
児童発達支援管理責任者は、障害のある子どもの生活をサポートを管理する専門職です。
保育所等訪問支援や放課後デイサービスなどの障害児支援施設には、原則として一人以上の児童発達支援管理責任者を配置することが義務付けられています。
しかし、平成31年に行われた研修制度の改正により、一人以上の配置が難しくなりました。
これを受け、現在は経過措置として配置の緩和(みなし配置)が実施中です。
本記事では、児童発達支援管理責任者のみなし配置について解説します。
要件や注意点について詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。
目次
児童発達支援管理責任者のみなし配置について
児童発達支援管理責任者の研修制度の改正にあたっては、新制度に移行する期間に猶予措置が用意されており、みなし配置と呼ばれています。
ここでは、次の3つを見ていきましょう。
- 児童発達支援管理責任者のみなし要件
- 児童発達支援管理責任者のみなし配置期間
- 児童発達支援管理責任者の2人目配置について
児童発達支援管理責任者のみなし要件
児童発達支援管理責任者は、事業所ごとに以下の配置基準が定められています。
- 障害児通所支援事業所等ごとに一名を配置
しかし、新体制に移る間の混乱を避けるために、現在はみなし制度が用意されています。
まずは、児童発達支援管理責任者のみなし要件について、より詳しく見ていきましょう。
基礎研修受講に必要な実年数+2年ある人
児童発達支援管理責任者になるには、基礎研修と実践研修の修了が必要です。
しかし、すでに旧制度で児童発達支援管理責任者の仕事をしてきた人たちには、研修を修了するまでの時間が別途必要になってしまいます。
緩和期間がないと、児童発達支援管理責任者が一時的に欠員してしまう可能性もあるでしょう。
そのため、令和3年度までに基礎研修を修了した場合は、基礎研修受講に必要な実年数+2年を満たせば、みなし配置が可能になります。
その結果、児童発達支援管理責任者として基礎研修修了日から3年間は配置できるのです。
2021年までに基礎研修を修了している人
児童発達支援管理責任者のみなし配置は1回延長になっており、2021年度の間に基礎研修を修了した人が対象になっています。
児童発達支援管理責任者のみなし配置は、基礎研修修了日から3年の間に実践研修を修了することが条件です。
そのため、実践研修を修了できなかった場合は、3年経過した時点でみなしが受けられなくなります。
また、みなし配置を行う場合は、事業所が指定権者への届出をしなければなりません。
指定権者への届出とは、事業所が所在する自治体に変更を届け出ることです。
児童発達支援管理責任者のみなし配置期間
児童発達支援管理責任者のみなし配置期間は3年間になっています。
基礎研修を2019年度に修了した人は2022年度まで、2021年度に修了した人は2024年度まで、児童発達支援管理責任者としてみなし配置が可能です。
しかし、みなし配置している人が児童発達支援管理責任者として働き続けるには、みなし配置期間内に実践研修を受講して修了する必要があります。
3年以内に実践研修修了者になる必要があり、実践研修を実践しなかった場合は、3年でみなしを受けられなくなるので注意しましょう。
児童発達支援管理責任者の2人目配置について
児童発達支援管理責任者の配置についても緩和がされています。
児童発達支援管理責任者が一名配置されていれば、基礎研修修了者は2人目の児童発達支援管理責任者として配置が可能です。
2人目の児童発達支援管理責任者になると、実践研修が修了していなくても個別支援計画書の原案が作成できます。
ただし、2人目として配置するには、事業所から指定権者への届出が必要です。

児童発達支援管理責任者のみなし制度の注意点
児童発達支援管理責任者のみなし制度の注意点は、主に以下の2つです。
- 実務研修の受講日時に注意
- みなし配置には届出が必要
実践研修の受講日時に注意
みなし配置で働いている児童発達支援管理責任者は、基礎研修を修了してから3年の間に実践研修を受講し、期間内に修了する必要があります。
修了しなかった場合は、みなし配置が失効してしまうため、児童発達支援管理責任者として配置はできません。
3年以内とは、配置されてからではなく、基礎研修修了日からです 。
実践研修を受講しても期間内に修了できないと失効してしまうので、開催される日時をしっかりと確認しておきましょう。
みなし配置には届出が必要
児童発達支援管理責任者のみなし配置には、事業所から指定権者への届出が必要です。
指定権者への届出とは、事業所が所在する自治体に児童発達支援管理責任者の変更を届け出ることです。
指定権者への届出は、みなし配置と2人目配置の場合のみ必要になります。
児童発達支援管理責任者のみなし要件を知って人材を確保しよう
研修の制度変更により、児童発達支援管理責任者の要件が複雑化しています。
2021年度までに基礎研修を修了した人は、みなし要件に当てはまるため、一時的に児童発達支援管理責任者として配置が可能です。
ただし、みなし配置はずっと続くわけではありません。
今回紹介した条件を参考にして、児童発達支援管理責任者の配置が失効しないようにご注意ください。
児童発達支援管理責任者について、さらに詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。