野に入れてみましょう。

保育士養成コースがない学校を卒業した人も、国家試験を受けて合格すれば保育士の資格を取得できます。
例えば、大学で保育士課程を専攻しなかった方や、最終学歴が中学卒業の方も、受験資格の要件を満たしていれば保育士の国家試験を受けられます。

保育士の国家試験は年2回です。
試験は、全国の地方自治体で行われます。
自分に合った方法で保育士の資格を取得しましょう。

保育士資格の情報をもっとくわしく知りたい方は、以下のページもご参照ください。

仕事内容の違い

仕事内容 対象年齢
児童指導員 日常生活全般のサポート
療育(障がい児施設の場合)
0歳〜18歳
保育士 園児のお世話
行事の企画・運営
0歳〜6歳

児童指導員と保育士は、仕事内容にも違いがあります。
それぞれの仕事内容と役割を、比較して解説します。

児童指導員の仕事内容

児童指導員の仕事内容は、主に次の2つです。

  • 入所児童の生活全般のサポート
  • 心身に障がい を持つ児童の療育

養護施設に入所している児童は、保護者と離れて暮らしています。
対象となるのは0歳〜18歳までの児童で、本来保護者から受けられるはずの指導や、生活面でのサポートも受けられない状態です。

児童指導員は、養護施設の児童が健やかに育つよう、日常生活全般から独り立ちするための準備まで、幅広いサポートで自立を促します。

心や体に障がいを持つ児童のための施設では、療育も児童指導員の仕事です。
障がいがあっても問題なく社会に溶け込めるよう、児童指導員が他職種と連携しながら療育を行います。
不安を抱える保護者から相談を受けたり、必要に応じてサポートすることもあります。

保育士の仕事内容

保育士の仕事内容は、主に次の2つです。

  • 園児の身の回りの世話
  • 保育園の行事を企画・運営する

保育園で預かるのは、0歳〜6歳までの児童です。
仕事や家庭の事情で面倒をみられない保護者に代わり、日中などの一定の時間帯に限り保育士が保育園で預かり身の回りのお世話をします。
日常的に行われるのは、食事やオムツ交換といった排泄の世話、散歩・絵本の読み聞かせなどです。

毎日のお世話以外では、行事を企画・運営するのも保育士の仕事です。
例えば、子どもの成長を発表するお遊戯会や、親子で楽しめる運動会・夏祭りなどの企画・準備も、保育士が担当します。

保育士に求められるのは、預かった子どものお世話をしながら、保護者とともに子どもたちの心身の成長をサポートすることです。

保育士の仕事内容をもっとくわしく知りたい方は、以下のページもご参照ください。

児童指導員と保育士の勤務先の違い

勤務先
児童指導員
  • 児童養護施設
  • 乳児院
  • 児童発達支援事業所
  • 児童発達支援センター
  • 放課後等デイサービス
  • 障がい児入所施設
  • 児童心理治療施設

など

保育士
  • 保育園
  • 母子生活支援施設

など

児童指導員と保育士は、勤務先にも違いがあります。
代表的な勤務先を、それぞれに分けて解説します。

 

児童指導員の勤務先

児童指導員の主な勤務先には、次のような場所が挙げられます。

  • 児童養護施設
  • 乳児院
  • 児童発達支援事業所
  • 児童発達支援センター
  • 放課後等デイサービス
  • 障がい児入所施設
  • 児童心理治療施設

児童養護施設や乳児院は、さまざまな事情から養育環境が整っていない児童が入所する施設です。
児童指導員は保護者の代わりに、入所した児童のお世話をします。
児童養護施設は24時間365日対応なので、交代制で夜勤や休日出勤もあります。

児童発達支援事業所は、一言でいうと地域に密着した通いやすい障がい児施設です。
障がいのある児童が利用できるデイサービスを提供するため、児童指導員がサポートにあたります。

児童発達支援センターは、障がいを持つ児童の機能訓練や、社会参加するための療育を行う施設です。
施設に最低でも1名以上の児童指導員が必要で、児童のサポートや家族とのコミュニケーションなどを担います。

放課後等デイサービスは、就学中の障がい児が放課後や長期休暇中に通うための通所施設です。
地域に密着しているので通いやすく、長期休暇中に社会参加のための訓練や、地域交流・アクティビティを体験できます。
サービス提供の基準は発達支援センターに準拠しており、最低でも1名以上の児童指導員が必要です。

障がい児入所施設は、自宅での世話が困難な障がい児が入所する施設です。
障がい児入所施設で働く児童指導員は、食事・お風呂・排泄といった日常生活のサポートから、基本動作や社会参加へ向けた療育などを行います。

児童心理治療施設は、心理的な問題により日常生活を送ることに支障をきたす子どもを、心理治療による医療面から支える施設です。
心理治療は医師や心理療法士の役割ですが、児童指導員や保育士は、子どもたちが集団行動に適応できるように生活指導を行います。

保育士の勤務先

保育士の勤務先には、次のような場所が挙げられます。

  • 保育園
  • 母子生活支援施設

保育園は、仕事や家庭の事情で保護者のお世話が難しい児童を預かり、食事から情操教育まで幅広く行う施設です。
保育園で働く保育士は、児童のお世話だけではなく、地域交流やイベントの企画・運営も行います。

保育士資格取得者の 多くは保育園を中心とした保育所に就職しますが、児童指導員と同様に児童養護施設や障がい児施設、乳児院 などの勤務先も選択できます。

保育士の勤務先

出典:保育士の現状と主な取組について

母子生活支援施設は、原則18歳までの児童と配偶者のない母親が入所し支援を受ける施設です。
母子生活支援施設で働く保育士は、入所した母親が安心して働けるよう、施設内に併設された保育室で子供のお世話を担当します。

保育士から児童指導員をめざすには?

保育士は任用資格の要件を満たしていないので、保育士資格を持っているだけでは児童指導員になれません。
ただし、児童養護施設や母子生活支援施設など、児童福祉法で定められた施設で2年以上の実務経験があれば、任用資格を認められて児童指導員になれます。

実務ルートで児童指導員をめざす場合、2年以上3年未満の実務経験では中学卒業以上の学歴が必要です。
3年以上の実務経験がある方は、学歴に関係なく任用資格に認められます。
保育士から児童指導員をめざすときは、実務ルートで任用資格の要件を満たしましょう。

児童指導員になる方法をもっとくわしく知りたい方は、以下のページをご参照ください。

児童指導員と保育士は仕事内容や必要な資格はまったく異なる

保育士は、保育士養成課程のある学校を卒業すると、無試験で資格を取得できます。
また、保育士養成課程を修了していなくても、受験資格があれば保育士国家試験を受けることが可能です。

それに対して、児童指導員は特定の要件を満たすことで取得できる任用資格であり、資格取得の条件を満たすことが求められます。

働く施設が重なっていることもありますが、保育士と児童指導員では求められている役割も異なります。
仕事内容や資格取得の方法を確認し、自分に合った方法で児童指導員や保育士をめざしましょう。

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