調理師免許の受験資格を得るには2年以上の実務経験が必要です。
実務経験が足りなければ、必要な期間を調理業務への従事にあてる必要があります。
しかし、実務経験を追加で重ねる前に、実務経験の計算方法などが正しいのか確認することが重要です。
本記事では、実務経験の正しい計算方法や実務経験に該当しない期間、実務経験に該当する業種を解説します。
お読みいただくことで、調理師免許の取得に必要な実務経験が足りない場合の対策を理解できるため、ぜひ参考にしてください。
目次
調理師免許取得のための実務経験が足りない場合はどうする?
調理師免許の取得に必要な実務経験が足りない場合は、次の順番に沿って行動しましょう。
- 実務経験2年以上の計算方法が正しいか確認する
- 実務経験に含まれない期間がないか確認する
- 足りない分は実務経験に該当する業種で働く
調理師の実務経験について詳細を知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
1.実務経験2年以上の計算方法が正しいか確認する
公益社団法人調理技術技能センターの職歴に関する注意事項を参考にすると、実務経験の正しい計算方法は次のとおりです。
- 社員やパート・アルバイト問わず、週4日以上かつ1日6時間以上の勤務を実務経験とする
- 複数の実務経験の合算は可能であるが、同一期間で複数の施設に勤務していた実務経験は合算できない
- 1ヵ月以上の長期休暇は実務経験の期間に含めない
なお、受験申請に必要な調理業務従事証明書は、本人が記入してはいけません。
必ず勤務している職場の施設長に記入してもらいましょう。
2.実務経験に含まれない期間がないか確認する
公益社団法人調理技術技能センターの職歴に関する注意事項を参考にすると、調理の実務経験に含まれない期間は次のとおりです。
- 飲食物の運搬や配達、食器洗浄など
- 栄養士や保育士、看護師、訪問介護員などとして採用されている場合の調理業務(通常の勤務体系で、調理業務に専念している場合は認められる)
- 調理師養成施設の調理実習指導
- 企業の食品開発
- 食品衛生法の営業許可を受けていない施設での業務
- 菓子製造業や喫茶店営業の許可のみの施設での業務
- 主にケーキやパン製造の業種
- 外国の飲食店での業務
- 定時制や通信制以外の高校在学期間の調理業務
実務経験に該当する業種と該当しない業種の詳細は、次の小見出しで確認しましょう。
3.足りない分は実務経験に該当する業種で働く
公益社団法人調理技術技能センターの受験資格の項目を参考にすると、調理師免許の取得に必要な実務経験に該当する業種は次のとおりです。
- 飲食店営業
- 給食施設
- 魚介類販売店
- そうざい製造業
ここでは、調理師免許の取得に必要な実務経験に該当する業種と該当しない業種を解説します。
飲食店営業
食堂・レストラン・寿司屋など、お客様に飲食を提供する飲食業営業は実務経験に該当します。
あわせて、旅館や簡易宿泊所での業務も飲食店営業に該当します。
酒類以外の飲物、茶菓を提供する喫茶店営業、既製品・半製品を加熱や盛り付けをして提供する簡易的な飲食店営業などは、実務経験に該当しません。
既製品と半製品の食品例は、「そうざい・ハム・ソーセージ・缶詰・おでん・唐揚げ・フライドポテト」などを指します。
給食施設
寄宿舎や学校、病院など多人数に対して飲食物を提供する給食施設は、実務経験に該当します。
ただし、継続して1回20食以上か1日50食以上の飲食物を提供する施設でなければなりません。
魚介類販売店
店舗を設けて魚介類を加工し販売する魚介類販売店は、実務経験に該当します。
魚介類をそのまま販売する営業やせり売営業や、畜肉の解体や分割などの食肉処理業は実務経験に該当しません。
そうざい製造業
そうざいと米飯やパンを組み合わせて食品を製造する業種は、実務経験に該当します。
そうざいとは「煮物・佃煮・焼き物・炒め物・揚げ物・蒸し物・酢の物・和え物」などのことです。
なお、調味料や菓子、パン、麺、水産製品などの製造業、食肉製品製造業や魚肉ねり製品製造業、豆腐製造業、飲料の調製などは実務経験に該当しません。
調理師免許取得の実務経験が足りないときは正しく確認して対応しよう
調理師免許を取得すれば、転職先の選択肢が増えたり待遇が良くなったりするメリットがあります。
しかし、実務経験を正しく把握できていないと、年に1~2回の調理師試験を受験できずに免許取得のチャンスを逃してしまいます。
調理師免許の取得に必要な実務経験が足りないときは、本記事を参考に正しく実務経験を確認して対応しましょう。