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介護福祉士の仕事内容を具体的に解説!どんな仕事なのか理解を深めよう

介護福祉士は、加齢や病気などにより日常生活を送ることが困難な人を対象とし、食事や入浴といったサポートを行う仕事です。
介護福祉士の仕事に興味はあるものの、「具体的な仕事内容がわからない」「介護福祉士をめざしてみたいけど自分に合ってなかったらどうしよう」といった悩みを抱える方もいるでしょう。

本記事では、介護福祉士の仕事内容をわかりやすく解説しています。
また、向いている人の特徴や給与などの疑問についても紹介します。
介護福祉士をめざしている方や、介護の仕事に興味のある方は参考にしてください。

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介護福祉士の仕事内容

介護福祉士の仕事内容

介護福祉士の主な業務内容は下記の5つです。

業務内容 詳細
身体介護 着替えの介助や食事の補助などの介助
生活援助 調理の準備や部屋の掃除といった日常生活のサポート
相談・アドバイス・指導 利用者やそのご家族に行うサポート
(介護や生活に関する相談等)
社会活動支援 利用者の人間関係を支援
チームマネジメント 介護スタッフの指導や育成などチームを取りまとめる業務

それぞれ詳しく解説していきます。

身体介護

着替えの介助/食事の補助/入浴の補助/排泄の補助/
ベッドからの立ち上がり補助/歩行器の補助/体位変換

身体介護とは、利用者の身体に直接触れて行う介助サービスのことです。

利用者ごとに、自身で行えることや必要である介助が異なります。
利用者のニーズに合わせた対応が重要になるでしょう。
なぜその介助が必要になるのか、根拠に基づいた論理的思考が求められます。

なお平成24年の法改正により、介護福祉士による以下の医療行為が容認されました。

  • 痰の吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
  • 経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)

医師や看護師との連携のもと、一定の研修を受けて、喀痰吸引などの医療行為を提供できます。

生活援助

生活援助とは、調理や掃除など本人の代行で行うサービスのことを指します。
具体的な業務は下記のとおりです。

調理、食事の準備/部屋の掃除/身の回りの整理整頓/洗濯/買い物

味付けから調理の仕方、洗濯物のたたみ方など、一人ひとり異なるため、利用者それぞれに合わせた援助が必要になります。

ここでは、自立に向けた視点や残された機能を活かす視点が重要です。
利用者が持っている力を引き出しながら介護するという役割があるからです。

相談・アドバイス・指導

利用者に自立した日常生活を送ってもらうために、介護や生活に関する相談に応じたりアドバイスをしたりすることも、介護福祉士の大切な役割です。
利用者はもちろん、そのご家族のサポートも行います。

相談やアドバイスなどの具体的なサポート内容は以下のとおりです。

利用者本人

利用者本人に対して、福祉用具の使い方や介護に関する指導をするほか、メンタルケアを行うのも介護福祉士の仕事になります。
具体的な業務は以下のとおりです。

ご家族など人間関係に関する相談/悩みや不安に関する相談/
介護に関する相談、指導/福祉用具の案内、使い方の指導

利用者のなかには、介護されることに不安を感じている方もいます。
そのため、利用者の気持ちを考えた思いやりのある心で接することが求められるでしょう。

単に相談を受けるだけでなく、気持ちを汲み取って歩み寄ろうとする姿勢も必要です。

利用者のご家族

介護福祉士の存在は、利用者だけでなくそのご家族の精神的な支えにもなり得ます。
コミュニケーション能力が必要とされ、ただただ話をする・聞くだけではなく、ご家族の気持ちに寄り添うことが大切です。

具体的な業務は以下があります。

介護保険の相談/介護方針の相談/福祉用具の案内、使い方の指導

各種サービスや施設との橋渡し役として相談に対応する場合もあり、単発ではなく継続した関わりを持つことになるでしょう。

社会活動支援

介護が必要になった方は、身近な人や社会とのつながりが薄れてしまう場合があります。
そのつながりを保つために手助けをするのも、介護福祉士の仕事です。
利用者のご家族や近隣住民の方などと、より良い人間関係を築けるように支援します。

具体的な業務内容は下記のとおりです。

就労支援/地域活動の情報提供や参加支援

地域の催しや地域活動の情報を集めて、利用者が社会のなかで役割を持てるよう支援をすることもあります。

チームマネジメント

介護福祉士は、介護チーム内で中核的な役割やリーダーシップを発揮することが求められています。
業務内容は次のとおりです。

メンバーの指導、育成/業務の調整/シフト管理/
他職種との連携の窓口/介護計画書や介護記録の管理

介護の知識や技術はもちろんのこと、とっさの判断力やコミュニケーション能力、人間力などが問われます。
同じく平成30年の介護福祉士養成課程の改正にて、チームマネジメントの科目の履修時間が、30時間から60時間に引き上げられました。
倍となるカリキュラム改正からも、介護職のマネジメント力を高めてほしいという意図が伺えます。

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介護福祉士の仕事内容は施設によって異なる

身体介助や生活支援などが介護福祉士の基本的な業務内容ですが、施設によって仕事内容は変わってきます。

施設の種類 主な業務内容
デイサービス ● 送迎時の移動介助
● 入浴・食事・排泄の介助
● 訓練プログラムの実践
● レクリエーションの援助
特別養護老人ホーム(特養) ● 食事・排泄・移動・入浴の介助
● 口腔ケア
● 体位変換
● 各生活支援
● 機能訓練
● 終末期の介護
● 介護過程の展開
介護老人保健施設(老健) ● 調理・洗濯などの生活支援
● 機能訓練
● レクリエーションの支援
● 環境整備
● 介護過程の展開
介護付き有料老人ホーム ● 入浴・排泄・食事の介助
● 機能訓練
● 生活支援
● レクリエーション
● 介護過程の展開
● 終末期の介護
病院 ● 食事・排泄・入浴の介助
● 機能訓練
● 看護師の介助業務
※病院での介護福祉士の業務範囲は、病院の機能によって異なる

上表のとおり、施設により仕事の量や内容は異なります。
ただし、介護が業務の大部分を占めるため、生活の介助や機能訓練など働く場所が違っても共通する仕事内容もあります。

また、介護福祉士はここで挙げた介護現場以外の仕事に就くことも可能です。
現場以外に介護福祉士が活躍できる職種と仕事内容は以下のとおりです。

  • 介護福祉士養成施設の教員
    介護に関する講義や技術指導、実習などを行います。
  • 福祉用具専門相談員
    介護に必要な福祉用具のアドバイスを行います。
  • 介護用品の営業職
    介護の知識と経験を活かして、介護用品の営業を行います。

現場以外の仕事について詳しく知りたい場合は、以下のページを確認してください。

介護福祉士の仕事内容に関する疑問

介護福祉士の仕事内容に関する疑問を紹介します。
紹介する疑問は以下の5つです。

  • 介護職に就くには介護福祉士の資格が必要?
  • 資格はどうやって取得するの?
  • 介護福祉士に向いている人はどんな人?
  • 介護福祉士は大変?
  • 給料や年収はどれくらい?

介護職に就くには介護福祉士の資格が必要?

介護職に就くには介護福祉士の資格がなくても大丈夫です。
実際に介護福祉士の資格を取得せずに従事している人もおり、介護職に従事する者を総称して「介護士」と呼んでいます。

介護士と介護福祉士はどちらも介護サービスを提供するのが仕事です。
しかし、任される仕事の領域や待遇面で差があります。

介護業界で長期間働くのであれば、初めは無資格で働き、ある程度の実務経験を積んだあとに、国家試験に挑戦し介護福祉士の資格を取るのがおすすめです。
介護福祉士の資格を取れば給与アップやキャリアアップも実現できるでしょう。

資格はどうやって取得するの?

介護福祉士の資格取得には以下の4つのルートがあります。

  1. 養成施設ルート
  2. 実務経験ルート
  3. 福祉系高校ルート
  4. 経済連携協定(EPA)ルート

社会人になってからでも実務経験を積むことで、年齢の制限なく受験資格を得ることが可能です。
なお、資格の有効期限はなく、更新の必要もありません。

各ルートに関する詳細や資格取得後の手続きについては、こちらの記事を参考にしてください。

介護福祉士に向いている人はどんな人?

以下のような特徴がある人は介護福祉士に向いています。

  • 人と接することが好きな人
  • 責任感が強い人
  • 固定休みでなくても問題ない人

介護福祉士は、利用者以外にも利用者のご家族やスタッフとコミュニケーションを取りながら働くため、人と接することが好きな人に向いています。

介護は人の命に関わる仕事です。
自分が担当する利用者に必要十分な介護を提供できなければ、健康を害するおそれがあります。
責任感を持って仕事に臨める人でなければ、介護福祉士には向いていません。

また、介護施設では土日祝日でも仕事があります。
休日が不定期になりやすいため、固定休でなくても気にしないという方は介護職が向いています。

介護福祉士は大変?

介護福祉士の仕事内容は多岐にわたるため、大変だと感じることもあるでしょう。
単に介護を行うのではなく、根拠に基づき、個々の状況に応じた質の高い介護を展開しなければいけません。

一方で、やりがいを感じることも多くあるでしょう。
例えば、利用者やご家族から「ありがとう」などと感謝の言葉をもらったときや、利用者が自立して生活できるようになった姿を実感したときなど、人の役に立っているという実感を得られたときです。

直接利用者と関わり、相手の人生に寄り添えることが、介護福祉士の大きな魅力といえます。
介護福祉士のやりがいについては、以下の記事で詳しく解説しています。

給料や年収はどれくらい?

厚生労働省の令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、介護福祉士の平均月収は約328,720円、平均年収は約394万円となっています。
そこに賞与が加わると、約493万円です。

介護福祉士は国家資格のため、同じ介護職でも資格なしや実務者研修の資格者と比べて、給料は高めです。

ただし、同じ介護福祉士でも働く施設によって給与は異なるほか、夜勤の有無や利用者の介護度などで給与の差はあります。
そのため、就職を考える場合は給与面だけでなく、仕事内容も十分に考慮しましょう。

資格の有無や介護施設による給料の違い、手取り額を知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。

介護福祉士の仕事内容はハードな分、達成感も大きい

介護福祉士は、利用者のお世話という簡単なものではありません。
介護の知識と技術を習得している専門職として、利用者のニーズに合わせた介護を求められます。
なにより利用者との信頼関係を築ける人間力が問われる職種です。

自分の介護によって利用者の希望や自信を引き出せれば、大きなやりがいにつながるでしょう。
マネジメント力を活かし、人材育成や介護全体の底上げにも携われ、これからの高齢化社会での活躍が期待されているのです。

将来介護福祉士を視野に入れている方は、本記事を参考に、資格取得を検討してみましょう。

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執筆者について

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