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介護福祉士と社会福祉士の違いは?仕事内容・難易度を比較

福祉に関わる仕事をめざすとき、介護福祉士と社会福祉士のどちらが良いのか迷う方も多いかもしれません。
介護福祉士と社会福祉士はどちらも福祉の現場で活躍できる資格ですが、仕事内容や支援対象者などに違いがあります。

本記事では、介護福祉士と社会福祉士の違いやそれぞれの難易度について確認してみましょう。
また、介護福祉士と社会福祉士のダブルライセンスの取得方法やメリットも解説します。

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介護福祉士と社会福祉士の違いは?

介護福祉士と社会福祉士の違いは?

介護福祉士と社会福祉士の大きな違いに、仕事内容と支援対象者、給料の3つがあります。
いずれも福祉の現場に関わる仕事ですが、介護福祉士は身体介護を行うため体力が必要とされるでしょう。
一方、社会福祉士はさまざまなケースに対応できる知識が求められます。

仕事内容の違い

介護福祉士は、高齢者の方や障害のある方に対して食事介助、入浴介助などの日常生活を送るためのサポートを行います。
対して社会福祉士は、日常生活を送るうえで課題を抱えている方の相談に乗り、福祉の面で助言・指導を行ったり、各関係機関と連携したりするのが主な役目です。

介護福祉士と社会福祉士の仕事内容の違いを、以下で見てみましょう。

介護福祉士

介護福祉士の仕事内容は、高齢者や身体・精神に障害がある方に対して、食事や入浴、排泄の介助など、日常生活を送るためのサポートを行うことです。
介護福祉士の仕事は、次の5つに分類されます。

  • 身体介護
  • 生活援助
  • 相談・助言
  • 社会活動支援
  • チームマネジメント

身体介護は、食事介助や入浴介助など利用者さんの身体に直接触れる介護を指します。
生活援助とは、掃除や洗濯、料理、買い物などのサポートのことです。

ときには利用者さんの話し相手・相談相手となり、社会活動支援として就労支援や地域活動の情報の提供など、利用者さんが社会の一員として生活できるよう支援することもあります。
また、場合によっては介護現場のリーダーを務めたり、後輩職員の教育指導をしたりといったチームマネジメントを求められることもあるでしょう。

介護福祉士の仕事内容に関しては、以下の記事もご参照ください。

社会福祉士

社会福祉士の主な仕事は相談業務です。
相談業務とは、日常生活を送るうえで課題を抱えている人々の相談に乗り、福祉の面から支援・助言を行うほか、各関係機関と連携することを指します。

社会福祉士の業務の流れは、以下のとおりです。

  1. 福祉的な課題(病気、障害、貧困など)を抱えている人の相談に乗る
  2. 各関係機関(福祉サービス事業所、病院、役所など)と連携する
  3. 相談者が望む生活を送れるように助言や指導、必要な援助を行う

相談業務では、相談者の困りごとや不安を聞いて、どのような生活課題(ニーズ)があるかを的確に判断する必要があります。
また、相談業務後に相談者のニーズを満たした福祉サービスが提供されているか、新たなニーズが発生していないかを確認することも社会福祉士の役割です。
これら社会福祉士の仕事は、社会福祉援助(ソーシャルワーク)とも呼ばれます。

支援対象者の違い

介護福祉士の支援対象者は「介護を必要としている方」です。
例としては認知症のある方や体が不自由な方、要介護認定を受けた方などが挙げられます。
高齢者の方や障害のある方がメインとなるのが特徴です。

社会福祉士の支援対象者は「福祉を必要としている方」です。
高齢者の方や障害のある方以外にも、子どもや生活困窮者など、生活に困っているすべての方に対して支援を行います。
介護福祉士と比較すると社会福祉士のほうが支援対象者の範囲が広く、各ケースに対応できる専門知識が求められるでしょう。

給料の違い

厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護福祉士の月収は328,720円、社会福祉士の月収は363,480円です。
介護福祉士と比較して、社会福祉士のほうが約35,000円月収が高いという結果になりました。

社会福祉士のほうが月収が高い理由として、正規職員の数の多さが考えられます。
社会福祉士の81.6%が正規職員であるのに対し、介護福祉士の正規職員は42.6%と社会福祉士の約半分です。
社会福祉士と比べると、介護福祉士はパート・アルバイトや派遣社員として働く方が多いといえます。

もちろん働き方によっては、介護福祉士が高収入をめざすことも可能です。
例えば、日勤のみの社会福祉士と夜勤も行う介護福祉士を比べたときには、結果的に介護福祉士のほうが年収が高くなることも考えられるでしょう。

介護福祉士の年収に関しては、以下の記事もご覧ください。

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介護福祉士と社会福祉士はどちらが難しい?

介護福祉士と社会福祉士はどちらが難しい?

介護福祉士と社会福祉士では、社会福祉士のほうが難易度が高い資格といえます。
社会福祉士の合格率は低く、さらに社会福祉士の受験資格を得るには大学や養成施設への通学が必須となっていることがその理由です。

合格率

介護福祉士の試験合格率は56.6%、社会福祉士の試験合格率は27.9%です。
社会福祉士の合格率は介護福祉士の約半分であり、高難度の資格といえるでしょう。

社会福祉士の出題科目は、共通科目11科目と専門科目8科目の計19科目と、出題範囲が広く設定されています。
さらに、合格するには下記の条件を満たさなければなりません。

1. 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
2.1を満たした者のうち、以下の18科目群(ただし、(注意2)に該当する者にあっては7科目群。)すべてにおいて得点があった者。

引用:[社会福祉士国家試験]合格基準

また、社会福祉士の試験に合格するには300時間以上の勉強が必要なうえに、大学や専門学校に通学しながら自主学習にも時間を割かなければなりません。
働きながら取得をめざす方も多いため、勉強時間の確保が難しくなかなかモチベーションを維持できずに苦労する方もいるでしょう。

受験資格

介護福祉士は、養成施設や福祉系高校を卒業すると受験資格が与えられます。
ただし、これらの教育機関を卒業していなくても、3年以上の実務経験と実務者研修を修了している場合は受験可能です。

一方で、社会福祉士は福祉系大学などを卒業していない場合、短期養成施設や一般養成施設に修学しなければなりません。
したがって、社会福祉士の受験資格を得るためには教育機関への通学が必須となります。

介護福祉士

介護福祉士

介護福祉士の受験資格を取得するルートは主に3つです。

  1. 養成施設ルート
    高校卒業後に福祉系大学や短期大学、専門学校に入学するルートです。
    原則2年以上の通学が必須である一方で、福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設卒業者は1年以上の通学で済みます。
  2. 実務経験ルート
    以下の条件を満たす方には受験資格が与えられ、実務試験が免除されます。
    ● 介護の現場に3年以上従業し、かつ540日以上従事している
    ● 実務者研修を修了している
  3. 福祉系高校ルート
    介護福祉学科・コースが設置されている高校に入学するルートです。
    所定の科目・単位を取得後に卒業すると、介護福祉士の受験資格を取得できます。
    介護福祉士をめざす中学生や高卒認定者の方におすすめです。

介護福祉士の受験資格に関しては、以下の記事もご覧ください。

社会福祉士

社会福祉士

社会福祉士の受験資格を得るには、大別して3つのルートがあります。
大学や短大、養成学校での修学が必要になる点が介護福祉士との違いです。

  1. 福祉系大学などで指定科目を修了して卒業するルート
    4年制大学を卒業した場合は、相談援助実務なしで国家試験を受験できます。
    2年制短期大学を卒業した場合は2年、3年制短期大学を卒業した場合は1年の相談援助実務に従事しなければ、受験資格は得られません。
  2. 短期養成施設で6ヵ月以上修学するルート
    福祉系大学や短期大学などで基礎科目を修めた方や、児童福祉司や身体障害者福祉司の実務経験が4年以上ある方などが該当します。
  3. 一般養成施設で1年以上修学するルート
    一般大学・短期大学卒業者や相談援助実務に4年以上従事している方が該当します。

介護福祉士と社会福祉士を両方取得するには?

未経験の方が介護福祉士と社会福祉士を両方取得するには、介護の実務経験を積みながら大学や養成施設で社会福祉士の勉強をしなければなりません。
ダブルライセンスを取得すると知識・経験が増え、利用者さんに質の高いサービスを提供できるでしょう。

ダブルライセンスの取得方法

未経験の方が同年のダブルライセンス取得をめざす場合は、介護の実務に就いて2年目に社会福祉士の養成施設へ入学する方法が最短です。
介護実務経験3年かつ実務者研修を修了した段階で介護福祉士の受験資格を得られ、さらに一般大学を卒業している方であれば、養成施設に1年以上通学することで社会福祉士の国家試験を受験可能です。

あるいは、介護の実務経験を積みながら社会福祉士養成施設へ進んで資格を取得し、そのあとで介護福祉士の受験資格を満たして合格するという方法もあります。
同時合格ではないものの、時間をかけて知識をつけていきたい方に向いているでしょう。

合格をめざすには、まず受験資格を満たすことを目標に計画を立ててみてください。

ダブルライセンスのメリット

ダブルライセンスのメリットは、知識・経験が増えることでより総合的なサービスを提供できる点です。
また、ダブルライセンスを取得すると転職に有利に働くことがあるほか、資格手当が付くなどキャリアアップや給料アップにつながりやすくなることもメリットです。

支援対象に高齢者が多いことから、介護福祉士と社会福祉士のダブルライセンスを取得している方は少なくありません。
仕事内容は違うものの、日常生活に不便や不安を抱えている方を相手にするため、知識だけではなく共感して寄り添う姿勢や柔軟性も大切になります。

介護福祉士と社会福祉士はどちらも福祉業界で活躍できる資格

介護福祉士と社会福祉士は、どちらも福祉の現場で活躍できる資格です。
介護福祉士は主に高齢者の方や障害のある方に対して介護業務を行うのに対し、社会福祉士は日常生活を送るうえで課題を抱えている方に対して相談援助業務を行います。

国家試験の合格率は介護福祉士が56.6%、社会福祉士は27.9%と、後者のほうが難易度は高めです。
現場での実務経験や養成施設の修了を経る必要があるなど、資格取得にはそれなりの努力が必要ですが、ダブルライセンスを取得できれば自分にとって大きな強みになるでしょう。

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