
児童発達支援管理責任者になるには、基礎研修と実践研修の受講が必要です。
また、すでに研修を終えている人のなかには、更新研修について知りたい人もいるでしょう。
この記事では、基礎研修と実践研修、更新研修の受講資格や内容を解説します。
また、研修の申し込み方法にも触れていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
児童発達支援管理責任者になるために必要な基礎研修・実践研修
児童発達支援管理責任者になるには、基礎研修と実践研修の受講が必要です。
基礎研修は実務経験要件を満たす2年前からの受講が可能です。
実践研修は基礎研修が修了後、実践研修受講開始日前の5年間に通算で2年以上の実務を行った場合、受講が可能となっています。
ここでいう実務とは、相談支援業務および直接支援業務を指します。
また、基礎研修と実践研修が修了後も5年ごとに更新研修が必要です。
児童発達支援管理責任者になるための基礎研修について
児童発達支援管理責任者になるためには、まず基礎研修の受講が必要です。
ここでは、基礎研修の受講資格と研修の内容を詳しく解説します。
受講資格
基礎研修は、実務経験が2年に満たない段階から受講も可能です。
研修対象者は以下のとおりです。
実務経験の年数 | 業務の種類 |
---|---|
1年 | 国家資格等の業務に通算5年以上従事している者が行う相談支援の業務および直接支援の業務(国家資格等と相談・直接支援業務の期間は同時期でも可) |
3年 | 相談支援業務 |
3年 | 社会福祉主事任用資格等を有する者が行う直接支援の業務(社会福祉主事任用資格等を取得する前の期間も含む) |
6年 | 社会福祉主事任用資格等を有しない者が行う直接支援の業務 |
上記の表にある対象国家資格とは以下を指します。
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 視能訓練士
- 義肢装具士
- 歯科衛生士
- 言語聴覚士
- あん摩マッサージ指圧師
- はり師
- きゅう師
- 柔道整復師
- 管理栄養士
- 栄養士
- 精神保健福祉士
また、社会福祉主事任用資格等は以下のとおりです。
- 社会福祉主事任用資格を有する者(社会福祉士や精神保健福祉士、研修・講習受講者等)
- 訪問介護員(ホームヘルパー2級、現介護職員初任者研修)以上に相当する研修を修了した者
- 保育士および児童指導員任用資格者
- 精神障害者社会復帰指導員任用資格者
実務経験の要件の詳細は以下を参照してください。
研修の内容
基礎研修の講義部分の一部には、相談支援従事者初任者研修と児童発達支援管理責任者基礎研修があります。
相談支援従事者初任者研修の講義内容は以下のとおりです。
- 障害児の相談支援について
- 障害児支援の基本的視点
- 障害者総合支援法の理念と現状、サービス提供プロセス、関連する法律等への理解
- 相談支援のスキル
- ケアマネマネジメントのプロセスと手法
- 障害者総合支援法および児童福祉法の相談支援について
- 家族支援と地域資源の活用について
児童発達支援管理責任者基礎研修の講義内容は以下のとおりです。
- 支援提供の基本的な考え方やプロセス
- サービス提供プロセス管理の演習
児童発達支援管理責任者基礎研修では、個別支援計画の作成手順を習得し、実際に演習も行います。
以前は相談支援従事者初任者研修とサービス管理責任者等研修の受講でしたが、研修カリキュラムが統一され、共通での実施となりました。
基礎研修の受講時間は26.5時間です。
児童発達支援管理責任者になるための実践研修について
基礎研修の修了後には実践研修の受講が必要です。
ここでは、実践研修の受講資格と研修の内容を詳しく解説します。
受講資格
基礎研修の修了後に2年間のOJT期間を終了すれば、実践研修の受講ができます。
OJTとは、職場で働きながら上司の指導のもと仕事を覚える訓練のことです。
実践研修に必要な実務経験は、受講開始日前5年間に指定障害者施設等で通算2年以上、相談支援や直接支援業務に従事していることです。
また、児童発達支援管理責任者として従事しているまたは従事しようとしていることを指します。
研修の内容
実践研修の講義内容は以下のとおりです。
- 障害福祉の動向について
- サービス提供の講義と演習
- 人材育成の講義と演習
- 多種目および地域連携の講義と演習
以上の講義には14.5時間を要します。
基礎研修に比べて演習時間が多いのが特徴です。
児童発達支援管理責任者になったあとも更新研修が必要
児童発達支援管理責任者になったあとも、5年ごとに更新研修の受講が必要です。
ここでは、研修の対象者と受講のタイミング、研修の内容を解説します。
研修の対象者と受講のタイミング
まずは、研修の対象者と受講のタイミングを見ていきましょう。
研修の対象者
更新研修の対象者は以下のいずれかです。
- 過去5年間にサービス管理責任者や児童発達支援管理責任者、相談支援専門員、管理者の実務経験が2年以上ある
- サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者、管理者、相談支援専門員としてすでに従事している
受講が必要なタイミング
参照:サービス管理責任者研修・児童発達支援管理責任者研修 研修制度変更に関するまとめ
更新研修の受講は、実践研修修了の翌年度から5年ごとに1回必要です。
5年間のうちに更新研修を1回受講すれば、その5年間は児童発達支援管理責任者として働けます。
たとえば、実践研修の翌年に更新研修を受講した場合、まずそのあとの5年間は受講の必要がありません。
そして、5年後にすぐ更新研修を受ける必要はなく、次の5年間のうちに更新研修を受講すれば問題ありません。
研修の内容
児童発達支援管理責任者基礎研修のカリキュラムは以下のとおりです。
【障害福祉の動向に関する講義】
- 児童福祉施策の最新の動向
【サービス提供の自己検証に関する演習】
- 事業所としての自己検証
- 児童発達支援管理責任者としての自己検証
- 関係機関との連携
【サービスの質の向上と人材育成のためのスーパービジョンに関する講義及び演習】
- 児童発達支援管理責任者とし てのスーパービジョン
- 事例検討のスーパービジョン
- 支援提供職員等へのスーパービジョン
- 研修のまとめ
講義時間は、各7.5時間で合計15時間です。
児童発達支援管理責任者の研修の申し込み方法は?
児童発達支援管理責任者の研修は2019年から変更されています。
ここでは、2022年現在の研修の申し込み方法を解説します。
児童発達支援管理責任者研修は自治体が行っているため、申し込み方法は全国共通ではなく、各都道府県によって異なります。
都道府県のホームページで日程や受講場所、費用、申し込み方法を確認しましょう。
また、研修を受けるためには、原則として法人または事業所等代表者の推薦が必要です。
ただし、従事する事業所が未定の場合や法人立ち上げ中の場合は個人で申し込みできるケースもあります。 都道府県によっては、定員に余裕があれば他の県から受講者を受け入れる場合もあります。
なお、近年はコロナ禍の影響で、オンラインでの研修も実施されています。
詳しくは自治体にお問い合わせください。
児童発達支援管理責任者の研修は忘れずに受けよう
児童発達支援管理責任者になるには、基礎研修と実践研修を受講する必要があります。
また、修了後には5年ごとに更新研修も受講しなければなりません。
この記事では、各研修の受講資格や研修内容を解説しました。
また、研修の申し込み方法も紹介しています。
研修を受け忘れてしまうと、勤務先で児童発達支援管理責任者として働けなくなってしまいます。
研修は自治体が行うため、各都道府県のホームページなどで日程や申し込みについて確認し、必ず受講するようにしましょう。
児童発達支援管理責任者について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
