介護事務の仕事について、「難しそう」という印象を持っている方に向けて、具体的な難しいポイントを解説する記事です。
特にメインの業務であるレセプト業務については深く掘り下げていきます。
介護事務に興味はあるが、難しそうな仕事と思っている方は参考にしてみてください。
目次
介護事務は未経験・初めての人には難しい？
介護事務になるために、特有の資格は必要ありません。
未経験でも応募できる職種です。
一方で、介護事務の主な業務となる介護報酬請求（レセプト業務）は、介護保険制度や介護報酬の算定法などの専門知識を要します。
そのため、これから介護事務の勉強を始める方からすると、難しいと感じるかもしれません。
介護事務に必要な専門知識は、民間のスクールなどで学ぶことができます。
また、以下のような資格を取得しておくと、介護事務をめざすうえで役に立つでしょう。
- 介護事務実務士
- 介護事務管理士
- ケアクラーク
- 介護報酬請求事務技能検定試験
介護事務の仕事の難しいところとは？
介護事務の仕事の難しさとしては、以下のようなものがあります。
- 介護保険制度などの専門知識が必要
- 事業所の収益に関わる仕事で責任が大きい
- 介護事務業務以外の仕事をする機会が多い
- ケアマネジャーの補助業務もある
それぞれ見ていきましょう。
介護保険制度などの専門知識が必要
介護事務の仕事であるレセプト業務には、「介護報酬請求」「介護保険制度」の知識が必要になります。
レセプト業務とは、事業所や施設が提供した介護サービスに対して、介護報酬の支払いを請求する業務です。
介護報酬は事業所や施設にとって重要な収益ですので、適切な請求が求められます。
また、介護保険制度は3年に1度見直されるため、常に新しい情報を学び続けなければなりません。
事業所の収益に関わる仕事で責任が大きい
介護事務の業務は、請求を誤ると、介護サービスの売上の入金が遅れ、事業所や施設に金銭面での負担をかけてしまいます。
事業所や施設の収益であるレセプト業務を担うため責任が大きく、プレッシャーを感じる人も少なくありません。
介護事務業務以外の仕事をする機会が多い
事業所や施設によっては、介護事務業務の他にも利用者のサポートを求められ、本来の業務だけに集中できないことがあります。
介護職員の必要数は増えており、介護現場から頼まれると断れないケースもあるでしょう。
具体的には、利用者の送迎や食事の配膳、入浴の介助など生活の援助に、介護事務が駆り出されることが想定されます。
ケアマネジャーの補助業務もある
介護事務は、ケアマネジャーの補助業務を行うこともあります。
ケアマネジャーとは、介護利用者が適切なサービスを受けられるように、事業者と介護利用者の間に入り調整する人です。
ケアマネジャーの主な業務は、以下のとおりです。
- 介護給付費の管理
- 要介護認定に必要な書類作成
- 利用者のケアプラン作成
介護事務がケアマネジャーの補助を行うためには、さらに福祉の知識が必要となり、大変だと感じる人もいるでしょう。
介護事務はレセプト業務が難しい？
レセプト業務は、介護事務のなかでも特に重要な業務です。
レセプト業務は、専門知識が必要なうえに、提出期間が決まっていたり、請求が返戻されると事業所の収益が少なくなったりするため、難しい業務となります。
レセプトに必要な知識
レセプト業務を行うために必須の資格はありません。
しかし、「介護保険制度」「介護保険請求」などの専門知識が必要です。
また、レセプトには毎月締切があり、正確さとスピードが求められるため、数字に強かったり時間管理が得意であったりする人には向いている業務といえます。
介護保険制度は3年に1度改定されるため、その都度、最新情報のインプットが大切です。
業務内容と提出期日
レセプトは、毎月決まった期間に提出しなければなりません。
提出期間は翌月1日から10日で、この期間に国民健康保険団体連合会へ請求書や明細書の送付が不可欠です。
提出する書類は、事業所などによって異なります。
訪問介護などのサービス提供事業所は、以下の2点です。
- 介護給付費請求書
- 介護給付費明細書
居宅介護支援事業所であれば、以下の3点となります。
- 介護給付費請求書
- 居宅介護支援介護給付費明細書
- 給付管理票
レセプトの返戻とは
国民健康保険団体連合会へ提出したレセプトに不備があった場合は、請求元の事業所や施設に差し戻される「返戻」となります。
返戻分は、事業所に支払われず事業所や施設の収入が少なくなるため、修正してすぐに再請求が必要です。
返戻の原因は、以下のようなケアレスミスが多いため、可能な限りダブルチェックを行います。
- データ入力（介護保険番号・生年月日・要介護区分・有効期限など）
- 重複請求
介護事務は難しい業務であるためやりがいがある
介護事務は、重要な収入である介護報酬を請求するため、事業所や施設には欠かせない職種です。
常に最新の専門知識を学びながら、レセプトを間違いなく締切に間に合うよう作成する必要があり、さらには介護事務以外の業務のサポートに駆り出されることもあるため、難しい印象を持たれやすい職種でもあります。
しかし、責任が大きく難しい仕事であるからこそ、介護事業所や施設で働いている他のスタッフから感謝される機会もあり、やりがいのある仕事です。
介護事務に興味がある方は、介護事務の求人に応募するなど挑戦してみてください。
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