
介護福祉士になるためにはいくつかルートがあり、その一つに養成施設を卒業して国家試験に合格する方法があります。
この記事では、介護福祉士の養成施設について、その種類や卒業年度による違い、施設で学ぶメリットなどを解説します。
目次
介護福祉士の養成施設とは
介護福祉士の養成施設とは、厚生労働大臣が指定する、介護福祉士の資格を取得するための知識や技術を学べる施設です。
高卒以上の場合、2年制以上の養成施設を卒業することで介護福祉士資格を取得できます。
保育士資格保持者や社会福祉士受験資格のある者、福祉系大学卒業者の場合には、1年制の養成施設という選択肢もあります。
介護福祉士養成施設の種類・通学期間
介護福祉士の養成施設は全国に328学科の養成課程があり、その種類は以下4つです。
- 4年制大学
- 短期大学
- 専門学校(2〜3年制)
- 1年課程の専攻科(保育士資格保持者や社会福祉士受験資格のある者、福祉系大学卒業者が対象)
それぞれご紹介します。
4年制大学
介護福祉士の養成施設のうち、1つ目は福祉系学科のある4年制大学です。
入学対象者は以下のとおりで、通常4年間通います。
- 普通科の高校を卒業した人
- 福祉系大学以外の4年制大学を卒業した人
大学では福祉全般の基礎知識や技術だけでなく、一般教養も幅広く学べます。
短期大学
介護福祉士の養成施設のうち、2つ目は短期大学です。
入学対象者は以下のとおりで、通常2年で卒業しますが、大学への編入が可能なケースもあります。
- 普通科の高校を卒業した人
- 福祉系大学以外の4年制大学を卒業した人
2年間ではありますが、介護福祉士としての基礎・専門科目や実技実習に加えて、一般教養も学べます。
専門学校(2〜3年制)
介護福祉士の養成学校のうち3つ目は、専門学校です。
入学対象者は以下のとおりです。
- 普通科の高校を卒業した人
- 福祉系大学以外の4年制大学を卒業した人
ほとんどが2年制ですが、一部3年制の専門学校もあります。
専門学校では4年制大学・短期大学と異なり、実践・調整力を身につけた即戦力となれるよう、仕事に直結したカリキュラムを中心に学べます。
1年課程の専攻科
介護福祉士の養成学校のなかには、1年課程の高等専攻科があります。
入学対象者は、以下のとおりです。
- 保育士資格を持っている人
- 福祉系大学を卒業した人
養成施設のなかでも最短の1年で、社会福祉の専門知識・技術を学べると同時に、介護福祉士の受験資格を得ることができます。
介護福祉士養成施設は、卒業年度に注意
介護福祉士の養成施設では、卒業年度によって資格取得条件が異なります。
2016年度までに卒業した人は、卒業と同時に介護福祉士資格の取得ができました。
2017〜2026年度の間に卒業する人は、卒業時に登録申請することで、以後5年間は国家試験の受験または合格しなくても介護福祉士の有資格者とみなされます。
しかし、卒業5年後以降も介護福祉士資格を有効にするためには、以下どちらかの条件を満たさなければなりません。
- 卒業後5年間のうちに介護福祉士の国家試験に合格する
- 卒業後5年間、継続して介護などの実務にたずさわる
なお、2027年度以降に卒業する人は、介護福祉士の国家試験合格が資格取得のために必須となります。
介護福祉士の受験資格については、以下の記事も参考にしてみてください。
>>介護福祉士の受験資格は?介護福祉士になる方法や必要な資格を解説
介護福祉士になるための通信制の学校はある?
介護福祉士の養成施設には、通信制の学校はありません。
介護福祉士は実技を習得する必要があるからです。
養成施設を修了・卒業して受験資格を得ているのであれば、国家試験対策に対応した通信講座はいくつかあります。
すでに実務者研修を終了している方は、通信講座を受講してみるのも良いでしょう。
介護福祉士の養成施設に通うメリット
介護福祉士の養成施設に通うメリットについてお伝えしていきます。
効率的に学べる
介護福祉士の養成施設に通えば、独学よりも効率よく専門的知識や技術を学べます。
また、実習では多くの現場を見ることができ、いろいろな場面に対応できる実践力を身につけられるでしょう。
養成施設のなかには介護福祉士に必要な知識・技術だけでなく、学校独自のカリキュラムを設けているところがあります。
介護福祉士にプラスしてほかの資格を取得したり、福祉にまつわる知識を効率よく学んだりすることが可能です。
最短で資格取得できる
介護福祉士の養成施設に通えば、特に他の資格や経験がない人でも最短2年で資格を取得することが可能です。
独学で介護福祉士の国家資格を取得するためには、3年以上の実務経験に加えて実務者研修も終了しなければいけないため、3年以上かかってしまいます。
介護福祉士の資格を早く取得したい場合、養成施設に通うことをおすすめします。
国家試験の傾向がつかめる
介護福祉士の養成施設では国家試験の傾向がつかめます。
養成施設によっては、国家試験を徹底分析した授業や、出題傾向を反映した模擬試験を実施してくれます。
個別指導を行ってくれる担任や一緒に学ぶ仲間がいるため、情報共有しやすいこともメリットだといえるでしょう。
介護福祉士の養成施設の特徴を知り、自分に合った学び方を選ぼう
今回は、介護福祉士の養成施設についてご紹介してきました。
専門学校・短期大学・大学など、それぞれの特徴やメリットを把握し、自分の状況に合った養成施設を選びましょう。